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韓国:H-20000をデザインした版画家イ・ユニョプ | ||||||
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「労働者も自動車部品のように一緒になることで始動がかかります」[インタビュー] H-20000をデザインした版画家イ・ユニョプ
シン・ユア(文化連帯) 2013.06.07 09:59
[編集者注] 20000個の自動車部品で車一台を組み立てるH-20000プロジェクトが完成した。6月5日の車の公開に続き、7日のモーターショーでH-20000の主人が決定する。この車のデザインをした版画家のイ・ユニョプ作家が車のデザイン過程を公開した。インタビューは車のデザインとH-20000プロジェクト企画に参加した文化連帯シン・ユア活動家によって進められた。 ![]() ▲完成された姿 シン・ユア:初めて自動車のデザインについて悩み、どんなデザインが良いのか とても悩みました。双竜車解雇者の気持ちとこの車を受け取る誰かの心を繋ぎ、 世の中に希望を投げられる車を作りたかったんです。解雇労働者が正当に働こ うとする気持ちを世の中の人々に知ってほしいと考えたのですが、企画団で悩 んで労働の現場、疎外され抑圧される人々といつも連帯するイ・ユニョプ作家 に提案しようという話が出てきました。それで希望を主題としてイメージ作業 をお願いすることにしました。初めてH-20000プロジェクト車両デザインの提案 を受けた時、どんな気持ちでしたか? イ・ユニョプ:少し当惑しました。私は自動車のデザイナーでもなく、しかも車 をデザインするというのですから、多様な連帯の現場で絵やインスタレーショ ンをしたり、版画を刷ったり、本当にいろんな事をしてみましたが... 本当に とんでもないことになったと思いました。 ユアさんがよくご存知でしょうが、現場美術とは、金をかけて豊富な材料です ることでもなく、時間があってゆっくり整理して仕上げが完璧な作業をするわ けでもなく、その時その時の状況に合わせて最善を尽くすことが重要ですが、 そうなると成果は雑なものになるはずなのですが、それもあまり嫌なものでは ありませんでした。 ところが自動車というものは、しかもその自動車が2万人の人々の小さな気持ち で材料が準備され、解雇労働者の手でひとつずつ組み立てられた車なので、 これまでの闘争現場でしてきた闘争が終われば終わるような作業とは違って、 闘争とは無関係に闘う労働者の気持ちが走り続けるのですから、少しきれいに 完璧に処理しなければと考えました。 ところが状況は、これまでの現場のように金もなくて時間もないということは 全く同じだという点で、負担が大きかったんです。何よりも、私はシンプルな デザインをする能力がないんです。 シン・ユア: 私もイ・ユニョプ作家と本当にたくさん仕事をしました。例えば ムン・ジョンヒョン神父が乗っていた平和パラムの車に絵も描いたり、大秋里 歴史館の壁に大きなみみずくも描いたり、大型懸垂幕の絵、鉄塔の下のアスファ ルトの上に絵も描いてみました。いつも補助者として参加するのが楽しかった んですが、個人的に今回の作業は手伝える部分が殆どありませんでした。 公開された車を見ると、タンポポの種が飛ぶ絵で、とても印象的でした。 デザインしたイメージの意味は何だったのですか? イ・ユニョプ: いや、ユアさんにはずいぶん助けてもらいました。コランド車 も貸してくれましたし、何よりも拳を振り上げるイメージは何か硬い感じなの で良くないとか、色がもっと軟らかいほうが良いとか、そんなことを横で話を したことがとても役に立ちました。冬を越えたタンポポに花が咲いて花が種に なって、周囲の土地に広がり、野に広がり、風に乗って山を越えて広がるよう に、寒く長い冬を越えて疲れを知らずに闘う双竜自動車解雇労働者の気持ちが 花が咲き心の種になってあちこちに広がることを望むのです。 ![]() ▲デザイン初期にアイディア出しの作業をするイ・ユニョプ ![]() ▲サンプルとして印刷したシート。この後、色合わをして出力する工程を何度も繰り返した。 シン・ユア: 双竜自動車解雇者の人たちの気持ちを慰める意味が大きいですね。 整理解雇の問題はもう社会的な問題になってしまいましたが、この車を見なが ら、これ以上解雇をなくしたいという双竜自動車解雇者の人々の気持ちが世の 中のあちこちに伝えられたらと思うんです。そして苦しい闘争をしている全国 のすべての人たちに希望を差し上げられる車になればいいですね。希望守備隊 企画団が各界の多様な分野の人々から選定委員会を作り、この車を受け取りた いという人たちの話を集めて一人を選ぶのです。イ・ユニョプ作家の気持ちを 伝えられればと思います。 製作は大変だったようですね。初めてのデザインの悩みから、製作の過程で 一番楽しかったこと、難しかったことは何でしたか? イ・ユニョプ: 車に絵を描くことが楽しかったです。