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韓国:現代製鉄のめちゃくちゃな安全管理が判明
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現代製鉄のめちゃくちゃな安全管理が判明、しかし惨事の原因糾明は不十分

雇用労働部、特別監督結果発表...「無理な工期短縮」どこに

チョン・ジェウン記者 2013.07.12 18:08

雇用労働部が現代製鉄(株)の忠南唐津工場に対して実施した産業安全保健特別監督の結果、現代製鉄の安全管理システムに総体的不良があったことがわかった。

だが雇用労働部の特別監督の結果が現代製鉄の労働災害による労働者の集団死亡 事件の原因究明としては不十分だという主張が提起され、議論が予想される。

これまで惨事の主な原因と指定された会社の「無理な工事期間短縮」について 何の言及や対策もなく、安全保健管理の原因と対策に限り、雇用労働部が特別 監督の結果を出したためだ。

現代製鉄安全管理システム総体的不良

雇用労働部は5月20日から6月27日まで、現代製鉄(株)忠南唐津工場に実施した 産業安全保健特別監督の結果、「ガスで窒息した死亡災害は、安全保健管理に 対する人的、物的投資が不十分で、体系的なシステムがなかったことで発生した」 と7月12日に明らかにした。

現代製鉄898件、協力業者156件、建設業者69件など、合計1123件の産業安全法 違反事項が摘発された。

労働部は、これに関連して、違法事項を司法処理し、6億7000万ウォンの過怠金 を賦課する一方、現代製鉄に安全保健改善計画書を提出させた。

労働部は特別監督の結果、「現代製鉄の唐津工場は、汝矣島の面積の約2.5倍の 敷地(740万m2)に、整備、保守および建設業者など合計1万6000人ほどの勤労者 が共同で作業をしており、災害発生の危険度が非常に高い事業場」とし、 「しかし安全保健管理システムは非常に不十分で、製鉄所の特性に合った体系的な 安全保健管理システムの構築が急がれる」と明らかにした。

最近、アルゴンガスの漏出で現代製鉄で5人の非正規職労働者が窒息死した事故 についても、労働部は安全管理がでたらめだったことで発生した事故と分析した。

単なる機械の欠陥や誤作動を越え、転炉内部の耐火レンガ築造作業会社とアルゴン ガス配管連結作業会社を体系的に統合、管理できなかったことが根本的な原因 だという。

ともに密閉された空間で、作業時安全作業プログラムもなく、換気システムの 構築や周期的な可燃性ガスの測定もきちんと行われていなかったことが調査された。

労働部はまた、製鉄所の特性上、金属物質の粉塵が大量に発生するが、圧延工場 のモールドパウダー、焼結工場のコークスラインなど、一部の工程に密閉設備や 局所排気装置を設置していなかった事実も確認した。

安全管理費も整備、保守業者に適切に支払わず、有害-危険物質漏出および火災 と爆発予防のための安全規則遵守や、危険情報と取り扱い要領の教育もきちん と行われていなかった。

現場最高責任者の製鉄所長を安全保健管理総括責任者に選任せず各事業本部長 が該当本部の管理責任を担当するなど、安全管理システム不在の問題もわかった。

[出処:民主労総忠南本部資料写真]

「世の中の人が皆知っている無理な工事期間短縮、労働部だけが知らんふり」

だが労働部の特別監督の結果がアルゴンガスの窒息死など、連続した現代製鉄 労働者の死亡事件を解決するには不十分な結果だという主張が提起されている。 まさに事故の重要な原因である「無理な工期短縮」に関する部分が抜けているからだ。

現代製鉄の連続した労働者死亡事故は、無理な工事が一役買ったという指摘が 続けている。これらの事故はすべて、9月に完工予定で現在、工事が90%以上 進んでいる高炉3号機周辺の現場で発生した。

今年の5月10日に起きたアルゴンガスの窒息死事故をはじめ、昨年9月以後、何 と11人の労働者が現代製鉄唐津工場で現場作業中に死亡した。全員、下請企業 に所属する非正規職労働者だ。

現代製鉄企業殺人忠南対策委員会(忠南対策委)は当時、「非正規職労働者の死 は現代製鉄の脆弱な産業安全と、無理な工期短縮など、現代製鉄の無理な運営 の態度が呼んだ惨事」と提起した。

続いて「新しく建設されている高炉3号機は、工事期限が3か月以上短縮されて、 6人が死亡した。5人が窒息死した事故も、当初は20日かかる作業期限を10日以内 に過度に短縮して、作業マニュアルもなかった」と主張した。

忠南対策委共同代表のキム・ミノ労務士は、労働部の特別監督結果に対して 「無理な工期短縮による予想された惨事だという指摘が反映されなかった」とし 「労働部が安全管理の総体的不良だと、何かとんでもないものを発見したかの ように発表したが、非常に残念な結果だ」と批判した。

キム・ミノ労務士は「労働部はこれまで『工事期間が短縮されても、安全管理 の対策さえ講じれば解決される』という立場だった」とし「今回の特別監督の 結果で、工事期間の短縮が続き、労働者だけが苦しみ、現代製鉄に免罪符を与 えたようだ」と憂慮を現わした。

それと共に彼は「現代製鉄は公然と工期短縮を表明して投資を誘致した。高炉 3号機の早期完工の期待で株式が上昇した。これに関する新聞記事は多い」とし 「世の中の人は誰もが知っている無理な工期短縮を、労働部だけは知らんふり し続けている」と批判した。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-07-14 03:16:27 / Last modified on 2013-07-14 03:16:27 Copyright: Default

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