韓国:フェミニズム『思想調査』と戦う女性ウェブトーン作家 | |
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フェミニズム『思想調査』と戦う女性ウェブトーン作家[3・8女性デー特別企画インタビュー(2)]女性労組デジタルコンテンツ創作労働者支会前支会長
ウン・ヘジン記者 2021.03.04 08:05
2年前、フェミニズムイシューを支持したデジタル コンテンツ創作者たちは、 国内のゲーム業界に戻れなかった。 ゲーム企業は彼らともう契約を締結しなかったり、作品の露出を防いだ。 仕事が絶えたイラストレーター、ウェブトーン作家などの創作者たちは、 海外から仕事を受けて生計を維持している。 ゲーム業界でフェミニズム思想調査とプラットフォーム業者の不当行為を経験した女性創作者たちは労組を作ることにした。 ウェブトーン、ウェブ小説、イラスト作家のようなフリーランサーの労働者たちが業界に対抗して声を上げるのは容易なことではなかった。 組合員という事実だけで業者から不利益を受けかねなかった。 それでも労組を通じて女性差別的な業界の慣行と戦ってきた人々がいる。 14年缶、出版漫画、ウェブトーン、イラスト作家として活動中のキム・ヒギョン氏も、 そのうちの一人だ。 彼女は2月23日、2年間の支会長の任期を終えた。 デジタルコンテンツ創作者の「労働者性認定」のために戦う女性作家、 キム・ヒギョン全国女性労組デジタルコンテンツ創作労働者支会前支会長と会った。 [出処:ミニョンヨン] 業界に戻れない女性労働者、労組を作る2年前にゲーム業界の女性作家6人は、 フェミニズムイシューに同意を示したことを理由に業界から排除されたとし、 国家人権委員会(人権委)に陳情を提起した。 これに対して人権委は昨年7月 「ゲーム業界内の女性嫌悪および差別的慣行の改善が必要だ」という意見を明らかにした。 だが作家たちが提起した陳情は受け入れられなかった。 フリーランサーの5人の被害者は雇用領域に該当せず、 労働者性が認められた1人の被害者は陳情の時期が過ぎたという理由だった。 結局、「思想調査」によって業界から排除された被害労働者の復帰はなされなかった。 「人権委の意見表明では回復したことはありません。 該当企業の謝罪や被害者の復帰がなされなかったですから。 事実、人権委の意見表明前に被陳情人の業者がエージェンシーを通じて 陳情人の1人に外注依頼連絡をしました。 当事者は一度断って、苦心の末に外注を受けることにしました。 そして業者側と思想調査被害関連の合意書を書きました。 過去に公開不可措置を受けた作品を公開することにしたのです。 しかし一か月間、連絡がなく、他の作家にその外注を出したと言われました。 合意書だけで契約は白紙にしたのです。 事実、業者側も本当に私たちに危機感を感じたのでしょう。 支会は人権委の決定文で言及された改善要求が実行されるように着実に闘争しようとします。」 業界で不当な扱いを味わった女性たちは「労働組合」に視線を転じた。 「思想調査」の被害作家とウェブトーン専門プラットフォーム 「レジンコミックス」の不当行為を糾弾した作家の一部がかたまって、 2018年末に労組を設立した。 個別の対応を越えて女性フリーランサー作家群の組織的な活動を模索するためだった。 キム・ヒギョン前支会長は 「労組があれば創作者の労働条件も良くなるのではないか」と漠然と考えて労組に加入した。 労組結成に対する作家の反応は爆発的だった。 労組加入広報を始めるとすぐ、1日に100人の作家が加入した。 業者から不当な待遇を受けて労組に来ることも多かった。 「フリーランサーも男性の収入のほうが女性より多い」フェミニズムイシューで差別を経験した女性労働者たちは 「性別賃金格差」というもうひとつの差別に注目した。 キム・ヒギョン前支会長は性別収入格差が発生する原因を正確に把握しなければ 問題を解決することができないと強調した。 プラットフォーム企業と作家が個別の契約を結んでいるので、 正確な収入格差の理由が把握できないためだ。 労組が業者に所得格差の発生の原因を質問したが、 まともな回答を受け取ることができなかった。 現在、全般的な業界の性別収入格差は労組が集めた事例と実態調査で得られた平均所得などで確認できる。 [出処:ミニョンヨン] 「同じフリーランサーでも男性の収入のほうが女性より高いです。 私が体験した出版漫画業界でも原稿料差別がありました。 これが現在デジタルプラットフォーム労働まで続いたと見ることもできるでしょう。 いわゆる『男性は家長だから』という男性中心的な理由でした。 『少女漫画』を描く女性の原稿料のほうが『少年漫画』を描く男性作家より低かったのです。 