実際のコランドの形を知 らなかったので、コランドを持っていた写真家のチョン・テギョン氏と、文化 活動家のシン・ユアの車に思いきり筆で下絵を描いてみて、タンポポの位置や 大きさ、色を想像して具体化させました。染料が消えなければどうしようかと 焦るシン・ユアとチョン・テギョンの表情が面白かったですね。大変だったの は、ラッピングの過程でコンピュータ描いた絵の色と、出力の色がモニターの 色と合わずに何度も修正を重ねなければならなかったこと、それが初めて見る 機械だったので下絵を描く時のように自由にできなくて、思ったようにできず にサンプルで出力するたびに出力技術者の顔色をずいぶん見ていたこと。私は 気が弱いので、結局は途中で適当なところで終わったことが最後まで気になって 不安です。 ![]() ▲コンピュータ作業で色調整する姿 ![]() ▲写真家チョン・テギョンの車に下絵を描くイ・ユニョプ作家 シン・ユア: 実はイ・ユニョプ作家が「ユアさ〜〜ん、車持ってきた?」と言っ て下絵を描きたいといった時、少し心配しました。消えなければどうしよう? という気持ちでした。チョン・テギョン作家の車に下絵を描いた時は楽しかっ たのに、実際に自分の車に描くことになると不安でしたね(笑)。人間の心とは、 本当に悪いと思いました。他人のことならどうなってもいいけれど、自分こと だったらだめだというのですから。 筆を執って線を描き始めて、全てを諦めました。それでもイ・ユニョプ作家が 筆を車のあちこちに走らせると、素敵な模様があらわれ始めました。デザイン を外部に公開できず、自慢したい気持ちを押し殺していました。問題は、家に 帰る時に多くの人が見るのが心配でした。幸運にも夜遅い時間にソウルにきて、 翌日すぐ洗車場に行きました(笑)。 いよいよ世の中に一つしかない車が公開されました。デザインした後、なかな か眠れず毎晩夢を見たそうですが、どんな気持ちですか。 イ・ユニョプ: まず恥ずかしいです。残念なことも多いです。闘う労働者たち の手で作られた車が、彼らが使うのではなく、今度は誰か知らない人が使うの で、使う人が負担なく使えるように軟らかいイメージでなければならないとい う負担感がとてもありましたし。そうなると伝えたい双竜労働者の復職に対す る切実な気持ちが表わせないのが残念です。もちろんタンポポの種がそういう 気持ちなのですが、それよりもっと直接的なイメージならもう少しすっきりした はずなのですが。 ![]() ▲文化活動家シン・ユアの車に下絵を描くイ・ユニョプ作家 ![]() ▲車に絵を描き終えて車をモデルにして写真を撮りながら喜ぶ双竜自動車組合員 シン・ユア: この車を受取る人が誰なのか、選定の結果を聞いてくる人が多い のですが。希望守備隊企画団の私も知らないので、とても気になります。6月 7日(金)午後7時に市庁広場H-20000モーターショーで公開するそうです。車の 寄贈を受けた人に伝えたい話は。 イ・ユニョプ: 双竜自動車解雇労働者の切実な気持ちで作った車ですから、 大切にしてちゃんとエンジンオイルを取り替えて、できればいつも洗車して 大事に乗ってほしいです。そして、その人の仕事がこの車と出会って、もっと うまくいくように。無事故運転してください。あまり車に負担感を持たずに 思う存分、自由に出かけてください。 シン・ユア: 今回のプロジェクトに参加した所感を話してください。 イ・ユニョプ: われわれは一つのことだけを上手にすれば良いと学びました。 何でも上手にする万物博士よりも一か所で特にうまくやれなければ暮らせない と言います。ところがそれが変質して、自分の事だけをして、自分のことだけ 考えればうまくいくかのように世の中が考えているようです。 H-20000プロジェクトに参加する前は、双竜自動車の労働者たちはみんな自動車 には詳しいと思っていいました。ところで電気ラインは電気のことだけ知って いて、ドアのラインはドアのことだけ知っていて、それ以外は何も知らないと いうのでとても驚きました。それはギターを作るコルトコルテックの労働者と 会った時にも感じたことですが、数十年ギター工場でギターを作っても、完成 したギター一つは作れないというのです。世の中が走る車と同じで、歌うギター と同じなら、労働者は互いをよく知らなければなりません。そうでなければ、 ただの部品です。連帯しなくては、一緒にならなければ。小さな実験でしたが h-20000プロジェクトではその労働者たちが互いに額を突き合わせて相談をして、 世の中にたった一つだけの自動車を作ってエンジンをかけました。 本当の労働者が企画して、労働者が作って、労働者が使う、本当の労働者の 自動車工場があったら良いです。 ![]() ▲ラッピング作業の仕上げをしているイ・ユニョプ作家 ![]() ▲デザインを終えてラッピング作業の間、ずっと車から離れられないイ・ユニョプ作家 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2013-06-09 00:06:32 / Last modified on 2013-06-09 00:06:32 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |