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韓国:勇敢な女性たち(1)現実を変えなければならない
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勇敢な女性たち(1)現実を変えなければならない

[3・8 100周年]保育、看病、清掃用役女性労働者

ムン・ソルィ(撤廃連帯教育部長)/ 2008年03月05日15時25分

眩しいスポットライトをあてられる保育の未来に対する華麗な約束
その後方でさえぎられた保育労働者の現実、
そしてこのような現実を変えるための全国保育労働者たちの闘争!

▲保育労働者たちの平均賃金は100万ウォン余。平日勤務時間平均10.5時間.子供の家の長い一日の生活の中で、保育労働者自身のために使える総時間21.8分。/チャムセサン資料写真

「勤労契約書もなく月給明細書もなく、ただインターンと呼ばれた隣の組の金 先生、1年過ぎればインターンのレッテルをはがして正教師になれると思って、 同一時間・同一業務を遂行しても、ひどく少ない月給袋にじっと耐えたのに、 結局、金先生自身も知らない間に1年契約職になっていたし、今年は経営上の理 由で無理やり解雇されました。」

-光州全南支部保育労働者たちの話より

低出産・高齢社会対策作りのための社会協約が発表されるなど、保育問題が国家 の重要課題だという華麗な照明の中で、多くの政策と予算拡大の公約があふれ ている。だが、そのどこにも保育労働者の苦痛と憂い、涙を拭う声は聞こえて こない。

保育労働者たちの平均賃金は100万ウォンほど。平日の勤務時間は平均10.5時間。 子供の家の長い一日の生活で、保育労働者自身のために使える時間は計21.8分。 そのうち、子供たちを手伝いながら食べる昼休みは11分。休み時間は3.6分、個 人の清潔時間5.5分。おとなの便器さえない保育施設17%. 退職金と延長勤務手 当ては絵に書いた餅、生理休暇月次休暇は遥かな国の話。目が回るほど忙しく、 いつも追われる一日のスケジュールの中、蓄積するのは慢性疲労と消化器、呼 吸器障害、筋骨格系異常など、増える職業病...

まさにこれが眩しくスポットライトをあてられる保育の未来に対する華麗な約 束の後に隠され、静かに息をこらす保育労働者の現実だ。さらに、保育の質を 高めるという名目で、保育の公共性を強化するどころか評価認証制度が導入さ れ、保育労働者の労働強度は強化される一方だ。

しかしわれわれははっきり知っている。保育労働者が幸せに働ける最低限の権 利も守られない保育現場で、決して私達の子供たちが幸せに育つ権利を保証さ せることはできないということを! 保育労働者の安定した労働環境は、子供た ちにそっくり幸せな保育環境として転換されるということを! そのため全国の 保育労働者たちは、低賃金長時間労働の壁を破って堂々と要求している。

保育労働者最低賃金145万ウォンを勝ち取ろう!
必要人員を増やして8時間労働を保証しろ!
保育は国家の責任、国公立施設拡充しろ!
保育の公共性確保と保育労働者労働基本権争奪のために闘争!

誰でも心配なく老後を送ること、
看病労働者の労働権確保と社会公共性の強化によってのみ争奪される民衆の権利!

「老人長期療養保険法を作るのなら、ぜひ該当労働者の療養士と介護人の労働 の代価が正当に払われるようにしなければなりません。国民健康保険料で療養 費用が支給され、老人と患者は負担なく療養を受けられるようにしなければな りません。療養士と介護人が低賃金の不安定な身分から抜け出せなくては。そ うすれば老人と患者が本当に心が安らかに療養を受けられ、そして療養士と介 護人も安定して働けるように、国家と社会が責任を持たなければならないので す。政府が本当に国民のための法を作ろうとするのなら、誰もが安定した法を 作らなければなりません。私たちは老人たちが本当に楽に天国に行けるように する、老人たちが喜んで天国に行けるようにする制度が、韓国に定着すれば良 いです。」

-2006年3月、98周年国際女性デー迎え討論会で、ソウル地域支部介護人分会長発言より

盧武鉉政権は、高齢者の増加に備えるとして『老人長期療養保険法』を制定、 7月から実施することにした。老人と患者を世話してきた看病労働者たちはこの 制度の実施により、多くの老人と患者が楽に介護を受け、また看病労働者も陰 の場から出て、堂々とした労働者として堂々と働けるようになることを期待し てきた。

看病労働者は、家事使用人だけが労働者ではないという理由で、非公式部門で 最低賃金にも満たない低賃金で働いてきた。これにより殺人的な長時間労働は 必然的で、したがってほとんどの看病労働者はリューマチ、腰ディスク、眼球 疾患などに苦しむ。また肝炎、結核などの労働災害にさらされ、被害を受けて も労災補償も受けられず、どこにも訴える所もなく雇用から追い出される。こ れ以外にも、非人間的な待遇と無視による苦痛は到底語ることができない。

▲介護人も老人と患者の健康を考える労働者であり、看病労働者が元気よく仕事ができてこそ老人と患者の快癒も可能だという事実はあまりにも明らかだ。/チャムセサン資料写真

我が国で初めて実施される看病制度だと言える『老人長期療養保険制度』への 看病労働者たちの期待は特別だった。公式部門で堂々たる労働者として働き、 正当な権利を要求して楽しく働けるようになることを望んでいたのだ。しかし 看病労働者たちのこうした希望は利益追求だけを目標とする市場化された法案 が強行処理され、徐々に破られてしまった。通過した法は該当労働者を低賃金 の非正規職として活用するだけでなく、既に病院と家などで非公式に働いてき た看病労働者をさらに陰地に追い込むものだ。

しかし、介護人も老人と患者の健康を考える労働者であり、看病労働者が元気 よく働けなければ老人と患者の快癒も不可能だという事実はあまりにも明らか だ。そこでソウル地域と大邱地域看病労働者を中心として看病労働者の労働権 を確保し、社会公共性を強化する闘争が展開されている。特に該当労働者の犠 牲を前提とする『老人長期療養保険法』は、決して老人たちの楽な老後を可能 にすることができないという事実を広く知らせる実践を力強く進行中だ。

われわれはゴミから人間に戻った!
清掃用役女性労働者の権利宣言!

「ゴミを片づけ、ゴミ扱いされなければならなかった老いた女性労働者たちが 労働組合に加入し、始めて息をつきました。あまりにも顔色を伺い静かに生き てきた人生で、労働組合に加入する瞬間まで数え切れない悩みと恐れがあった のも事実です。しかし労働組合活動を始めて、われわれはもうゴミではないと いうことを知り、口があれば話ができるということを知りました。そうしてわ れわれはゴミから人間に戻りました。(…)労働者のあの闘争がなければ、つらかっ たのではないですか? 気持は今すぐにでも光州に走って行って、光州市庁女性 同志の手を握りたいです。何も言わず、手さえ握れば、われわれは互いがよく わかるからです。遠くから気持だけでも仲間たちの手を握っています。つらく ても、勝利の日まで、今にぎったこの手を離しません。」

-蔚山科学大女性労働者が光州市庁女性労働者に送った連帯の手紙より

▲ゴミを片づけながら、ゴミ扱いされていた老いた女性労働者が労働組合に加入し、始めて息をついた。/チャムセサン資料写真

2007年3月7日、蔚山科学大の清掃員女性労働者たちは裸の状態で蔚山科学大の 職員により、外に引きずり出された。彼女たちは1か月67万ウォンで働いてきた 清掃清掃員労働者たちだ。彼女たちは1月22日、使用者側から「2月23日付で解 約する」と一方的に通知された。そして使用者側は辞表への署名を要求した。 しかし署名できない、それまでの暮しがくやしくて、辞表に自分の名前を書け なかった9人の労働者が署名を拒否した。そして座り込みに突入した。座込み場 に職員が押しかけ、誰かが叫んだのだろう。「服を脱ごう。脱けば誰も手を出 せない!」だが彼女たちは裸で引きずり出された。

そして2007年、女性の日99周年をむかえた3月8日、光州市庁で働いた非正規職 女性労働者たちも「非正規職職員雇用を継承しろ」と要求して裸でデモをした。 警察は光州市庁3階社長室前の廊下を占拠して徹夜で座り込んでいた労働者を引 き出した。男性労働者が警察に全員引き出されて行った。そして女性労働者だ けが残った。座込み場に警官が押しかけ、誰か叫んだ。「私たちのからだに手 を付けるな」と叫んだ。そして上着を脱いだ。

蔚山と光州の清掃用役女性労働者は同じように生計に責任がある労働者として 賃上げを要求した。そして人間らしく生きるために労働三権を要求し、労組を 結成する権利を主張した。しかし返ってきたのは無慈悲な暴力と弾圧。だが彼 女たちはみんな人間らしく生きるために闘い、その勇気は『ゴミから人間に戻っ た』という自負心になった。

蔚山科学大の清掃用役女性労働者たちは長い戦いの末、職場に戻った。光州市 庁の清掃用役女性労働者たちはもう少し長い戦いを続けている。そして誠信女 子大で、延世大で、徳星女子大で... 最低賃金にも満たない低賃金と非正規職 というくびきの中で、人間らしい権利を取り返すと宣言する全国所々の清掃用 役女性労働者の抵抗と連帯は続いている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-03-08 01:59:46 / Last modified on 2008-03-08 01:59:49 Copyright: Default

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