「ニューライト教学社歴史教科書退出」汎国民運動開始

465団体「親日独裁美化教科書無効化」国民ネットワーク結成

「ニューライト歴史教科書退出」のため汎国民運動が始まる。教育・歴史・社会分野の465の団体は「親日・独裁美化ニューライト韓国史教科書無効化国民ネットワーク(以下 国民ネットワーク)」を結成し、「教学社韓国史教科書無効化汎国民運動」に突入すると宣言した。

国民ネットワークは9月12日、教育部があるソウル市世宗路政府総合庁舎の前で 記者会見を行って「韓国史教科書は客観的に確認された歴史的な事実と、学界 で確立された定説、憲法精神に符合する価値等を含まなければならない」とし 「親日・独裁を称賛し、民主主義を縮小・歪曲するニューライト教学社の歴史 教科書を退出させるために共同行動を進める」と明らかにした。

［出処:韓国挺身隊問題対策協議会］

国民ネットワークは発足声明書で「教学社の韓国史教科書は、正確性と公正性、 普遍性を失っている」とし「親日・独裁を称賛して民主主義を縮小・歪曲する ニューライト歴史教科書は、教科書市場から退出しなければならない」と強調 した。

全教組と真の教育学父母会、全国民主化運動遺族協議会、民族問題研究所、 韓国挺身隊問題対策協議会など27団体が共同代表になった。国民ネットワークは この日から参加団体の代表がリレーで政府総合庁舎裏門などで、1人デモと オンラインでの国民署名運動を始める予定だ。

一方、教学社の韓国史教科書の議論が強まり、11日に徐南洙(ソ・ナムス)教育部 長官は緊急記者会見を行い、「教学社の韓国史教科書を含む韓国史教科書8種とも 10月末までに修正補完する」と発表した。

これに対して全教組は11日「学界と教育界が、数日で教学社の韓国史教科書に 発見した誤りだけでも300件程度あるが、誤りだらけの教科書を合格させるため の不良検定に続き、また手抜き修正をするというのは明白な特典」とし「教学社 の韓国史教科書が検定承認を取り消されるまで、闘いぬく」と明らかにした。

韓国挺身隊問題対策協議会(挺身隊対策協)と民族問題研究所など、過去の歴史 被害者団体も9月12日に記者会見を行って、「8種類の教科書を修正・補完する という教育部の発表は、本末転倒の詭弁」とし「日帝植民支配と親日・独裁を 美化する教科書は修正補完ではなく廃棄だけが方法」と主張した。(記事提携 =ニュースセル)

発足宣言文

親日・独裁美化ニューライト韓国史教科書無効化国民運動を始めるにあたり

1. 学生に未来の価値を教える教科書は、正確性、公正性、普遍性の原則に立脚 して叙述されなければならない。近現代を見る観点が鋭く対立する韓国史の 教科書の場合は、客観的に確認された歴史的事実と学界で確立された定説、 そして憲法精神に符合する価値等を含まなければならない。しかし8月30日、 国史編纂会の検定審議を通過した教学社の韓国史教科書は、教科書として備 えるべき基本要件のどれ一つも充足していなかった。
2. 第一に、正確性が欠如している。教科書は正確性を確保するために、何より 歴史的事実を歪曲してはならず、正確な語彙や概念を使うべきで、写実的な 根拠がない解釈は避けなければならず、画報、図表、グラフ、地図などは、 最新の研究成果と正確な情報に基づかなければならない。しかし、教学社の 韓国史教科書は、叙述内容が誤りだらけであることがわかった。3日という 短い期間に歴史学者が検証した結果、何と約300件もの各種の誤りが確認さ れ、このうち近現代史の部分が201件で全体の3分の2を占めるという。特に 近現代史4.5単元は、ポータルサイトの写真を集めて引用したている部分が 各々67.5%、82.1%にもなるという。これは教学社の教科書が基礎的な事実も きちんと把握できない手抜き・不良教科書であることを語る。
3. 二番目、公正性が欠如している。教科書は、公正性を確保するために、争点 は客観的に扱うべきで、偏見・誤解・対立を惹起しかねない概念や表現は避 けなければならない。しかし、教学社の教科書は公正性を確保する努力どこ ろか、すでに真相調査で明らかになった実体的な真実まで無視して古い主張 を繰り返している。その一例として、済州4.3事件を上げられる。教学社の 教科書は、済州4.3事件がまるで共産暴動による良民虐殺事件であるかのよ うに叙述している。しかし済州4.3事件の実体的な真実は「済州4・3特別法」 が制定・公布され、政府次元の真相調査が始まると明明白白にあらわれた。 「4・3真相報告書」は、1948年に済州道で国家公権力が法を犯して民間人を 殺傷するなど、重大な人権蹂躙と誤りがあったと指摘した。また集団殺傷に 関する責任は、当時軍統帥権者だった李承晩大統領と韓国軍の作戦統制権を 握っていた米軍にあるとされ、済州4・3事件を韓国現代史で朝鮮戦争の次に 人命被害が深刻だった悲劇的な事件だと規定した。これに2003年10月31日、 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が済州道を訪問し、済州道民と遺族に政府次元 の公式な謝罪を表明した。このように、もう10年前に政府が真相調査の結果 に基づいて、国家暴力に公式謝罪をしたにもかかわらず、教学社の教科書は 相変らず「済州4・3事件は南労働党の指図を受けた武装暴動」という官営側 の立場を繰り返している。その上、教学社の教科書は誤った内容を確認もし ないまま書き写し、盗作の疑惑まで買っている。代表的な親日者を抗日者と 美化したという批判が提起された「金性洙の光復直前の動向」(292ページ) の部分は、韓国語ウィキ百科の金性洙の叙述と10段落程度が同じであること が明らかになった。教育人的資源部が作った論文盗作ガイドラインモデルに よれば、他人の表現やアイディアを出処を示さずに使ったり、創作性が認め られないつぎはぎ、研究結果の捏造、著作権侵害の可能性が高い著作物では 「重い盗作」に分類される。これは教学社の教科書が公正性を備えず、その 上、創作性も認め難いつぎはぎの教科書であることを語る。
4. 第三に、普遍性が欠如している。教科書は普遍性確保のために、人類普遍の 道徳的価値と人類に対する共同の責任を強調する。自由と平等、正義と真理、 平和と人権など、人類が追求する普遍的な価値を指向するにあたり、教科書 は人間の自主性と尊厳性が拡大強化される方向で叙述する。しかし教学社の 教科書の記述内容は、人類の普遍的価値どころか、大韓民国の憲法精神さえ 蹂躙・否定している。教学社の教科書は、大韓民国の正統性を日帝の植民地 近代化、韓国単独政府樹立、5・16軍事クーデターと維新体制に求めようと することにより、憲法が提示する歴史的な規範基準の独立運動精神、反独裁 民主化運動精神、平和統一精神まで否定している。教学社の教科書は4.19 革命、5.18民主化運動、6月民主抗争へと続く民主主義の発展の過程とその 歴史的な意味を無視したり縮小した。これは、教学社の教科書が人類が追求 する普遍的な価値を否定していることを示すものだ。
5. 丹斎 申采浩先生は「歴史は歴史のために作られるもので、歴史以外に何か 別の目的のために作られるものではない」といった。客観的に発生した事実 をそのまま書いたものが歴史であって、著作者の目的によりその事実を左右 したり、貼付あるいは変改すればすでに歴史ではないということだ。これに 照らしてみると、李承晩、朴正煕を美化するために、歴史的な事実を変造・ 歪曲した教学社の韓国史教科書は、すでに歴史教科書としての資格を失って いるといえよう。親日・独裁を称賛して、民主主義を縮小・歪曲するニュー ライトの歴史教科書は、教科書市場から退出しなければならない。これに、 われわれは「親日・独裁美化ニューライト韓国史教科書無効化国民ネットワーク」 を結成し、正確性、公正性、普遍性が欠如したニューライト韓国史教科書の 無効化汎国民運動に突入する。

2013年9月12日
親日・独裁美化ニューライト韓国史教科書無効化国民ネットワーク

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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