韓国:まだ死なないメルソプウェクピ | |
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まだ死なないメルソプウェクピ[リアの引出し]
リア 2020.09.23 17:13
[出処:チャムセサン資料写真] 「メルソプウェクピ」というニックネームを使う人がいる。 いたずらっぽい語り口と、レモン色に近い黄色い服と白い靴が似合い、 笑うと見える八重歯が可愛い人だ。 彼女は自分を説明する名前の一つとして性労働者を選んだ。 確かにそれは娼女、売春婦、淪落女、性売買被害者よりも自己紹介する時に言いやすい名前に聞こえる。 女彼は同時に事業主による性暴力、妊娠のゆうな性労働者らが体験する問題を相談したり、 性労働に対する認識改善プロジェクト作業をするなど、 活発に性労働者の権利運動をしている活動家でもある。 去る5月15日、業務中に同意ない性的接触を受けた彼女はツイッターに次のように書いた。 「本当に死にたい。 会うたびに首を締める指名(お客さん)が今度は首は締めず 無理に肛門に挿入されて私は本当に死にたいです。」 「K***」というニックネームを使うあるツイッタリアンがこのツイッターをキャプチャーして 「性売買は人間を蝕む。性売買は労働ではない。性売買でお金は稼げない。 持続可能な人生と幸福を望むのなら、そこには絶対に足を踏み入れないでください」と書いて メルソプウェクピが経験した性暴力被害の規模は途方もなく拡大した。 メルソプウェクピは一歩遅れてK*のツイッターを発見し、 該当発言が性暴力二次加害であることを指摘して謝罪を要求したが、 これに反発した多くの「フェミニスト」が「#k***は二次加害をしていない」というハッシュタグを使い メルソプウェクピを困らせ始めたのだ。 n番房の被害を重点的に扱った反性暴力団体の活動家の一人も、 問題のハッシュタグを使って 「これが2次加害なら、反性売買陣営はみんな2次加害者ですね」という言葉を補った。 メルソプウェクピは自分の性暴力被害を認めてもらう文を書き続けなければならず、 事件はさらに広く知られて男超コミュニティ、ユーモア保存所、 20万購読者が見るYouTubeチャンネルなどでみだりに言及され、嘲弄された。 これらすべての過程でメルソプウェクピは自殺しろというメッセージを繰り返し受け取ることになる。 いじめに勝てずに死にそうだと言えば、どうせならはやく死んでくれ、 死ぬと言いながらなぜ死なないかというメンションが公然と書き込まれた。 ** メルソプウェクピは2月にも一回苦難に会った。 コロナによって性販売者が生計を脅かされる現実を 「疾病管理本部の徹底した疫学調査がもたらす思いがけない肯定的部分」と表現した文に 「コロナ事態で収入が半減し、元の収入なら受けられる治療も受けられなかった状態で、 ワンルームで病気の体で蟄居している」とし 「他の業種がこのように破綻しても肯定的な効果と言うのか」と怒ると サイバー・ブリーイング(ネットいじめ)を受け、 1200人以上の人が彼女のツイッターを共有して露骨な悪口をあびせた。 やはりユーモア保存所をはじめとするさまざまな男超コミュニティにも広がった。 性売買では金を稼げない、幸せではないという主張が勢力を強めた5月と違い、 その時メルソプウェクピに対する非難は、 性売買で簡単に大金を稼いで――幸せに聞こえる――税金も払わないということだった。 それでいったいメルソプウェクピは金を稼げるのか、稼げないのか? 紛らわしい中でずっと一貫した反応は、自殺しろという呪いだけだった。 ** 9月のメルソプウェクピはキス房に出勤する。 キス房はペイが少なくて面倒な客が多い業種だ。 どうしても性労働をしなければならないのなら、 他の業種の方がきつくない。 多分メルソプウェクピが私よりさらによく知っているだろうが、 それでもなぜメルソプウェクピはキス房にきたのだろうか? 本来、遊興店舗で働いていた彼女は2月頃からコロナによって客が減り、 日数も考えるほど難しい状況に置かれた。 そのうちに関係中心業種に行けという室長の勧誘を断れなくなり、 そこで働いている間、5月15日の性暴力被害を経験することになった。 そして自分の性暴力被害の事実がYouTubeに上がってくる頃、 その仕事まで失うようになる。 室長がインターネットに書き込まれた嘲弄掲示文を読んだのか、 それがメルソプウェクピの話だということを識別したので解雇を通知したのか、 われわれには正確に分からない。 8月に、彼女は私に 「目を明けるとみんな遠くに行ったように見える」といった。 この記憶が苦しいのは、自分は一人で、自分一人だけがここに止まっていて、 皆いなくなったようだという彼女の話は恐らく事実であろう。 誰にどんなことが起きても事実はそうなる。 機会があるたびに熱心に相手の立場になろうと努力しなければ、 私たちの距離は遠ざかり続けるほかはない。 ** 本来なら、性暴力被害者の暮らしを指差して 「あれちょっと見てください。 あの子はああして暮らして性暴行されたそうだよ。 あんな暮らしはしないでください」と話してはいけないという批判が受容される線で、 事件が終わらなければならなかった。 メルソプウェクピが経験した被害の原因は、 メルソプウェクピが耐えるべき選択 ――生存することにしたこと、例えば性労働をすることに決めたこと―― などではないからだ。 それは全的に相手の意志に反する行動を強圧的に実行した加害者の間違いだった。 被害者がどんなことをする人でも、どんな状況であっても、 性暴力の加害は容認されてはいけない。 しかし単にメルソプウェクピが性労働者だという理由一つだけで、 こうした常識がフェミニストらの間でも作動しなかった。 私は性労働者メルソプウェクピの歴史を性売買被害事例の図式に合わせて叙述し直せば、 彼に向けられた攻撃の規模を簡単に減らせると考える。 貧困と疾病と弱点だらけの福祉制度とまさに寝て食べることが大変な女たちの存在と 彼女らを利用して金を稼ぐ悪い産業の話をすれば喜ぶ人は多いだろう。 しかしここで彼が性売買被害者なのか労働者なのか、あるいは両方なのかは全く問題の核心ではないのに、 彼女とあなたが少しも親しくないのに、 あなたに認められるような方式で彼女の私生活を告白して審判された後、 彼女が他人が普通に持つ権利を、 最低限の尊重と配慮を獲得するという現実は、とても不当で侮辱的に感じられる。 メルソプウェクピというニックネームを使う人がいる。 それだけで充分でなければならない。 彼女は自分を説明する名前を選べる。 同意のない性的接触を拒否する権利がある。 労働して、生計を維持して、生存する権利がある。 理解しようとせず、いっそ自殺すればという人でも、 彼女はまだ死なずに生きている。 相変らず笑うと可愛い。 私は生きているメルソプウェクピのための努力を要請しようと思う。 彼女が送った時間の一部分を紹介することによって、私たちに機会を与えたい。 ※メルソプウェクピ様の許諾を受けて書いた内容です。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2020-09-29 18:46:09 / Last modified on 2020-09-29 18:46:12 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |