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LNJ Logo 韓国:4年かかったサムスン白血病判決、労災手続きの改善が必要
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4年かかったサムスン白血病判決、『労災手続き』さえ改善すれば...

労働者が自ら『医学的立証』してこそ労災認定...調査過程は非公開

ユン・ジヨン記者 2011.06.27 21:11

6月23日、サムスン電子半導体工場で働き、白血病で亡くなった労働者の一部を 法院が初めて労働災害と認定し、労災保険承認の手続きを改善すべきだという 声が高まっている。

白血病などのように疾病が長い期間にわたり発生する場合、労災が認められる までに長い年月が必要になるからだ。今回の白血病被害者の場合も基本的には 3年から4年、労災を認めさせるために孤軍奮闘してきた。また、業務上の疾病 という医学的な関連性を確認する過程もまた多くの問題を内包しており、労災 承認手続きの全般的な変化が要求されている。

[出処:チャムセサン資料写真]

労働者が自ら『医学的立証』してこそ労災認定...調査過程は非公開

韓国労働安全保健研究所のコンユ・ジョンオク研究員は6月27日、SBSラジオの [キム・ソウォンのSBS展望台]に出演、今回の判決に対して「半導体労働者の 場合、本人が何の化学物質を使ったのかほとんど知らない状況で、根本的に産業 災害保険を受けられない状況だったが、今回の判決はその人たちに糸口を開く 大切な判決」と説明した。

だが、長い年月を勤労福祉公団と争い、結局は法的な争いに行かなければなら ない被害者にとって、労災承認手続き制度の改善は必須だ。特に手続きでは 透明性が担保されず、被害者はさらに勤労福祉公団に対する信頼を失いつつ ある状況だ。

これについてコンユ・ジョンオク研究員は、「勤労福祉公団は自主的に原因を 見つける努力をするが、それがどれほど正確にきちんと調査されたのか、絶え ず疑惑が提起されている」とし「何を調査して、何が見つからなかったのかが 公開されず、どんな結果が出ても被害者は承服し難く、企業の営業秘密を理由 に政府機関が持つ情報さえ公開しないのははがゆい状況」と吐露した。

そのため労働健康連帯と参与連帯などは27日、国会で『サムスン白血病事件から みた労災保険法改正方案討論会』を開き、労災承認手続きの改革を要求した。

この席でイ・ジョンナン労務士は、労災申請から労災申請後の手続きまで全て の過程で被害者が味わう困難を説明した。まず、労災申請を提出する前から、 労働者たちは該当疾病を職業病と疑うことができず、疑っても労災申請を誰に どうすればいいのかよくわからない。イ・ジョンナン労務士は「また労災申請 をしようとしても、労災保険申込書の様式に『事業主捺印欄』があり、提出す る前に事業主の懐柔や妨害などで労災申請を放棄するケースが多い」と説明した。

労災申請後も災害調査の過程で被害者は各種の問題に突き当たる。請求権者が 遺族の場合、業務自体を知らず、請求権者が災害当事者でも、どんな物質に、 どう露出したのか、すべて把握できないためだ。

また、労働者は自分が使っていた物質が何かきちんと知らない状況で、事業主 の管理下の物質安全保健資料(MSDS)や過去の作業環境測定資料は現実を反映で きないが、勤労福祉公団はこれに基づいて業務上の疾病を判定している。

[出処:チャムセサン資料写真]

疫学調査と災害調査過程での問題も存在する。イ・ジョンナン労務士は「サム スン白血病労災申請による疫学調査の過程で、産業安全保健研究院は解明が難 しい白血病の原因を見つける綿密な調査より、事業主と事前に合意した日と時 間に現場に入り、空気中の濃度を一度測ってみたという程度に過ぎなかった」 と批判した。

続いて彼は「災害調査の過程も徹底して非公開で、災害労働者は最終的に承認 の可否だけを一方的に通報される」とし「また会社が営業機密を主張する情報 には最終処分以後に情報公開請求しても非公開になる」と説明した。

すべての医療機関、労災保険に指定される当然指定制も実施すべき

そのためイ・ジョンナン労務士は、△災害調査の過程で当事者と当事者が推薦 する専門家の参加保障、△災害調査の過程で事業主が提出した資料と疫学調査 の過程を透明に公開、△不意に現場検証が行われるように法改正、△勤労福祉 公団、あるいは担当調査官が事業主の顔色を伺いながら災害調査を十分に行え なくなることを制度的に牽制することを要求した。

また彼は「過度に厳格な基準のため現行の職業性ガンの承認率が0.1%に過ぎず、 何よりも労災保険の認定基準を大幅緩和することが必要」と強調した。

労災保険申請の簡素化の要求も提起された。コンユ・ジョンオク研究員は、 「根本的に労災を認められる手続きは、ずっと簡素にならなければならない」 とし「今回のように3〜4年訴訟まで行って、認められれば手遅れになり、 被害労働者と家族の経済的、精神的、肉体的な苦痛は深刻になる」と説明した。

続いて彼は「また制度改善が可能なら、業務との関連を問う前に診療費や生計 の負担なく治療を受け、二度とこのような人がでなくするべきだという 予防次元の調査が必要」と強調した。

イム・ジュン労働健康連帯執行委員長も、労災保険請求および給与提供手続き に対する改善方案を出した。イム・ジュン執行委員長は「災害労働者が労災を 申請することで給付手続きが始まる制度を変えるべきで、これは健康保険のよ うに医療機関に労災患者の請求を代理すれば簡単に問題を解決できる」と説明した。

つまり、医師が職業との関連に対する評価が要求される災害労働者を診療室、 または応急室で会う場合、『健康保険を適用すべきか』、『労災保険を適用す べきか』を一定の基準に基づいて分類できるようにするということだ。

またイム・ジュン執行委員長は「今までは労災患者に労災を立証させているが、 制度を改善して勤労福祉公団または第3機関に反証の責任を負わせるようにしな ければならない」とし「このような制度にするために前提になるべきことは、 健康保険と同じようにすべての医療機関が労災保険に指定される当然指定制度 の実施」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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