通報で葬儀手続きに介入する大韓民国警察、なぜ?
サムスン電子サービス労組、「警察が骨壷まで奪取、サムスンのため」
チョン・ジェウン記者 2014.05.21 10:55
サムスン電子サービス労組のヨム・ホソク分会長の葬儀手続きに関し、
遺族、労組などの当事者間の合意がない状況で、
第三者である警察力投入に対する批判と疑惑が起きている。
慶南警察庁は5月20日、
サムスンサービスのヨム・ホソク労組分会長の火葬手続きを進めていた慶南道密陽の公設火葬場に4中隊約350人の警察力を投入した。
労組は「ヨム分会長の『遺体奪取』に続いて骨壷まで持ち出したのはサムスンのため」とし、
警察力の乱用を正面から批判した。
一方警察は「通報が入ってきたので刑法により執行し、警察力を投入した」と明らかにしたが、
この法的根拠にも議論がある。
警察、「民法を確かめるべきだが葬儀妨害などの刑法に違反」
「刑法は適用できない...私的葬儀手続きに警察が割り込んだ」
警察の関係者は電話通話で
「密陽公設火葬場の職員が午前11時55分に二回、警察に通報し、
12時2分にパトロールカー二台が現場に到着した」とし
「ヨム分会長の父親の保護要請で、密陽送電塔事件で待機していた警察力を投入した」と話した。
この関係者は
「警察が骨壷を奪取したのではなく、父親が骨壷を持って出られるようにした」とし
「民法では調べてみなければわからないが、
刑法158条の葬儀などの妨害、刑法161条の死体などの領得に関する現行法違反で兵力を投入した」と明らかにした。
[出処:サムスン電子サービス支会]
だが今回の事件は刑事法ではなく、民事法の領域で裁判所が判断する部分だが、
警察が恣意的に判断して「私的な葬儀手続きに割り込んだ」と批判されている。
警察が事件に介入する法的な資格がないという主張も出ている。
民主弁護士会のリュ・ハギョン弁護士は
「祭事の主催者はヨム分会長の共同相続人である父親と母親、
葬儀手続きを委任された労組が協議して決めなければならない」とし
「当事者らが法的に協議を始めた段階での事件で、警察は割り込めない」と明らかにした。
リュ・ハギョン弁護士は
「酒を飲んで争いになって、警察への通報で出動した警察も仲裁手順を踏む」とし
「だが警察は当事者間の合意が必要な私的葬儀手続きに割り込み、
仲裁どころか大規模な兵力を投入してペッパースプレーまで撃つなどの人権侵害まで行い、
介入した」と批判した。
また彼は「労組に葬儀手続きを委任するという故人の遺書と遺族の委任状の内容は明白で、
今回の事件は葬儀妨害、死体領得などの刑法も適用できない」とし
「刑法を適用するなら、犯罪行為の故意性が前提にならなければならないから」と説明した。
全国金属労組サムスン電子サービス支会幹部のイ某氏は
「ヨム分会長の同僚と母親が火葬場に行って、故人の『遺書内容を守らなければならない』として葬儀を引き止めて、
葬儀手続きに母親を立ち会わせろと要求したことが、なぜ犯罪行為なのか常識的に理解ができない」と批判した。
続いてイ氏は
「故人の母親に立会わせず、母親と組合員にペッパースプレーを撃って骨壷を持ち出したのは警察だ」と強調した。
釈然としない兵力投入情況…8件の通報の内容は?
「目的意識的な作戦で行われた公権力乱用」
事件の情況を調べても、密陽公設火葬場に警察兵力を投入した過程は釈然としない。
慶南警察庁によれば、今回の事件に関して、合計8件の112通報があった。
警察の関係者は「火葬場の職員が11時55分に『労組員が骨壷に近づけないようにしている』、
『遺骨を奪うため労組20人がきた』という内容で112に二回通報したのを始め、
12時48分までに合計8回の112通報を受け付けた」と話した。
この関係者は続いて
「労組と母親も112に通報した」とし
「性別と国籍しか記録されていないので正確な状況は分からないが、
労組と母親側から合計4回112に通報したものと推定している」と明らかにした。
だが現場にいた組合員たちは
「ヨム分会長の母親が112に通報しても、警察は双方の立場を聞くためには一度も仲裁しなかった」とし
「警察投入要請の事実だけを父親に何回か聞いて、すぐ兵力を投入した」と主張した。
また警察が「父親が二回、兵力投入を要請したが要請した時間はわからない。
これにより午後1時頃に4中隊を投入した」と明らかにしたが、
組合員たちは「午後12時頃からすでに警察兵力が配置されていた」と事前配置の疑惑を提起した。
組合員たち主張のとおりなら、11時55分に受付られた112の最初の通報から5分で公設火葬場に兵力を配置したことになる。
ソウル警察庁と江南警察署などは5月18日の遺体奪取議論の時に112通報から10分で警察兵力を投入したと明らかにしていた。
[出処:サムスン電子サービス支会]
火葬場の職員が通報した11時55分には、組合員20人と遺族だけが現場にいて、
兵力4中隊を緊急に配置する状況だったのかも疑問だ。
民主労総釜山本部、サムスン電子サービス支会など複数の労組関係者らによれば、
双方の対立が増幅した頃は、父親が釜山杏林病院から密陽公設火葬場に到着した午後1時頃だ。
このような状況だったため、
組合員たちは「警察とサムスンのいかさま博打」とし
「病気の李健煕(イ・ゴニ)会長の気を悪くするかと思って警察が無理をしているのではないか」と吐露した。
リュ・ハギョン弁護士は
「警察の遺体奪取と骨壷奪取介入事件などは目的意識的な作戦で行われた公権力乱用だ」とし
「警察は私的な葬儀手続きに暴力介入し、物理的な衝突を起こして事態を悪化させた」と批判した。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
Created byStaff.
Created on 2014-05-22 02:01:15 / Last modified on 2014-05-22 02:01:16 Copyright:
Default