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マグナチップでも、半導体白血病で死亡

5月に死亡、労災申請...「勤労福祉公団は疫学調査をして労災を認めろ」

シム・ヒョンホ記者 2011.09.09 16:10

清州にあるマグナチップ半導体工場で働いて白血病にかかり、死亡した労働者 の遺族が労災を申請した。

▲故キム・ジンギ氏の夫人が労災申請をしている。

『パノルリム(SHARPs)』と民主労総忠北本部など忠北地域労働・市民社会団体 と進歩政党は、9月8日午前11時に勤労福祉公団清州支社前で「故キム・ジンギ 氏の白血病死亡を勤労福祉公団は労働災害と認めろ」という記者会見を行った。

半導体労働者の健康と人権守備『パノルリム』と民主労総忠北本部などの忠北 地域の労働・市民社会団体と進歩政党は、8日午前11時に勤労福祉公団清州支社 前で「故キム・ジンギ氏の白血病死亡を勤労福祉公団は労災と認めるべき」と いう記者会見を行い、労災を申請した。

故キム・ジンギ氏は97年にマグナチップ半導体清州事業場に入社し、14年間ずっ と半導体クリーンルームのインプラント工程現場労働者で働いてきた。インプ ラント工程は白血病を誘発する物質と言われる放射線が発生する工程で、血液 異常を起こす猛毒性ガスのホスフィン、ヒ素などが使われる空間だ。その上、 2009年以前は防毒マスクも支給されていなかったことが分かった。

キム氏は入社12年間目の2008年、放射性の影響が疑われる『甲状腺機能低下症』 を発病し、治療を受けた。その後、2010年4月の健康診断で、白血球数値の異常 な増加が発見され、6月22日『慢性骨髄単球性白血病』と確診されたが、経済的 な理由で入院治療ができず、勤務と通院治療を併行した。だが4月に遺伝子変移 が進むなどで突然病状が悪化し、坑癌治療後に骨髄移植手術を受けたが5月28日 に死亡した。

当時、カトリック大学校ソウル聖母病院の主治医は、「患者は約15年ほどX線で 調査する業務を遂行し続けてきた。患者に発生した甲状腺疾患が触発した血液 ガンがこうした職業露出との相関が高いことを示唆している」とし「職業との 関連について精密な分析が必要だ」と所見を明らかにした。

キム氏、2010年には一般人の被曝基準の180倍の30ミリシーベルト(mSv)を記録

記者会見の参加者は、半導体工場で働く労働者が深刻に白血病発病の危険に さらされている事実を根拠資料を上げて説明した。

2008年、韓国産業安全保健公団が実施した半導体製造工程労働者に対する健康 実態疫学調査の結果、白血病の発病率が一般人より高いとことがわかった。

また、2009年に実施したソウル大産学協力団の『半導体事業場危険性評価諮問 意見書』は、故人がクリーンルームで担当した業務の装備の維持補修(PM業務) では、さらに多くの有害要因に露出すると明らかにしている。これは手動整備 業務の特性、設備洗浄作業の過程で各種の有害物質への露出、ガスボンベ交換 などの業務のためだ。

特に、キム氏が2010年に2か月程度、放射線測定をした結果、放射線作業従事者 の被曝基準の9倍、一般人の被曝基準の180倍に当たる30ミリシーベルト(mSv)と いう高い被曝が記録され、キム氏と同じ工程で働いていた同僚も血液の異常が 発見されたという。

パノルリムの活動家、イ・ジョンナン労務士は「半導体クリーンルームが表か ら見ると、ホコリもなくとても清潔に見えるが、これは半導体の立場ではそう だというだけで、現場労働者の立場では数百種類の化学物質と放射線に露出す る非常に有害な現場だ」と説明した。

続いて「労災申請をする目的には、単にこれが一個人の労災認定補償というこ ともあるが、これ以上第2・3の被害者を出さないということでもある」とし、 「サムスン半導体白血病被害者の故ファン・ユミさんの死から4年間、政府と 半導体企業主は、いったいどんな安全保健対策を出したのか確かめなければ ならない」と指摘した。

故キム・ジンギ氏の夫人のイム・ジンスク氏は「専門家がはっきり職業病だと 言い、診断書にも今の業務と関係があり、疫学調査が必要だというのに、なぜ 勤労者のための所だという勤労福祉公団が直接動いて労災を認めないのか、また なぜ私たちを妨害し、威嚇するのか、本当に理解できない」と批判した。

また、「葬式の日、会社の同僚の方が来て『私も恐い。いつかかるかわからな い職業病だ』と言ったが、これ以上私たちのような事が起きてほしくないし、 今ここで労災が認められ、法廷に行くことがなければ良い」と明らかにした。

記者会見に参加した団体は、会見文で「故キム・ジンギさんの死を本当に無駄 にしない方法は、これ以上の被害を防ぐことだ」とし「勤労福祉公団は公正で 透明な疫学調査のために、遺族が推薦する外部の専門家の参加を保障し、迅速 に労災を認めろ」と要求した。

また、「労働部は、マグナチップ半導体管理監督資料を公開し、全半導体産業 の労働者に対する根本的な安全対策を作り、マグナチップ半導体は故キム・ジ ンギさんの死に謝罪して、早く再発防止対策を用意しろ」と要求した。(記事提携= メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-09-10 10:18:11 / Last modified on 2011-09-10 10:18:14 Copyright: Default

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