本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:蔚山もフッ酸『火薬庫』10日に一回事故
Home 検索
 


蔚山もフッ酸『火薬庫』10日に一回事故

いつも同じ対策を繰り返し、新しい火災・爆発被害が増加

イ・ジョンホ記者 2012.10.10 18:04

政府は10月8日、慶尚北道亀尾のフッ酸ガス漏出事故発生から12日過ぎて やっと特別災難地域に宣布することに決めた。

知識経済部、農林水産食品部、雇用労働部、消防防災庁など各部署が支援基準 を用意する一方、早いうちに地方自治体と共同で2次調査を実施する。政府は類 似の事故を防ぐために今月中に環境部、雇用労働部部、知識経済部、防災庁な どが合同で危険物質取扱業者に対する特別点検を実施して、危険物質管理体系 全般の制度改善案も用意する。

しかし政府の対応の遅さで今回も『調査後に制度改善案を用意』で、いつも 同じように繰り返す。

中央政府の動きに歩調を合わせ、蔚山市も18日までフッ素、アンモニア、 塩素などを扱う10の企業に特別指導点検をする。

大規模な国家産業団地があちこちにある蔚山は、火薬庫のようなものだ。蔚山市 の集計によれば、今回事故がおきたフッ酸取扱事業場は、フソン、ソルベイ ケミカル、コリョ亜鉛など6か所で、年間の総使用量は1万5110トンだ。亀尾の 事故で漏出したフッ酸8トンの2000倍近い量だ。実際、亀尾の事故から6日後の 3日、フソンのNF3(3フッ化窒素)半導体洗浄ガスの充填所で爆発事故がおき、 作業者1人が火傷をした。

最近5年間で蔚山国家産業団地で起きた火災、爆発事故は計188件で、死亡4人など 42人の人命被害と約38億9400万ウォンの被害を出した。

昨年8月17日、蔚山石油化学工団内の現代EP蔚山工場では油の蒸気が爆発して、 労働者3人が死に、5人が大怪我をした。油蒸気の漏出を探知できる安全装備も なかったことがわかり、工場長など3人が拘束された。

蔚山市蔚州郡温山邑のセジン重工業でも昨年12月30日に爆発事故がおき、4人が 亡くなった。

今年に入って5月6日には、テグァン産業蔚山工場で炭素繊維の製造工程の火災 で作業者10人が全身に1〜3度の大火傷をした。しかしテグァン産業は専務など 役員が警察官と消防署員の現場調査を組織的に妨害し、証拠写真を含むカメラ の内容をすべて消すという特殊公務執行妨害を行った。

蔚山では平均10日に一度、産業団地で事故がおきている。蔚山尾浦国家工団と 温山工団など2つの国家工団の有毒物取扱業者は471か所だ。これらの企業が 昨年、流通させた有毒物は、全国1億243万2965tの33.6%に該当する3445万2479t だ。これらの企業では、酢酸、硫酸、塩酸、塩素、アンモニアなど138種類の 有毒物を取り扱っている。

油類をはじめとする液体危険物は6185の施設に2116万5469klが保存されている。 全国の保存量の35%にのぼる。これらの国家工団は、蔚山の中心部から1〜5kmの 距離にあって、もし大型事故がおきれば大きな被害が憂慮される。

問題は、蔚山地域の化学業者のほとんどが60、70年代に建設され、老朽化によ る事故の危険に常に露出しているということだ。昨年の事故の後に、韓国安全 保健公団が蔚山石油化学団地内の131業者に対して行った安全度調査の結果、 20%ほどが爆発、火災の危険が高かった。問題は、この脆弱事業場が住宅街の近 くにあるという点だ。(記事提携=蔚山ジャーナル)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-10-11 20:12:40 / Last modified on 2012-10-11 20:12:42 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について