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韓国:「不正受給」世論誘導、「反福祉攻勢はやめろ」
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「不正受給」世論誘導、「反福祉攻勢はやめろ」

権益委、「不正受給問題が深刻」という世論調査の結果を発表

ハ・グムチョル記者 2014.01.27 11:04

「むしろ基礎生活保障制度がうまく運用されていることを反証する」

政府の「不正受給探し」の攻勢がますます激しく行なわれている。 1月21日、政府合同福祉不正申告センターが福祉不正受給額100億ウォンを摘発したと発表したのに続き、国民権益委員会は(以下 権益委)国民の大多数が「不正受給の問題が深刻だ」と答えたという世論調査の結果を公開した。

これに対して専門家たちは、政府が意図的なアンケート調査により世論を誘導し、反福祉攻勢を強めているという批判を提起している。

権益委は1月24日、報道資料で、国民の85.7%、社会福祉担当者の74.3%が韓国社会で発生している各種の福祉サービスの不正受給問題が「深刻だ」と答えたと発表した。

また、質問に参加した国民は、不正受給問題の解決に一番必要なこととして 「不正受給の点検・摘発と処罰強化」(32.6%)、 「社会福祉情報システムの改善と連係強化」(19.3%)、 「福祉業務の担当人員拡充と専門性の確保」(17.4%)と答えたと明らかにした。

こうした調査結果は、権益委が国民直訴の鐘(www.epeople.go.kr)を通じ 12月に1か月間、一般国民740人と社会福祉担当者982人が答えたオンライン・アンケートにより出された結果だ。

しかしこれに対してある世論調査機関の関係者は、母集団や標本も設定せず、 インターネット接続者だけを対象に行われたアンケート調査の結果であり、 国民全体の意見であるかのように一般化するのは正くないと指摘した。

この関係者は「この程度のアンケート調査なら、ポータルサイトで行う人気投票の水準」とし 「政府が意図的な方式でアンケート調査を行い、結論を出したように見える」と指摘した。

また、権益委はポータルサイトのダウム・アゴラで行われた「福祉不正やめろ!」という主題のオンライン政策討論の結果も公開し、これを不正受給対策に活用すると明らかにした。

この政策討論に専門家パネルとして寄稿した韓世大学社会福祉学科のイ・ミエ教授は 「社会的弱者も、社会的強者も、法を犯せば同じように処罰されるのが、法が保障する平等性なのに、生計型といえば法的にも心情的にも、さらに多くの保護を受ける面もある」と主張した。

イ教授はさらに 「保健福祉部内の公共扶助不正受給調査官や地方自治体の関連公務員に 『司法警察権の権限』を付与するよう法律を改正しなければならない」とし、 不正受給を単なるモラルハザードではなく「犯罪行為」と規定するよう主張した。

▲国民権益委員会は国民直訴の鐘アンケート調査とダウム・アゴラのオンライン討論等を通して、不正受給問題を集中的に攻撃し、反福祉攻勢をかけている。

これに対して正義党のチャ・ヘギョン政策室長は 「扶養義務者基準によって基礎生活保障から排除された貧困層が膨大に存在している」とし 「この状況で、制度を急いで拡大しても不足なのに、不正受給を理由に福祉を攻撃するのは正しくない」と指摘した。

チャ政策室長は「すべての制度が100%完璧ではないので不正受給があるということは認め、解決すべきだというのは正しい」とし 「しかし政府が基礎生活保障制度だけに苛酷に不正受給の定規を当てている。 そのために福祉の烙印効果を強め、行政の費用ばかりが膨らむ恐れがある」と指摘した。

続いてチャ政策室長は、政府合同福祉部政申告センターが摘発したという 合計100億ウォンの福祉不正受給額の内容にも問題を提起した。

実際、このうちの相当部分は「事務長病院」などの療養給与不当受給事件(72億ウォン)で、基礎生活費不正受給事件は7千万余ウォンに過ぎない。 これについてチャ政策室長は「基礎生活保障予算全体が8兆ウォンが越える状況で、その程度ならむしろ基礎生活保障制度がうまく運用されていることを反証する」と指摘した。

またダウム・アゴラの政策討論で、政府合同福祉部政申告センターのハン・スグ センター長は、中央政府と地方政府に各々不正受給防止調査局(Counter-Fraud Investigation Division)と不正受給調査機関(Benefit Fraud Inspectorate)を置いている英国の事例を見習えと主張した。

しかしこれについて、英国で施行されている不正受給防止体系と韓国では厳然たる差異があるという指摘も提起されている。

全国障害者父母連帯のイ・リナ国際協力局長は 「英国の福祉監視体系は、ぜひ福祉が必要な人にまともな福祉が提供されているかも監視する」とし 「現朴槿恵政権が進める不正受給調査はこれとは距離が遠い」と指摘した。

イ国際協力局長は続いて「政府が本当にきちんとした福祉監視体系を作りたければ、財政漏水だけに気を遣わず、施設で死んでいく障害者の現実も監視・監督しろ」と付け加えた。

付記
ハ・グムチョル記者はビーマイナーの記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-01-28 09:25:42 / Last modified on 2014-01-28 09:29:37 Copyright: Default

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