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韓国:セジン重工業下請労働者4人、爆発で死亡
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セジン重工業下請労働者4人、爆発で死亡

『社内下請工場』の造船所...安全教育不良、勤労契約書もなく

ユン・ジヨン記者 2011.12.30 13:59

船舶ブロック業者の蔚山セジン重工業で爆発事故が起き、 社内下請労働者4人が死亡した。

12月30日午前9時7分頃、蔚山市蔚州郡温山邑ウォンサン里のセジン重工業で働 いていた社内下請労働者キム某氏(52)等4人は、大型船舶ブロック製造作業の 途中に爆発事故で命を失った。

彼らは幅45m、長さ42m、高さ42mの4200トン規模の船舶ブロックの狭くない船室 で作業をしていたという。警察は被害者が密閉空間の事故現場で酸素切断機で 作業をしていたとき、残留ガスに火花が引火、突然爆発して亡くなったことと 推定している。警察は事故経緯の調査後、安全管理監督違反が摘発されれば 司法処理する方針だ。現在会社側は事故地域を除き正常作業を進めている。

だが今回の事故でセジン重工業社内下請労働者の劣悪な労働環境が伝えられ、 造船所社内下請労働者の安全管理システムと労働環境システム改善の声が 高まっている。

実際にセジン重工業社内下請労働者のA氏は、「入社当時、2時間の安全教育を 実施するが事実上無意味で、1か月に一回の安全教育もサインだけ受けて終わる 形」とし「大小の事故が発生しても、まともな教育がなく、労働者は労災かど うかも知らないことが多く、公傷処理で終わるのがほとんどなので、事実上、 外側に事件が表われない」と説明した。

社内下請労働者の勤労環境と処遇も劣悪な状況だ。A氏は「ここの下請労働者は 正式な賃金体系や勤労契約書もない状況で、労組もなく、団体協約もないだけ に、権利を主張するのが難しい」と述べた。A氏によれば、現在セジン重工業に は200人ほどの正規職と3000人ほどの非正規職が存在している。

またA氏は「セジン重工業の下請労働者のほとんどが現代重工業や尾浦造船のよ うなところで定年退職をした高齢な方で、年齢が高く、健康が悪い方、景気が 悪くて出てきた方、労組活動をして雇用を失った人などなので、簡単に自分の 要求を会社に話せない構造」と説明した。

一方、セジン重工業以外にも造船事業場のほとんどで安全事故が続き、造船所 全般の安全管理システムを変えろという主張が提起されている。12月16日にも 三湖重工業下請労働者がハンドレール設置作業中に墜落死する事故が発生した。 労組によれば、当時安全欄干が設置されず、安全ベルトをかける所もなかった ことがわかった。また今年上半期も大宇造船で7人、STX造船で8人の労働者が 重大災害で死亡した。

そのため金属労組は7月に声明書を通じ「生産利益中心の経営システムによる生 産第一主義と安全保健措置放棄、受注増加による労働強度強化、下請労働者の 増加による物量急増をはじめとする多段階下請の急増の中で、災害予防は後ま わしにしたまま造船所労働者だけが死んでいっている」と批判した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-02 19:30:26 / Last modified on 2012-01-02 19:30:27 Copyright: Default

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