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低出産公聴会に女性団体が奇襲デモ

女性団体、「チン・スヒ長官様、金がなくても無条件に産め?」

ユン・ジヨン記者 2010.09.14 16:04

保健福祉部が主催する『第二回低出産高齢社会基本計画対国民公聴会』の席に 女性団体が奇襲デモを行った。現在の低出産計画は現実を反映できず、むしろ 女性非正規職を量産していると主張する。

「チン・スヒ長官様、無条件に産め?」

9月13日午前10時に開かれた公聴会では、保健福祉部のチン・スヒ長官が参加し、 低出産高齢化問題に対する憂慮を示した。チン・スヒ長官は「低出産は労働力 の減少につながり、経済規模を萎縮させる」とし「また低出産問題は国家次元 の問題だけでなく、企業と社会にとっても重大な問題」と説明した。

だがチン・スヒ長官の発言の途中、女性・社会団体が会場に入り、プラカード と横断幕を広げて、奇襲デモをする珍しい風景が演出された。民主労総女性委 員会、性暴力相談所、女性の電話、全国女性連帯、民主労働党、進歩新党、社 労委、社会進歩連帯などは、イベント関係者が彼らを阻止したが、チン・スヒ 長官の発言が終るまでプラカードを持って舞台で現実的な低出産解決を要求した。

特にチン・スヒ長官は、今回の基本計画案に対して、女性団体をはじめとする 労働界、経営界、宗教界などの社会各界各層の意見をまとめていくと述べたが、 団体の会員たちは「長官が私たちの言葉に耳を傾けてくれないから、私たちが ここまできた」と対話の不在を批判した。

公聴会場の前に展示されていた『一人は孤独です』、『子どもに一番良いプレ ゼントは兄弟です』、『一人より二人、二人より三人のほうが幸せです』など の政府主導のキャンペーンの文句も面目を失った。団体の会員たちは『産めな い状況でも、育てられない条件でも、無条件に産め?』、『お金がなければ子供 も産めないこのひどい世の中』などのプラカードを持って政府の一方的な出産 奨励キャンペーンを批判した。

チン・スヒ長官が公聴会場から出る間にも、団体会員の声は続いた。会員たち は「なぜ当の女性労働者の声は聞かないのか」とし「彼女たちの声をきちんと 反映した政策を作れ」としチン・スヒ長官を圧迫した。

雇用を奪われて、どうして『出産』?

現在、政府が出している低出産基本計画の主な争点は、『柔軟勤労時間制拡散』 だ。政府は『仕事と家庭の両立』と『雇用創出』対策だとして柔軟勤労制を導 入したが、女性の雇用不安をあおり賃金差別に追いやっているという批判が続 いている。

民主労総のパク・スンヒ女性委員長は、「柔軟勤務制は女性労働者を不安定な 非正規労働者に追いやる」とし「政府は柔軟勤務制を勤労時間の短縮だと言っ ているが、結局非正規職導入と拡散の布石」と批判した。

保育サービス政策も問題になった。政府は民間育児サービスの改善方案として、 優秀民間施設を公共型、自律型保育園への転換を認める計画を出した。だがこ れが保育費を引き上げ、結局庶民層の保育費負担が増えるという指摘だ。パク・ スンヒ女性委員長は「現在、国公立の施設が11%しかない状況で、庶民は子供た ちを民間施設に任せるほかはない」とし「だが自律型保育園への転換はまるで 自立型私立高のような形で保育料が上げられ、庶民層に打撃を与える」と予測 している。

また政府は育児休職給与定律制の導入と復帰インセンティブの導入で、育児休 職女性に休職前の40%を支給することにした。だが最低50万ウォンから最高100 万ウォンまでの育児休職給与が実質的な現実生計を反映していないという点が 問題になった。それだけでなく休職給与の一部(15%)を復帰後に支払うことにし ており、出産時に解約されることが珍しくない非正規女性労働者には該当せず、 出産率をあげられるかは未知数だ。

一方、女性団体らはデモの後「政府の出産政策は非正規労働者、主婦、失業者 などの女性にとっては絵に書いた餅」とし「政府は女性労働者の安定した雇用 を確保し、無償保育を実現するなど、保育公共性強化政策で低出産問題を解決 しなければならない」と主張した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-09-15 14:44:00 / Last modified on 2010-09-15 14:44:01 Copyright: Default

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