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News Item 20050203kctu1
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編集2005.02.03(木)15:13

「政府が非正規職法案を強行すれば、社会的交渉の上程は廃棄」

*△民主労総立場発表の記者会見。3日、ソウル永登浦の民主労総事務室で開かれた「現時期民主労総の総括立場発表」で、イスホ(中)委員長をはじめとする執行部が記者の質問に答えている。(ソウル=連合ニュース)*

[現場]民主労総イスホ委員長記者会見

全国民主労働組合総連盟(民主労総)は、政府与党が今回の臨時国会で非正規法案処理を強行すれば、1日の臨時代議員大会で暴力事態により処理できなかった社会的交渉案件を21日にあらためて招集する臨時代議員大会に上程しない方針だ。

民主労総のイスホ委員長は3日、ソウル永登浦2街テヨンビルの民主労総会議室で開いた記者会見で、「21日に臨時代議員大会を開いて霧散した案件についての明確な結論を下す」とし、「しかし、非正規職問題も社会的対話の枠組で議論すべきであるということをさまざまな非公式な経路で政府と国会に伝ており、法案処理が強行されれば政府に対話の意志がないとみて対話をすべて廃棄して新しい方針で行く」と話した。

イスホ委員長「責任を痛感…去就問題は21日の臨時代議員大会に上程」

李委員長はまた「韓国社会発展の先鋒で責任を全うしてきた民主労総が、起亜不正連累、代議員大会暴力事態などで国民に深刻な憂慮をさせた点と、公約事項の社会的対話機構推進の件を表決もできない状況が続いている点に対して委員長としての責任を痛感し、去就問題を21日に招集する臨時代議員大会に上程する」と述べ、「臨時代議員大会で去就が最終的に確定するまで、自ら謹慎する姿勢で非正規職労働者闘争現場などで組合員たちと共に悩みを分かちあう『下方活動』をしながら反省する時間をとる」と付け加えた。

李委員長は「委員長として責任を負う形式にしたがうと、あるいは組織をさらに混乱させかねず、まず収拾して安定してから臨時代議員大会の時に責任を再度議論し、その時まで積極的な活動を自制するということ」とし「その期間中、首席副委員長が積極的に責任を持って重要な懸案を処理することになるが、委員長の権限自体を委任したり職務自体を中止するのではない」と話した。

午前11時、1日に開かれた臨時代議員大会が、社会的交渉案件処理に反対する一部の代議員と参観人、大学生の暴力行使で汚されたことの衝撃がまだ去らないかのように、硬い顔で記者会見場に入ってきた李委員長は、カンスンギュ首席副委員長、キムジイェ、シンスンチョル、オギルソン副委員長が左右に同席する中でチユル僧侶に対する話から始めた。

李委員長は「今日は、チユル僧侶が千聖山を守るためのハンスト100日目の日と知っています。命を投げ出してまで正しい道を進もうと努力する、またそれを通してわれわれの共同線を追求して行こうとする、せつないチユル僧侶の姿を見て、そのような闘いに参加にしながら苦痛を分かちあうべき時間に、われわれの内部問題、われわれのさまざまな憂慮される問題をめぐり、このような記者会見をしなければならない民主労総、特に私の心境はとても複雑で息苦しい」と話した。

「偶発的で過激な行動は容認も可能だが、シンナーは準備が必要であり憂慮」

*△民主労総立場発表記者会見。3日、ソウル永登浦の民主労総事務室で開かれた「現時期民主労総の総括立場発表」でイスホ委員長が記者の質問に答えている。(ソウル=連合ニュース)*

続いて李委員長は「しかしこれもまた韓国の社会が出て行かねばならない道に対する私たち民主労総の責任だと考え、この間のさまざまな事態に対し、委員長自身を含みわれわれ民主労総執行部、特にわれわれ役員自身を謙虚に振返り、新しい一歩をさらに力強く踏み出すための足取りとして、この席を用意した」とし、相変らず硬い顔で準備した記者会見文を読み進めた。

