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韓国:ポスコ窒息事故当時、安全装置設置せず
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ポスコ窒息事故当時、安全装置設置せず

遺族、対策委を作り遮断板未設置の疑惑を提起

チョン・ヨンギル ニュースミン記者 2018.01.28 21:02

慶北道浦項市南区のポスコで起きた窒素ガス窒息死亡事故現場で 安全装置のメクラ板(Blind Patch)が設置されていなかったことが確認された。 電子システムで作動するガスバルブの作動とは無関係に、 配管の間に設置して物理的にガスを遮断するこの板が設置されていれば、 労働者4人が命を失う事故は予防することができた。 労働部は産業安全保健法律上、遮断板の設置は義務ではないが、 独自の安全管理規定には遮断板設置後の作業が明示されていただけに、 徹底的に調査すると明らかにした。

▲配管と配管フランジの接触面に物理的にガスの流入を遮断するメクラ板を設置していればバルブが開いてもガスを遮断できる。[写真=産業安全保健公団資料より]

死亡した労働者4人の遺族は正確な事故原因が明らかになるまで、 葬儀を延期することにして対策委を構成した。 ポスコ退職者から情報提供を受けた遺族対策委は、遮断板の未設置を直接的な死亡原因かもしれないと疑惑を提起し、 雇用労働部浦項支庁も調査の結果、遮断板が設置されていなかったといった。

命を失った労働者4人は外注業者(株)TCC韓進の所属で、1月25日午後4時に 慶北道浦項市南区のポスコ浦項製鉄所酸素工場14プラント冷却塔に設置された 充填材を交替している時だった。

この作業をする時は、窒素が流入することがあり、 自動バルブと手動バルブで必ず遮断しなければならない。 バルブを遮断しても機体圧力や電子システム誤作動でバルブが開くことがあるため、 配管をつなぐフランジ間に遮断板を設置して物理的に気体の移動を遮断しなければならない。

遺族対策委によれば、こうした遮断板の設置はポスコの標準作業だと指摘し 「一部のマスコミが提起する冷却塔運転室の元請業者所属の作業者が一部、 作業場所を離脱したなどは、今回の事故の直接的原因ではなく、 バルブの開放と遮断板の未設置ないし早期除去が確認されれば、 これが今回の事故の直接的原因」と明らかにした、

1月28日午後、遺族は遺族の慰労と真相究明のために訪問した李貞味(イ・ジョンミ)正義党代表、 秋恵仙(チュ・ヒェソン)議員などと共にこの日、 故人の遺体安置所が設置されている浦項市南区聖母病院で、 ソン・ヨンサン雇用労働部浦項支庁長と会い、このような疑惑を提起した。 事故から4日が過ぎて初めて労働部関係者と会った。

この席で李貞味議員と遺族は 遮断板未設置についての疑惑を提起し、 労働部も調査した結果、遮断板が設置されていなかった事実を確認したと認めた。

▲李貞味(左)正義党代表が浦項聖母病院葬儀場で遺族と共にソン・ヨンサン(左側から2人目)労働部浦項支庁長と会った。[出処:ニュースミン]

遺族対策委幹事になったA氏は 「今まで労働部を含んで、関係機関の関係者と会ったのは初めてだ。 マスコミを通じてのみ便りを知る今の状況にとても腹が立つ」とし 「なぜ遮断板を設置しなかったのか、設置の権限は誰が持っているのか知らせてくれ」と話した。

これについてソン・ヨンサン浦項支庁長は 「バルブがどのように作動したのか確認中だ。 遮断板が設置されていなかったのはその通りだ。 そして遮断板は本来設置されていないのか、除去したのかをきちんと調査する」と話した。

遮断板設置についての権限をポスコが持っているかという質問に ソン・ヨンサン浦項支庁長は「そうだ」と答え、 命を失った労働者たちは作業中に呼吸用の保護具も着用していなかったと明らかにした。

遮断板の未設置で窒素ガスの流入を防ぐ追加安全網がなくなったため、 なぜバルブが開かれたのかとともに、なぜ遮断板が設置されていなかったのかも 事故原因を究明するために重要になったのだ。 また、呼吸用保護具の支給有無に対しても具体的な調査が必要になった。

▲配管と配管フランジの接触面にガス流入を物理的に遮断する板を設置すればバルブが開いてもガスを遮断できる。該当資料は2104年5月遮断板解体作業中に残留ガスによる爆発事故についての資料だ[写真=産業安全保健公団資料より]

これに関してポスコの関係者はニュースミンとの通話で 「警察、国科捜で捜査中の状況で、遺族が話している部分についてそうだ、違うと中途半端に話せないと考える」とし 「捜査の結果により、事故原因究明と対策用意に積極的に臨む計画だ」と話した。

浦項南部警察署の関係者は 「これまで残留ガスのために現場に対する詳しい捜査ができなかった。 明日(1月29日)午前、現場に行って調査する計画」とし 「どこでガスが流出したかを中心に調査する計画だ。 遮断板未設置も影響したものと見て、現場調査をする予定」と話した。

去る25日午後4時に慶北道浦項市南区のポスコ浦項製鉄所の酸素工場 14プラント冷却塔内部整備をしていた外注業者(株)TCC韓進所属の労働者 チュ某(26)氏、アン某(31)氏、イ某(47)氏、イ某(60)氏など4人が窒素ガスにより窒息して亡くなった。

