本文の先頭へ
韓国:教員団体-教育部、教員評価協議体構成合意をめぐって
Home 検索

教員団体-教育部、教員評価協議体構成合意

全教組、「協議体構成は全教組闘争の結果で1次的勝利」

チョ・シネ記者shin@jinbo.net

20日、教育人的資源副長官と全国教職員労働組合委員長、韓国教員団体総連合 会長、韓国教員労働組合委員長の教員3団体長は、教員評価試験事業を『学校 教育力向上のための特別協議会』に転換して推進し、そのために特別協議会を 構成することに合意した。

教員評価、原点で再議論

合意案は、「教員評価試験事業に関して、教員の専門性向上と自分啓発を通じ、 学校教育力を向上させようとした当初の趣旨を生かし、『学校教育力向上事業』 に拡大転換、その一環として教員評価制も改善法案も新しく協議する」と明ら かにしている。

また事業の内容、方法、時期などに関しては「特別協議会で十分な議論を経て、 合意案は2学期に優先的に進め、合意されない部分は議論を続ける」と合意した。

協議会は教育部長官、全教組委員長、韓国教総会長、韓国教員労組委員長、正 しい教育父兄会会長、人間教育実現父兄連帯会長、教育発展協議会会長または 全教協代表のうち1人で構成される。

合意書には合意案を用意する時まで教育部が試験学校選定をしないという条項 も含まれている。

全教組、「協議体構成は全教組闘争の結果で1次的勝利」

全教組は合意案に対して勝利的評価を下している。20日、合意案の導出直後に 全教組は『教育部合意内容とその意味』という題名で共同発表文の合意事項が 「これまで一方的に教育部が進めてきた教員評価試験学校運営事業を原点から 再び議論することを意味する」と明らかにした。

全教組は9月の試験実施が事実上撤回された点が合意案の重要な部分と説明す る。合意案の「2学期に優先的に進め、合意されない部分は議論を続ける」と いう部分に対して「教員評価方案に関して、教員団体との合意案を作れれば 試験学校を運営するということで、教育部教員評価方案の9月試験実施は 事実上撤回された」という主張だ。

全教組は、合意案に対する教育宣伝案の中で「われわれの最終目標である教育 部教員評価案の完全な廃棄のためにひとまず強行の意図をくじき、協議の場に 引き出すことも必要な状況だった」と力説、「全教組は教育部の提案に対して 『教育部方針の実質的な撤回と原点からの再議論』を要求条件として交渉、 合意を引き出した」と伝えた。

また、今回の協議体構成合意が「今後の教員評価の完全な阻止はもちろん教育 環境改善昇進制度の改革など、われわれの代案を貫徹させる踏み台を用意した という点で上半期闘争の結実であり、1次的な勝利」と主張した。

2005年06月22日11時45分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


「協議体参加は教員評価を受け入れる危険がある」

全教組の協議体合意決定に苦言続出

チョ・シネ記者shin@jinbo.net

全教組が教育部と『学校教育力向上のための特別協議会』の構成に合意した後、 全教組執行部の決定に対する批判の声が続いている。

協議体の構成は、教育部の教員評価案を撤回して原点から議論をしなおすため という執行部の勝利的な解釈にもかかわらず、協議体への参加に対する反発は 容易に収まりそうもない。特に、全教組内部でも教員評価そのものに対するさ まざまな視点が存在する状況で、今回の協議体参加決定を契機として教員評価 をめぐる内部の論議が表面化する可能性もあるという展望だ。

中執内部でも「協議体参加はだめだ」の声

イ・スイル委員長が教育部と交渉に入ったのは、二度にわたる中央執行委員会 の会議の末の決定だった。8日、中執は教育部との交渉の方針を明らかにした 後、17日に教育部と『学校教育力向上試験事業に合意した部分は、2学期に優 先的に実施』まで合意された状況で、18日の中執は、△2学期優先推進の削除、 △教育部長官との仮合意は中執委員の共同責任で委員長に委任、△仮合意案は 全教組の基本要求案以上で妥結、△仮合意案は7月15日の前に全国代議員大会を 委員長が招集して決めるなどを含む改善案を決めた。

中央執行委員会でも、全員一致で協議体参加が決定されたわけではない。大田、 忠北、蔚山、江原の4支部では、協議体への参加そのものに反対したと言う。 教員評価実施を前提とする協議体への参加は、教員評価の受け入れつながると し、反対し続けてきたが、立場を貫徹させられなかった。

4支部は次善の策として2学期の優先実施を防ぐことと、仮合意案を全国代議員 大会で付議する内容などを含む改善案を中執に提示し、これを受け入れた結果 が、前述の四条項に整理された。

ソングァンジン大田支部長、「相変らず立場は協議反対、委任状に委任したので..」

ソングァンジン全教組大田支部長は「われわれは協議体への参加に反対してお り、教員評価の実施を前提とする協議体への参加はできないと問題提起し続け てきた」と話した。協議体で教員評価を原点から再議論するというものの、教 育部は教員評価の実施を前提として入ってくる状況で、協議自体が問題になり かねないという立場だ。

