ソウル市民人権憲章公聴会、同性愛反対勢力が妨害
同性愛反対団体会員約200人が公聴会開催を防ぐ
「性少数者差別禁止条項」は絶対ダメ…人権団体、市民などと衝突
カル・ホンシク記者 2014.11.21 11:22
11月20日に開かれる予定だったソウル市民人権憲章公聴会が、同性愛反対勢力の集団行動で失敗に終わった。
200人近い同性愛反対団体の会員が公聴会場に参加し、集団行動を繰り広げ、あちこちで衝突が起きた。
▲ソウル市民人権憲章公聴会に同性愛反対勢力200人が集まり公聴会を壊した。
▲司会をした人権中心の朴来根所長は同性愛反対団体の一部会員により押しつけられ胸ぐらを掴まれた。
ソウル市は6月から市民委員150人、人権専門家30人で構成されたソウル市民人権憲章制定市民委員会(以下、市民委員会)で、ソウル市民人権憲章制定に着手した。
その後、何回かソウル市民を対象として人権憲章草案を検討する場を持ったが、
この時も同性愛反対勢力が参加して「性少数者差別禁止条項」をめぐり人権憲章の廃棄を主張するなどで苦労してきた。
市民委員会は11月20日午後2時、ソウル市庁西小門別館で人権憲章草案を発表し、市民の意見を聞く公聴会を開く計画だった。
だが午後1時頃から同性愛合法化反対市民連合など、
同性愛に反対する保守団体、キリスト教団体の会員約200人が団体で公聴会場に入った。
同性愛反対団体の会員らは
「市民憲章廃棄しろ」、「エイズ・アウト」、「アカは退け」、「同性愛擁護する朴元淳退け」等のシュプレヒコールをあて公聴会の開会を妨害した。
公聴会場の外では午後12時頃から保守キリスト教団体が人権憲章に反対する祈祷会を開いた。
予定時間より多少遅れ、2時20分頃、人権中心サラムの朴来根(パク・レグン)所長が公聴会の司会者としてイベントの開始を知らせると、
同性愛反対団体の会員らはいっせいにプラカードを持って「司会者を変えろ」と叫んで進行を妨害した。
これまで朴所長が同性愛を擁護する活動をしてきたことが理由だった。
その過程で同性愛反対団体の一部会員が舞台に上がり、朴所長の胸ぐらをつかんで押しつけるなどの暴力を行使した。
これ以外にも公聴会場のあちこちで同性愛反対団体会員と公聴会参加市民、人権団体会員の間で衝突が起きた。
同性愛反対団体の会員が人権団体の会員が持っていたプラカードを奪ったり、
同性愛差別発言をして物理的な衝突につながった。
そのため午後2時50分頃に人権憲章市民委員会側が参加者の安全が憂慮されるので公聴会を取り消すと発表した。
その後、人権団体の会員は「同性愛、異性愛、両エロス、トランスジェンダー、どんな性的指向を持っていてもソウル市民人権憲章で人権を保証される権利がある」と訴えた後、公聴会場を出た。
ある人権団体会員は「人権憲章制定の趣旨もよくわからないまま、人権の価値そのものに反対しているようで苦々しかった。
普遍的な人権は社会的少数者を保護することにその価値があるのではないだろうか」とし
「それでも自分の人権が重要だと言う人は、同性愛に反対しながら人権そのものを嫌悪しているようだ」と批判した。
同性愛反対団体の会員は人権団体の会員が公聴会場から出た後も
シュプレヒコールをあげて愛国歌を歌うなどの集団行動をしばらく続けた。
なお同性愛反対団体の会員は11月17日にもソウル駅で集会を開き、
ソウル市民人権憲章制定に反対する立場を明らかにし、
ソウル市がこれを受け入れなければ朴元淳市長の退陣を要求すると主張した。
▲同性愛反対団体会員の間で人権団体活動家も宣伝物を持ち出した。人権活動の宣伝物には国連の潘基文事務総長の言葉を引用し、「私はあなたたちの側に立つ。そしてすべての国家と人々にあなたたちの側に立てと要請する」と記されている。
▲公聴会場の中、同性愛反対団体会員らが団体でプラカードを持ってシュプレヒコールをあげている。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created on 2014-11-22 23:20:32 / Last modified on 2014-11-22 23:20:32 Copyright:
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