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「『だめだ、ひっくり返せ』も内乱扇動罪の可能性」

李石基大法院判決、表現の自由を深刻に侵害する恐れ

キム・ヨンウク記者 2015.01.23 12:21

李石基(イ・ソッキ)前統合進歩党議員などに対する内乱陰謀罪の大法院(最高裁)判決以後、 憲法裁判所に対する暴風が吹いているが、 大法院が証拠主義に立脚して地下革命組織ROの実体を認めずに内乱陰謀を無罪としたのに、 内乱扇動を有罪としたことは政治的な判決だという指摘も上がっている。

▲大法院判決直後、護送車に乗る李石基前議員

大法院は、検察がROの会合だと主張した2013年5月12日のマリスタ修道院講演と分班討論でさまざまな議論があったが、 その会合で内乱犯罪の実行についての具体的な合意があったと認めるのは難しいと判決した。 だが、内乱扇動罪は内乱陰謀罪に要求される実質的な危険性という要件は必要ないという論理で扇動罪を適用した。

結局、一夜の講演と討論の内容だけで持って李石基前議員は内乱扇動罪で懲役9年の宣告を受けた。 また、共に拘束起訴されたイ・サンホ水原社会的企業支援センター長は懲役4年、 ホン・スンソク京畿道党副委員長は懲役3年、 ハン・ドングン水原セナル医療生協理事長は懲役2年、 チョ・ヤンウォン社会動向研究所所長、キム・ホンヨル京畿道党委員長、キム・グンネ京畿道党副委員長は懲役3年という結果が確定した。

これについて西江大法学大学院の李昊重(イ・ホジュン)教授は 「内乱陰謀罪と扇動罪を分離させたのは問題」と指摘した。

李昊重教授は1月22日夜のCBSラジオとのインタビューで 「陰謀は二人以上が合意をするもので、扇動は他人に犯罪を実行するよう刺激する行為だと定義される」とし 「この二つの行為は互いに異なっているが、犯罪の成立要件として実質的な危険性の要件は同じように適用されると見なければならない」と明らかにした。

李昊重教授は 「実質的な危険性がなく内乱陰謀は成立しないのに、 大法院によれば扇動罪は『その危険性の要件は必要ない』というようにして扇動罪の要件を緩和し、 陰謀罪は無罪なのに扇動罪は有罪だという論理を引き出した」とし 「刑法理論的に見ると、陰謀罪にしても扇動罪にしても、 実質的な危険性の要件が厳格に要求されるという点から見て非常に誤った判決」と説明した。

続いて「実質的な危険性とは、内乱謀議や扇動をした時、そこに集まっていた人々が実際に内乱犯罪を実行する危険性についてのもので、 その危険性は同一に適用されると見なければならない」とし 「陰謀罪には実質的な危険性がないのに扇動罪は成立するというのは、理論的には全く妥当ではない」と付け加えた。

特に李教授は「こうなると内乱扇動罪というのは、誰かが政府に不満があって 『ああ、この政府はだめだ。ひっくり返せ』といったように話せば、 全て内乱扇動にあたる可能性が生まれる」とし 「これは表現の自由に対する深刻な侵害をもたらす法解釈」だと指摘した。

李昊重教授は 「大法院の表現によれば、発言の脈絡や時期、場所、参席者が誰か、 こうしたことを総合的に判断して扇動罪にあたるかどうかを見たというが、 とても漠然としていて曖昧な概念」とし 「そうなると裁判所の恣意的な判断により、いくらでも内乱扇動罪になる可能性もある」と再度憂慮を表わした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-01-24 03:55:49 / Last modified on 2015-01-24 03:55:50 Copyright: Default

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