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韓国:セウォル号家族、「聖域なき国政調査を始めるまで国会に」
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セウォル号家族、「聖域なき国政調査を始めるまで国会に」

国会で徹夜...与党の慣行を言い訳に証人明記は難しいという言葉に憤激

キム・バルム、キム・ヨンウク記者 2014.05.28 11:57

5月27日午後1時から28日まで、国会で徹夜で待機してセヌリ党と新政治民主連合の国政調査特別委要求計画書合意を待っているセウォル号惨事の家族らは 「聖域なき国政調査が始まるまで国会から離れない」と明らかにした。

セウォル号惨事の家族は当初、5月27日午後2時に予定されていた本会議で国調計画書が採択されると見て、 国調がしっかり進められるように本会議の傍聴券130枚を申請し、国会を訪問した。 しかし両党が本会議の予定時間までに合意できず、両党交渉の場も作るようにした。 両党交渉でセヌリ党が聖域なき証人採択のための事前証人採択要求を拒否し、 結局国調計画書が合意できず、家族らは夜中に両党の合意を待ち続けた。

結局、翌朝まで合意できず、セウォル号犠牲者/不明者/生存者家族対策委家族約80人は、 5月28日午前、徹夜で待機していた国会議員会館大会議室で記者会見を行った。 彼らは、△直ちに国政調査特別委を稼動させ、徹底した真相究明、 △与野が主張するすべての調査対象、証人、資料公開、これを強制する方法を採択し、聖域なき透明な国政調査、 △国政調査要求書、計画書採択形式とは無関係に特別委を稼動させ、調査対象、証人、資料公開などの採択時には事前に協議し、本会議と国調特別委を同日開催、 △国調特別委の業務開始と同時に珍島に行って不明者家族の声を最優先で聴くことを立場として明らかにした。

「聖域なき調査には朴大統領と金淇春秘書室長が含まれる」

ユ・ギョングン報道担当者は 「国政調査特別委をいますぐ稼動させるものの、 実質的な強制力がなければならないという点と、 忠実な国調のために国調要求書や計画書に証人が反映されず、 事前合意で時間を浪費することがあってはならないということ」と要求を説明した。

家族対策委のキム・ビョングォン委員長も 「聖域なき調査には、当然朴槿恵大統領と金淇春秘書室長も含まれるが、 具体的な人物を名指すのではなく、原則に忠実にしろということ」とし 「言葉では(聖域がないという原則に)忠実にすると言いながら、 裏では『ある人はこれでだめで、ああだからだめだ』と言うのは原則に反する」と強調した。

問題は、セヌリ党が聖域なき調査の要求を受け入れるといいながら、 期限がある国政調査特別委を先に開こうという言葉は信じられないというところにある。 証人採択について時間を浪費するだけになる可能性が高いということだ。 以前の国政調査が与党の証人採択妨害で時間を浪費した前例が多いためだ。

朴映宣「与党、過去の国調で委員が挨拶をしたがけで開店休業の前例」

前日に開かれた与野指導部との懇談会で、金在原(キム・ジェウォン)セヌリ党院内首席副代表は 「証人でも、調査対象機関でも、今すぐにでも特別委を開き、そこで決めれば良い」とし 「しかしこれらすべてを決めて確定し、特別委を開くというのは本末顛倒だ。 早く特別委を開けるようにしてくれ」とした。

しかし朴映宣新政治連合院内代表は 「私たちが心配しているのは18代民間人査察特別委が、 まさに国調特別委は開いたのに委員長を選出しただけで各委員が挨拶をしてから一度も開かれなかった」とし 「国調要求計画書であらかじめこのようにして、 合意の後に特別委を開くのが順序」と説明した。

続いて「当時セヌリ党がそんなことをしたことで、遺族の方々を傷つけてはいけない。 もうだまされない」とし 「過去の国調で、政府与党が資料を提出せず、国調を開いても効果がなかった。 資料を提出しない官僚や政府について議論して、釘をさして行かなければならないというのが新政治連合の立場」と説明した。

キム・ビョングォン委員長は与野の立場について 「国会まできたが、何も変わらない」とし 「与党と野党の院内代表は、セウォル号の船長や一等航海士のような行動をしている。 与党の院内代表は夜中に待っている家族を後に、地方に用事があるといなくなり、 野党の院内代表はそんな院内代表を自分が了解したと話す」と批判した。

キム・ビョングォン委員長は 「いったいなぜ与野が国調特別委に合意できなかったのか疑問」とし 「与党は既存の手続きと慣行があるので無視できない。 だから特別委を先に開き、その場で証人採択の議論をすれば良いという立場」と伝えた。

続いて「野党は国調特別委の前に証人をいちいち指名して採択した後に特別委を開き、 国調業務を始めるという立場だった」とし 「われわれ家族は法も知らず、手続きも慣行もよく知らないが、 子供たちはあらゆる腐敗と不正で汚された慣行により死んでいった。 慣行を理由として事をややこしくするような返事を聞いた時、とても腹が立った」と事実上、 与党の責任を強く指摘した。

キム委員長は「われわれは法も国会の慣行もよく知らないが、 特別委を先に開こうが後で開こうが、聖域なき真相調査のた確実な約束が前提ならいい」とし 「両党が聖域なき真相調査の条件を完璧に随行できる合意を引き出して、 実質的な国政調査を始めない限り、ここから離れない。 それが子供たちが私たちに残した責務」と明らかにした。

家族たち、街頭に出て千万署名運動総力

これによりセウォル号の家族らはきちんとした国調が始めるまで国会に残り、 家族は通りに出て1千万署名運動と全面的に合流することにした。 家族はこの日、4大宗団と労働団体などを訪問し、署名運動を訴える計画だ。

キム・ビョングォン委員長は「もうこれ以上、家族だけで集まって受動的にするのではなく、 外に出て行くことにした」とし 「今週土曜に全国16の広域市道、合計26か所の署名会場にわれわれ親が全員参加する。 その後も参加し続けて、必ず千万署名を達成して国民の熱望がいかに大きく偉大かを見せたい」と説明した。

この日の記者会見では、犠牲者家族のチョン・ヘスクお母さんは、子供たちがやりとりした携帯メールの内容が入った要請文を朗読して泣いた。 大会議室のあちこちに座っていた約80人の家族も痛哭して涙を流し続けた。 チョン・ヘスクお母さんは 「私たちはこうして泣きながら叫びます。 不明者を一日もはやく家族の元に返してくれと、 それでこそ、一人の命にも最後まで責任を取る国になるから... 聖域がない徹底した真相調査をしなければと。 それでこそ、二度とセウォル号沈没のような惨事を繰り返さない安全な国になるのだから」と訴えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-05-29 06:30:59 / Last modified on 2014-05-29 06:31:00 Copyright: Default

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