この記者会見文の序盤で李委員長は、暴力事態で霧散した臨時代議員大会について「去る1日、一部の参観者たちによる代議員会場占拠乱入事件は、誇らしい民主労総の正統性を自ら否定し、大衆組織活動の基本秩序を傷つける深刻な反組織的行為」と規定し、 「会議の進行を妨害するために暴力をふるったことについては厳重な責任を問わざるをえず、真相調査を実施して労働運動内の非民主的要素を根絶し、組織の健康を回復するためのあらゆる措置をとる」と話した。

しかし、その後の記者との質疑応答でシンナーを撒くなどの暴力を行使したと確認された人々に対する刑事告発について訊ねられたイスホ委員長は、「偶発的で過激な行動は容認し得るが、シンナーはあらかじめ準備しなければならないため、一層深刻な憂慮を持っている」と前置きした後、 「しかしこの問題はわれわれの規約と手続きにより自主的に処理しようとしており、刑事告発は考慮していない」と明確にした。

李委員長はまた、起亜車労働組合幹部の人事不正事件に関して「類似の事件の再発を防ぐために、△不正介入幹部に対する除名を含む厳重な懲戒△幹部行動綱領制定△内部告発センター設置△内部会計監査強化などの制度的装置用意などを推進する」と話した。

記者会見文の朗読のあとの質疑応答で民主労総の起亜車事態関連真相調査対策委員会委員長のカンスンギュ首席副委員長は、「われわれが入手した資料には、光州地域区庁長、労働部勤労監督官など、各級の有力者が介入している。会社が労組幹部が含まれている資料だけを意図的に流したことを考えると、会社側が不正の根本であることが確認された」とし、 「検察の調査を尊重しながらわれわれの調査をさらに強化していく」と話した。

〈ハンギョレ〉社会部キムジョンス記者jsk21@hani.co.kr

[民主労総声明]現状況に対する民主労総の総括的立場

  1. 民主主義は私たち民主労総の存立根拠です

    私たち民主労総は、これまで政権と資本の独裁と反民主的暴挙に対抗して闘争してきました。 2月1日、一部の参観者たちの代議員会場占拠乱入事件は、こうした誇らしい民主労総の正統を自ら否定し大衆組織活動の基本秩序を傷つける深刻な反組織的行為です。

    あらゆる会議は決められた規定により民主的な手続きで進められるべきです。 自分の意見と違うからといって暴力的に議事進行を妨害することは、多数の代議員の権利を剥奪する行為であり容認できない非民主的行為です。 会議の進行を妨害するためにシンナーを撒いて消火器を散布して鉄製椅子を投げ捨てるなどの暴力をふるったことに対しては、厳重な責任を問わざるをえません。 民主労総は、真相調査を実施して労働運動内の非民主的要素を根絶し、組織の健康を回復するあらゆる措置を取ります。

  2. 今回の代議員大会の暴力による霧散に関して民主労総は次のような緊急措置を取る

    第一に、2月4日に中央執行委員会、2月15日に中央委員会を開催し、代議員大会暴行事件に対する真相調査と再発防止策を樹立し、代議員の権利と義務を保障します。 第二に、2月21日に臨時代議員大会を開催して霧散した案件について明らかな結論を下します。 第三に、今回の代議員大会による組織内の摩擦を解消し、全体が大同団結できるよう最善の努力を尽くします。

  3. 政府の非正規法案強行の企みに関して

    政府は継続的に現在の非正規法案を強行処理しようとしています。 はっきり言えば、非正規法案が強行処理されればどんな形式の対話も意味がありません。 民主労総は、強行時は黙過せず断固とした全面ストライキ闘争に突入します。 現在の民主労総の困難な状況を誤認して、反労働者的な政府案を強行しようとすれば、労使政関係の破局を迎えることになることを明らかにします。

  4. 最近表面化した起亜自動車人事不正事件は韓国の労働運動に深刻な反省を要求している

    起亜人事不正事件は、企業の人事採用権を一つの利権として、関連有力機関の個人との癒着の輪として活用した不正事件です。 これに労働組合幹部が職位を利用して利権に介入したことにより、民主労組運動の名誉を深刻に失墜させました。民主労総は再発を防ぐために、

    第一に、このような不正に介入した幹部に対して各該当組織からの除名を含む厳重な懲戒措置を取ることになるはずです。 第二に、幹部行動綱領を制定し、透明で自主的な組合幹部像を確かなものにします。 第三に、内部告発センターを用意して、持続的な監視活動を展開します。 第四に、内部会計監査強化などの制度的装置を組織革新事業として展開します。

  5. 民主労総委員長として責任を痛感し、去就問題を臨時代大に上程する

    民主労総委員長として、これまで韓国社会発展の先頭で歴史的責任を全うして来た民主労総が、起亜不正連累件、代議員大会の暴力事態などで国民に深刻な憂慮をもたらしたことについて責任を痛感しています。 同時に、執行部の公約事項である社会的対話機構推進の件などに対して、まだ表決さえできない状況が続いていることについても執行責任者として自らの責任を問わざるをえません。 再度、国民と組合員同士のみなさんに深く謝罪申し上げます。 私は無限責任を負う機関の委員長として明らかな責任を負うつもりです。 最終的な去就は、現在進められている厳しい状況に対する情勢を考慮して、次期代議員大会で再信任を問い、決定するはずです。

民主労総は、私たち労働者の苦しい闘争の成果であり、私達が守って行くべき大切な資産です。 起亜不正、代議員大会暴力事件などを眺める組合員の憂慮や国民の心配は、決して軽くありません。 いまはあらゆる組合員が団結して民主労総を守り、健康に生まれかわるべき時期です。 最後に、組合員同士のみなさんに訴えます。 現在の困難を新しい発展の機会にしなければなりません。 民主労総の革新を組合員の力で作り出しましょう。 内部の葛藤と暴力を克服してわれわれの団結の武器である民主労総を死守し抜きましょう。

  1. 2.3 全国民主労働組合総連盟

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)

編集2005.02.02(水)20:55

民主労総「暴力後遺症」から抜け出せ

全国民主労働組合総連盟が、内外からの危機を迎えている。 「社会的交渉案件」を処理するために開いた臨時代議員大会が、意思定足数の未達で流会する過程で暴力事態が表面化したためだ。 民主労総代議員大会の暴力事態は、内部の葛藤に終わらない。 起亜自動車光州工場労組の人事採用不正に続き、民主労総に対する外部の否定的な世論は一層強まる展望だ。

いくら「社会的交渉案件」自体が民主労総の進路に重要な争点だったとしても、案件を議論する過程で暴力事態が起きたことは遺憾なことだ。 しかも、単なる壇上占拠に終わらず、消火栓のホースで水をかけたり椅子とシンナー壜を投げたのは、誰がどう言おうとも、起きてはならないことだった。 暴力で汚された大会現場をテレビ放送で見た国民大多数もせつなさを超えて失望したことが明らかだ。

問題は案件をめぐる民主労総の葛藤が容易に治癒する展望が見えないことにある。 暴力事態の責任がだれにあるかをめぐる論争が起きれば、事態はさらに深刻化しかねない。 代議員大会で表決処理を強行しようとしていたイスホ委員長が「辞任背水の陣」まで打ったにもかからわず、流会したことで指導力に損傷をうけたことも、内部葛藤の解決に困難を与える。

だが今、この瞬間に、民主労総執行部と代議員が銘記すべきことは、内部葛藤で力が弱化する時、その余波が単に民主労総組合員だけに限らないという厳然たる事実だ。 既に政府と与党は、民主労総が反対してきた非正規職法案を処理すると公言し、ハンナラ党はさらに強硬に整理解雇要件を緩和する動きまで見せている。 暴力事態に対して2つの党が声を揃えて非難にのり出したことも留意すべき点だ。 「社会的交渉」に賛成しようが反対しようが、急いで暴力事態の後遺症を最小化し、団結すべき理由がここある。

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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