昨年(株)グローバルリサーチが韓国コンテンツ振興院の依頼で行ったウェブトーン作家の実態調査によれば、 男性の平均総収入は約5579万ウォンだったが、女性は約4423万ウォンと、1156万ウォン程の差があった。 2017年にソウル市が行った「文化芸術不公正実態調査」では、 女性漫画・ウェブトーン作家が166万ウォンを受け取る時、 男性作家は222万ウォンを受け取っていることが明らかになった。 イラストレーターの場合も女性作家が127万ウォンを受け取る時、 男性作家は212万ウォンを受け取った。 どうにか奪われる創作物に対する代価いくら作品に魂を込めても収入は完全に保障されない。 キム・ヒギョン前支会長のウェブトーンの締め切り日は10日周期でやってきた。 1日中食べて寝る時間の外には作業だけに没頭した。 午前11時から午後2時の間に起きて昼食を食べ、 3〜4時頃から作業を始め、深夜12時から午前2時まで働いた。 食事時間を減らすため、晩はいつも出前で解決した。 作業期間には締め切りのストレスで4時間以上眠れなかった。 締め切りを終えると1日休んでまた作業に突入した。 だが創作物に対する収益の分配は公正に行われない。 適正な基準そのものがないからだ。 彼女によれば、基本給概念の原稿料は業界から消える傾向だ。 その代わりに「あらかじめ収益を繰り上げて作家に支払う」という MG(Minimum Guarantee、最低保障)制度がよく使われる。 MG制度はウェブトーンプラットフォームのレジンコミックスが作った制度で 「週刊連載作家に月最低金額」を保障することが本来の目的だ。 しかしこの金を返せない作家は「借金取り」になった。 その上、収益金からMGの額をいつ差し引かれるかによって収入が変わるが、 これを認知できない作家も多い。 キム・ヒギョン前支会長は使用者団体と交渉をして公正な分配基準を作れと指摘した。 [出処:ミニョンヨン] 「例えば業者と作家が5:5で契約をします。 その月に1千万ウォンの収益金が出て、MGの金額が500万ウォンだとします。 先にMGを引く方式を『先差し引き』といいます。 1千万ウォンの収益から支給された500万ウォンを引いて、 残りを半々に分ければ作家は250万ウォンを受け取ることになります。 しかしMGを『後差し引き』する場合、収益金1千万ウォンを先に5:5で分けて、 500万ウォンを惹かれるので、作家がその月に受け取る金額は0ウォンになってしまいます。 この『後差し引き』 MG制度がよく使われています。 差し引き方式については契約書に書かれてもいません。 さらに深刻なことは、マイナスになる場合に来月に繰り越されるのです。 当初の制度の目的を失っています。」 キム前支会長は原稿料と収益配分を併行することが代案だと説明した。 しかし副作用もある。 業者が原稿料を払うという名目で、収益配分率を上げる場合があるためだ。 まず現行のMG制度が累積しないようにすることが至急だというのが彼女の説明だ。 過度な手数料も問題だ。 ウェブトーン・ウェブ小説プラットフォームの手数料は通常30%程度だ。 だがプロモーション名目で45〜50%まで手数料を取って行くこともある。 デジタル コンテンツの特性上、作品がよく売れるにはプラットフォームの先頭に露出することが重要だ。 業者はプラットフォームを大きなバナー、小さいバナーで構成し、 利用者がここに配置されない作品を見つけることを難しくした。 作家は作品を知らせるために、やむを得ず手数料を取られてもプロモーションに参加している。 キム・ヒギョン前支会長はデジタル コンテンツ労働者の労働環境を改善するための 長期的課題でとして「労働者性認定」をあげた。 「人権委はフェミニズム思想調査が差別だと認めました。 NCソフトやネクスンに対して労働者個人が民事訴訟をすることはできないので幸運でした。 労組を設立した契機も思想調査問題だったため、関連の対応はしっかりする予定です。 しかし人権委はデジタル コンテンツ創作者の労働者性を認めません。 だから支会に加入したウェブ小説、ウェブトーン、イラスト分野の不公正を打破するのはもちろん、 長期的には労働者性認定の闘争が必要です。 ゴルフ場競技補助員が労組法上の労働者性を認められたように、 私たちもそのような過程を踏んで行くでしょう。」 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2021-03-13 14:38:28 / Last modified on 2021-03-13 14:38:28 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |