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韓国シチズン労組日本遠征闘争団がPARCで講演
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韓国シチズン労組日本遠征闘争団がPARCで講演

2003年9月19日、韓国シチズン労組日本遠征闘争団が東京のPARC自由学校で、 特別講座「ネオリベラリズムと闘うアジアの労働者たち - 韓国シチズン労組の人々に聞 く」で講演した。

特別講座は、民主労総・公共労組連盟の金栄俊氏による韓国の労働運動の概説から始まった。
金栄俊氏は、戦闘的と言われる韓国の労働運動が、なぜ「戦闘的」にならざるを得なかったか、韓国の労働運動の位置づけなどをビデオ、OHPなどを使って解説した。「人間らしく生きたい」をキーワードとして87年の6月抗争に始まった労働者の大抗争、96年の労働法改悪、97年のIMF、そして98年以降の産別組合の結成と続く労働運動の歴史を概観し、現在の雇用柔軟化や非正規労働者、労働者の政治勢力化といった課題などを紹介、日本との違いや民主労総の特徴などを解説した。

続いて、「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーンの土松克典氏は、 盧武鉉新政権の日韓自由貿易構想と労働政策と題して、前金大中政権時代の新自由主義的な政策を引き継いだ盧武鉉政権の政策を紹介、 WTOやFTAの問題点を指摘した。 労働運動出身で比較的労働者よりとされる盧武鉉政権が、現代的な新自由主義経済下で苦しめられる労働者にとって、決して歓迎できるものではなく、国境を超えた労働者、市民の闘争が求められていることを明らかにした。

最後の発表者である韓国シチズン労組副委員長の金基善氏は、 これまでの韓国の労働者、特に低賃金を目的として馬山自由貿易地域に進出してきた日本企業の労働者の劣悪な労働条件、労組破壊工作などを紹介し、 現在の韓国シチズン労組の闘争が単に一企業の問題ではなく、全体の問題であることを明らかにした。 また、同時に韓国シチズンのような問題への解決は、法的、制度的な規制と労働者、工場の保護につながるものでなければならないと述べた。 しかし、そのような根本的な解決は、簡単にはえられるものではない。 李副委員長はまた、日本での遠征闘争について、 抽象的な「国際連帯」の掛け声だけではない現実的な闘争を行う場合の難しさを指摘した。

発表の後、集会の参加者からは、「実際の現場からの声を聞くことで、これまで漠然としていた新自由主義の問題がわかった」などの感想が続いた。

韓国シチズンの問題は、単に一企業の労使紛争ではなく、「グローバリゼーション」の現象である。 そして日本国内のリストラ、失業、フリーターの増加、産業の空洞化などもまた、韓国シチズン問題と軌を一にするグローバリゼーションのもうひとつの現象なのだろう。 韓国シチズン労組を支援していくことの意味、グローバリゼーションの問題に取り組んでいくことの意味は明らかではないだろうか。

予定を大幅に延長して続けられた今回の特別講座を終え、 参加者から寄せられたカンパ、1万1000円が韓国シチズン労組闘争団に伝達された。

文責:レイバーネット日本国際部/安田


Created byStaff. Created on 2003-09-20 10:45:24 / Last modified on 2005-09-05 05:52:11 Copyright: Default

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