ソングァンジン支部長は「教員評価自体を原点から議論しなおし、公教育強化 のための新しい代案を探してみようということ」と話し、「実施を前提に入っ てくる教育部との協議体は同床異夢」と指摘した。続いて「協議体で全教組の 立場をどのように貫徹させるかは、委任状に委任したので見守らなければなら ない」とし、「とにかく代議員大会で意見が集められること」と伝えた。

「評価を受け入れて試験を実施するという意志としか思えない」

全教組のホームページ掲示板には、20日に『チョン先生』という名前で「本部 が教員評価を受け入れると、これ以上の分会活動は難しい」という文が載せら れた。

この組合員は「この前の代議員大会を経て通過した闘争方向はどうなるのですか? 中執で代議員大会の決定をひっくり返すこともできるのですか?」と問いかけ、 「本部は熱心に会見の結果を美化して縮小しようとしているが、評価を受け入れ て試験を実施をするという意志以外に考えられません」と主張した。また、 「どんな形であれ、本部が教員評価を受け入れればもうこれ以上、現場での 分会活動は不可能」とし、「本部は現場で感じている危機意識を正しく把握して 行動して下さればと思います」と伝えた。

*当初教員評価阻止のために教総と一緒に開くことにした625教員総決起大会は協議体構成が決定されて、私学法改正、標準授業時数法制化を共同基調で掲げた。*

イミンスク代議員、「教育部に殴られたのか」

イミンスク全教組代議員は「合意文に対する批判的分析が必要」とし、「協議 体に入った時に憂慮される部分を明確に共有する必要がある」と指摘した。

イミンスク代議員は5月3日、教育部の一方的公聴会を防ぐために壇上に上がり、 特殊公務執行妨害罪で鍾路署に呼び出されたことがある。

イミンスク代議員は「代議員大会も協議体をするかどうかではなく、教員評価 阻止闘争の現在、今後の課題を議論する場にしなければならない」と明らかに した。また「5月14日、臨時代議員大会でこれからさらに強い闘争を準備しよ うと決議したが、こんな形の協議体参加をどう考えるべきなのか」と話した。 また「教員評価は新自由主義教育改革の文脈の中に位置しており、構造調整と 認識しなければならない」と伝え、「したがって、教員評価阻止闘争は反新自 由主義闘争にしていくべきだ」と声を高めた。

イミンスク代議員は続いて「われわれが教育部に何度か殴られたわけでもない が、代議員のひとりとして今回の中執決定と、さらに盧武鉉政権に対してまだ 持っている未練を正面から批判すべきかもしれない」と明らかにした。

宋ウォンジェ分会長、「交渉を進めながらの大衆闘争は事実上不可能」

ソウル空港高全教組の宋ウォンジェ分会長は「NEISでは、当時、人権委の決定 もあり、世論もわれわれを支持し、協議体を設置し、ようやく合意をしていま したが、今は父兄たちも全教組側ではなく、国民世論も良くない状況」と指摘 した。

「こういう状況で協議体を通じ、教員評価を完全に防げるかも知れない」と明 らかにした宋ウォンジェ分会長は、「ある程度の条件付きで受け入れることに なる危険があり、憂慮の恐れがある」と伝えた。また、「執行部は、組合員か らの教員評価に関する意見を取りまとめたことがない」とし、「協議体を設け れば、どんな内容で、どんな水準で教員評価を作り、受け入れるのか、一度も 話されていないという事実が問題」と批判した。

宋ウォンジェ分会長は「交渉をしながら大衆闘争を活用するというが、実際に 全国の組合員が交渉に力を貸すためにソウルに上がってくるというのは話にな らない」とし、「大衆闘争が行われてその力を土台に交渉が形成されることは あっても、テーブルを作っておいて外で大衆闘争をするのは事実上不可能だ」 と指摘した。

*5月28日教員評価阻止のための全教組分会長大会 全教組ホームページより*

進歩教育研究所崔ムンギョン、「上層中心の運動秩序指向してはならない」

崔ムンギョン進歩教育研究所事務局長は教員評価を新自由主義構造調整、 労働柔軟化の中で把握しなければと断言する。 「教育部の教員評価実施は、非正規ロードマップと無関係ではないと思う」と 言う崔ムンギョン事務局長は、「新自由主義労働柔軟化、構造調整の一環として 教員評価を見なければならない」と明らかにした。

崔ムンギョン事務局長は、今回の全教組執行部の協議体参加が上層中心の運動 になることを憂慮した。彼は「戦術的に協議体に参加することもできるが、今 回の決定は去る臨時大会の決定をひっくり返す、非民主的決定であったという 点が深刻な問題」と指摘した。崔ムンギョン事務局長によれば、協議体に入る ことを決定する中執会議は、当初非公開が予定されていたという。参観も封じ 込めようとしたという話だ。

続いて彼は「大衆闘争が活性化し、威力的に展開され、それの結果としてでは なく、上層中心の協議体が作られると、その協議体の結果が大衆闘争を従属さ せる形になる」と批判し、「非正規法に関して民主労総もそうだったし、今回 の全教組も同じだ。上層中心の運動秩序を指向している点が何よりも深刻な問題」 と伝えた。

全教組の協議体参加は現在仮合意案であり、7月15日予定の全教組代議員大会 で議論されることになっており、行方が注目される。

2005年06月22日14時13分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2005-06-22 18:33:57 / Last modified on 2005-09-05 05:16:00 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について