現在、浦項南部警察署、国立科学捜査研究院、韓国ガス公社などが現場鑑識作業を始めており、 警察と労働部は関係者を召喚して正確な事故原因を明らかにするために調査中だ。 また、労働部は29日から2週間、ポスコ内の38の工場と56の協力社を含む広範囲な特別監督を実施する計画だ。[記事提携=ニュースミン]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


ポスコ窒息事故遺族、「どの機関も状況を知らせない、ポスコ共和国か」

李貞味正義党代表一行がポスコ窒息事故遺族と会って慰労

チョン・ヨンギル ニュースミン記者 2018.01.28 21:13

「息子も残念でくやしいです。 自分らたちこんなことで問題が起きればと思えないでしょう。 自分たちは問題なく作業したのに、一瞬で誰かが下で作動して殺しました。 この悪いやつらがこの操作をして今でも究明できず… かわいそうな勤労者、遺族をあまりにもバカにしている。 TCC会長も責任があるが、源責任はポスコだ」

1月28日午後2時、慶北道浦項市南区セミョン基督病院の葬儀場で息子のイ某(47)氏を失った父親は、 李貞味(イ・ジョンミ)正義党代表の手を取ってこう話した。 同じ葬儀場の他の遺体安置所の前で父親のアン某(31)氏が亡くなった事実を知らない幼い子供はおもちゃをいじりまわしていた。 李貞味代表とともに遺体安置所に来た秋恵仙(チュ・ヒェソン)正義党国会議員は背を向けて涙をぬぐった。

▲慶北、浦項セミョン基督病院葬儀場でポスコ窒息事故で息子を失った父親と会って慰労する李貞味正義党代表[出処:ニュースミン]

葬儀場の1階に用意された遺体安置所案内所モニターには、入棺時刻だけが出ていた。 出棺、埋葬地も決まっていない。 解剖検査の結果、窒素ガス中毒による死亡という結果が出てきた。 しかし亡くなった者も、残った家族も、なぜ彼らが窒息したのかわからない。

遺族らと李貞味正義党代表を含んだ秋恵仙議員、パク・チャンホ慶北道党委員長などが 遺体安置所で20数分間、話をした。 政府機関、政党のどこも遺体安置所にきて遺族の話を聞いていない。

「遺族と対話をする人は誰もいません。 何をしてくれと言う事ではなく、くやしい点を究明してくれということです。 関係機関も全く見たことがありません。 産業安全公団、勤労福祉公団も見ていません。」

遺族対策委の幹事になったA氏の言葉だった。 1月26日、イソンギ雇用労働部次官が現場を訪問したという知らせも マスコミを通じて知った。

息子のイ氏を失った父親は、 ポスコの態度に鬱憤を吐き出した。

「26日に事故現場で国科捜が結果を報告するといって、遺族代表と現場に行きました。 TCCの職員が出てきて車に乗って行ったが、 国科捜から調査しにきたという人は一人もいなかった。 寒さにぶるぶる震えながら待って、また事務室に行って待っていると、 TCCの常務という人が黒板に絵を描きながら事故の説明をしました。 国科捜の説明を聞きに行ったのに、なぜそこが説明をするのか。 現場に戻るとポスコの職員が記者を取り囲んで同行して出てきました。 ポスコが傲慢に遺族を踏みにじるのに、 勤労者たちはどれほど踏みにじられるか…」

「ソウルに戻ったらすぐに長官と話をする。 亡くなったのもくやしいのに、これでいいのか。 真相究明ができるように責任を取る」という李貞味代表の言葉に イ氏のお父さんは「ありがとう、必ず助けてほしい」と言って手をきつく握った。

浦項南区聖母病院の状況も同じだった。 26歳で亡くなったチュ某氏とチュ氏と同じ年頃の子供二人を残して亡くなった イ某(60)氏も埋葬地が確定していない。

狭い葬儀場の事務室で遺族は初めて関係機関から 事故以後の状況についての話を聞くことができた。

李貞味代表が 「遺族に情報が共有されていないという。 抹殺されたのも苦しいが、どの程度まで進められたという話は公式にするべきではないか」と指摘すると、 雇用労働部のソン・ヨンサン浦項支庁長は 「すぐにきちんと知らせる。 遺族代表と直接通じる経路を作る」と話した。

それで遺族の悔しさは少しはやわらいでいた。 ポスコ窒息事故を担当する勤労監督官が 「なぜバルブが開いたのか確認している。 複雑な電気システムなので、 パネルを清掃する側からスイッチを開いて作業をすれば、作動する可能性がある…」という話が出てくると、 遺族は「ポスコの職員か。どこからきたのか」と声を高めた。

遺族が提起した遮断板未設置の問題が出てきた。 遺族は遮断板の設置権限がポスコにあるのかと尋ね、労働部でもそうだと答えた。 20余分間対話が続いた末にソン・ヨンサン支庁長が公式に遺族に進行状況をブリーフィングすることを約束し、対話は終わった。 労働部は30日(火)午前10時に遺族と会って公式的な進行状況を共有することにした。

支庁長との対話を終えて出てきた A氏はこのように話した。

「25日の労働部報告文書には勤労福祉公団を通じて遺族に説明すると記されていたが、 今までどの機関も遺族に状況を知らせなかった。 ポスコも同じだ。 われわれは状況をマスコミを通じてのみ接している。 ここがポスコ共和国か」[記事提携=ニュースミン]

原文(ニュースミン/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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