韓国:警察装備規定改正、テイザー・ガン、音響大砲、ゴム弾で武装する警察 | |
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20世紀の『こん棒』は忘れろ、21世紀の『新兵器』がやってくる『警察装備規定』改正、テイザー・ガン、音響大砲、ゴム弾で武装する警察
ユン・ジヨン記者 2010.10.08 18:45
20世紀、『民衆のツエ』と自任した警察は、ツエでないこん棒でデモ隊を鎮圧 した。また、群がったデモ隊を催涙弾で解散させた。4.19民主抗争と5.18光州 民主化運動、このほかに多くのデモで、警察は無差別にこん棒の洗礼を加えた。 こん棒と催涙弾だけでも多くの市民が死んだり怪我をした。1987年、当時延世 大学生だった李韓烈氏は、頭に催涙弾があたり、死亡した。 だが、もはや『こん棒』と『催涙弾』は警察の主な武器ではない。もちろんこ れらが消えたわけではないが、『補助武器』程度になったということだ。特に、 21世紀の催涙弾は、20世紀の催涙弾とは質的に違う。20世紀の催涙弾は涙と鼻 を刺激したが、21世紀の催涙弾は皮膚も刺激して火傷させ、ガンも誘発する。 今や警察の『新兵器』時代が到来したのだ。 ![]() [出処:チャムセサン資料写真] 高性能武器、『洗練された残忍さ』で攻撃 10月7日午前、国家人権委員会の勉強会として開かれた『警察の装備を国民統制 するための緊急討論会』で、人道主義実践医師協会のペク・ナムスン企画局長 は、警察の鎮圧装備の人体への危険性を報告した。2008年のキャンドル集会か ら2009年の双竜車ストライキ、そして2010年のG20会議まで、警察が導入した (する)武器は強大だった。 2008年のキャンドル集会では、警察の鎮圧で2000人の負傷者が発生した。当時、 警察は放水車と盾、ハロン消火器などでデモ隊を鎮圧した。特にペク企画局長 が発表した資料によれば、警察は石、消火器、鉄片、さらに戦闘警察フォーク を投げたが、当時、断然耳目を集中させたのは『ハロン消火器』という危害が ある装備だった。 ハロン消火器は、第1燐酸アンモニウムを使う一般の消火器とは違い、ハロンガ スで作られた噴霧消火器だ。ペク企画局長によれば、ハロン消火器は目、鼻、 口、皮膚などにかゆみや痛みを誘発し、喘息、慢性気管支炎、虚血性心臓疾患 を悪化させる。ハロンガスを集中的に発射すると、窒息死の恐れもある。 2009年の双竜車ストライキでは、もっと強力な武器が使われた。20世紀に街頭 のあちこちをけむたい煙で覆われた催涙液が、21世紀には強い発ガン物質になっ て帰ったのだ。双竜車ストライキの時、警察がヘリコプターから撒きまくった 催涙液は、労働者に2度の火傷を負わせた。 ![]() ▲双竜車闘争当時警察はヘリコプターを動員して、発癌催涙液を散布した。[出処:メディア忠清資料写真] この催涙液に露出する場合、接触性皮膚炎と結膜炎、そして2-3度に該当する火 傷になる。何週間も火傷と呼吸器疾患が続き、肺水腫で死亡することもある。 長期的な効果では、遺伝子を損傷し、突然変異を誘発し、ガンを誘発したりも する。20世紀、涙と鼻水を流した性能はそのままきっちり持ったまま、発ガン 物質と皮膚疾患を誘発させる武器に進化したわけだ。 発ガン物質の催涙液よりさらに人々に大きな衝撃を与えたのは、まさに『テイ ザー・ガン』だ。テイザー銃は瞬間的に身体をマヒさせ、犯人を検挙する武器 だ。その性能はとても効果的で、米国内だけでも334人の死者が発生したと伝え られている。双竜車座り込み闘争の時、警察のテイザー銃で2人の労働者が怪我 をした。 テイザー銃による死亡原因は、発射回数と薬品服用、興奮状態、基底疾患など がある。その最大の原因は『発射回数』だ。ペク企画局長は「一般にはみんな 1回しかテイザー・ガンを撃たないと思っているが、実際にはテイザー・ガンは 抵抗不能な状態になるまで撃ち続ける」とし「そのため発射回数による死亡率 がとても高い」と話した。 またテイザー・ガンは、心臓まひ、呼吸マヒなどを起こし、突然死の危険が高 い。特に譫妄という意識不明状態の突然死は30%になるが、まだその理由は明ら かになっていない。 ![]() ▲テイザー銃ダーツ。[出処:チャムセサン資料写真] 2010年に警察が持ち出してきた新兵器は『大砲』だった。9月28日、警察庁が別 名『音響大砲』と呼ばれる指向性の音響装備を鎮圧装備として追加する予定だ と発表したのだ。市民団体と国民は、危険性が検証されていないとして即刻反 発したが、警察の導入方針は強硬だった。7日に開かれた国政監査でチョ・ヒョ ノ警察庁長官は「音響大砲は疎通のため」と話した。 だが、疎通のツールとして使われる音響大砲は、耳に難治性の損傷を与える。 耳の蝸牛管の細胞に永久損傷を誘発するので治療も難しい。突発的な難聴と耳 鳴、痛み、鼓膜破裂なども発生しかねない。ペク企画局長は「耳鼻咽喉科の専 門医が異口同音に難治性と言っており、治療ができない」とし「また、目に見 える外傷ばかりでなく、急性ストレス症候群を誘発するかもしれない」と指摘 した。 警察庁は音響大砲の導入の他にも、ゴム弾などの多目的発射機使用要件も緩和 する方針だと発表した。これは、デモ鎮圧の時に使われる代表的な殺傷武器で、 20mの距離から3mmの厚さの合板を破壊する威力を持っている。 ゴム弾の議論の核心は、『貫通するかどうか』の問題だ。だが、イスラエルで、 パレスチナのデモ隊にゴム弾攻撃を加えた時、貫通傷の割合は38%に達した。ペ ク企画局長は、「たとえ貫通しなくても、心臓と肺に出血するなど内部臓器の 損傷がある」と憂慮した。 武装する警察...国民は警察の『敵』なのか パク・チュミン弁護士は、「軍隊は『敵』を相手にするので武器の効率性が問 題だが、警察は『敵』ではなく『国民』を相手にするので効率性だけを問題に してはいけない」と指摘した。警察の装備は、国民の命と体、そして基本権を 保護する限度内でのみ採択されなければならないということだ。 だが現在の警察装備の分類規定は恣意的で、危険な要素が多い。まず、手錠、 捕縄などの警察装具品目に『テイザー・ガン』が含まれている。ガス車、放水 車とともに石弓、ゴム弾などは『その他の装備』というあい昧な品目に分類さ れている。音響大砲も、その他の装備に含まれる予定だ。 これについて朴弁護士は「危害性の警察装備の分類基準について、警職法には 何の規定もないので、事実上、警察の恣意的な判断で、危険性とは無関係に分 類されている」と指摘した。さらに大きな問題は、その他の装備についての警 職法の規定がないことだ。そのため大統領令の警察装備規定さえ変えれば、そ の他の装備に分類し、新しい装備を好きなように導入できる。 多目的発射機の使用範囲を拡大する警察装備規定の改正も議論になっている。 改正警察装備規定には、△人質犯の逮捕または暴動鎮圧作戦の場合、△公共施 設、場所または不法に占拠された建物、施設で、武器、凶器、爆発物など危険 物を使い、警察官の正当な公務執行に抵抗する人々の鎮圧に必要な場合には、 多目的発射機の使用を認めている。 これまでの規定と違うのは、『暴動鎮圧作戦』と『不法に占拠された建物、施 設』、そして『警察官の正当な公務執行に抵抗する人々の鎮圧』が追加された 点だ。だが、『危険物』や『正当な公務執行に抵抗』の範囲が広く、具体的な 基準を提示していないので乱用を憂慮する声が大きい。 朴弁護士は「ラジオのインタビューで、ある警察の関係者がケーキナイフも危 険な武器になると話したので、恣意的な解釈が可能だ」とし「また警察の成果 主義により、多目的発射機が乱用される可能性が高い」と見通した。 現在、韓国での不法暴力デモは、集会全体の0.5%から0.7%程度に過ぎない。年 度別の不法暴力デモ割合も、2001年度から着実に減少してきた。だが、警察の 新兵器の導入と鎮圧装備は、着実に進化している。直接、棒を振り回さなくて も、音響大砲や発ガン物質の催涙液、ハロン消火器などは不特定多数に致命的 な威力を与える。テイザー・ガンやゴム銃も洗練美と技術美の裏に『殺傷武器』 という裏面を隠している。 人権運動サランバンのチェ・ウナ常任活動家は、「警察の大々的な警察装備の 拡大は、集会デモに対して『萎縮』効果を越える『抑制』の装置」と主張した。 デモ隊への警察の抑制政策がさらに強くなるだけに、公権力の乱用についての 国民の抑制政策は弱まるしかない。チェ・ウナ活動家は「警察は国民の叫びを 威嚇し抑圧するのではなく、新しい疎通の場を作る賢明な方法を取れ」と強調 した。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2010-10-10 01:55:53 / Last modified on 2010-10-10 01:55:55 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |