サムスン職業病被害者37人、「パノルリム要求案」支持表明
「パノルリム要求案を積極的に支持…サムスン、対話の本質に忠実に」
ユン・ジヨン記者 2014.10.19 16:35
サムスン職業病被害者37人が
「半導体労働者の健康と権利を守る会(パノルリム)」が昨年サムスンに提示した交渉要求案を支持する意志を表明した。
サムスン-パノルリム-家族対策委が参加するサムスン職業病問題の解決交渉で、
サムスン-家対委の「調停委員会」合意により、
パノルリムの交渉要求案が議論から排除されているという憂慮によるものだ。
[出処:チャムセサン資料写真]
パノルリム交渉団に参加する職業病被害者家族のファン・サンギ、キム・シニョ氏をはじめ、
被害当事者と遺族37人は10月19日、
「われわれはサムスンに要求します」という要求を発表し、
パノルリムの交渉要求を支持する意志を明らかにした。
彼らは立場表明を通じ、サムスンの心からの謝罪と幅広い補償、
再発防止対策用意などを要求した。
営業秘密という理由で公開しなかった化学物質情報の公開など、
被害者の知る権利を保障すべきだという要求もあった。
被害者たちは
「特に根拠もないのに、みだりに被害者を補償から排除するのではないかと心配になる。
交渉の場に出てきた人々から補償する根拠は何か。
交渉の場に出ることができない程、くるしい境遇の人々の補償は後で決めてもいいという根拠はあるのか」とし
「サムスンで働いて病気にかかった人々、
特にガンや稀貴難治性疾患になって大きな苦痛をあじわってきた人々すべてに幅広く補償しろ」と明らかにした。
続いて「われわれはパノルリムが出した再発防止対策要求案の
『サムスン工場の安全保健状態についての総合診断を受けること、
今後もきちんと安全保健管理がされているのかを外部監査する制度を用意しろ』という内容を積極的に支持する」とし
「この場合、徹底して独立した公正な人々、そして透明性が保障されるようにしなければならないのは基本」と強調した。
また「サムスンは、どうすることが被害者のために最善を尽くすことなのか、
基本に帰って考えろ」とし
「ぜひ痛みを忘れず、傷を癒やす『対話の本質』に忠実であることを望む」と要求した。
今回の意志表明に参加した人の中で労災を申請した被害者は27人、
残る10人は10月28日に追加で労災申請をする予定だ。
なおパノルリムは昨年の12月17日、
「サムスン職業病対策用意のための要求」をサムスン側に提示した。
この要求には、△公開謝罪、△情報公開と知る権利の保障、△総合診断の実施、
△化学物質安全保健委員会の設置、△外部監査の実施、
△安全保健に対する労働者の実質的な参加権の保障、
△労災申請者全員に被害補償、
△退職者ガン支援制度改善の内容が含まれている。
その後、サムスンはパノルリムの要求に対して具体的な立場表明を出していないが、
8月の6次交渉で6項目で構成された補償基準を提示した。
だが一部の被害者と家族がパノルリムから離脱して家対委を構成し、
10月8日にサムスン-家対委が「調停委員会の構成」に合意したため、
パノルリムの要求についての議論は行われていない。
パノルリムは調停委員会の構成に反対し、8日の交渉から退場した。
われわれはサムスンに要求します
サムスン電子工場で働いた後、病気にかかった人々の話を聞きました。
若さの真中でガンや珍しい難治性疾患にかかり、
愛する人々と別れて人生の青い夢をあきらめ、息をひきとった人々。
命は取り留めても、いつ終わるかも知れない病魔との戦いに苦しむ人々。
そして悟りました。
彼らの話はまさに私たちの話だということを。
そのため、われわれはサムスン電子から約束を受けたいと思います。
一、心を込めて謝罪してください。
労働者たちの病気は、
もしかすると工場で使っていた化学物質と放射線のためではないのか、
会社も心配になりませんか?
生産に忙しいという理由で一度も安全保健教育をきちんとしなかったこと、
安全規則遵守は作っても、実際にそれを守れないほど作業速度を上げたことが良心にひっかかっていませんか?
真相究明と再発防止を要求する被害者の口を金で塞ごうとしたことが
恥ずかしくありませんか?
心を込めて謝罪してください。
問題があったことを認め、責任を認めることは、
成熟を示すことです。
二、補償をする時、被害者をみだりに分断しないで下さい。
サムスンがこんな話をしました。
「労災申請をしたという理由だけで、誰にでも補償することはできない。」
特に根拠もなく補償することはできないではないかという心配だと聞こえました。
しかしわれわれには正反対が心配です。
特に根拠もないのに、みだりに被害者を補償から排除するのではないかと心配です。
交渉場に直接出てきた人から先に補償するという根拠は何ですか?
交渉場に出て行けないほど苦しい境遇の人の補償は後で決めてもかいいという根拠はありますか?
われわれはサムスンが被害者にきちんと補償することを望みます。
労災申請をしたという理由ではなく、
サムスンで働いて病気にかかったから補償することを望みます。
特定の病気ではないという理由でみだりに排除せず、
直営職員ではなかったという理由で、
特定の業務を遂行していないという理由で、
特定の時期に働いていなかったという理由で、
その他もろもろの理由でみだりに補償から排除するのではなく。
サムスンで働いて病気にかかった人たち、
特にガンや珍しい難治性疾患にかかって大きな苦痛をあじわってきた人々すべてに幅広く補償することを望みます。
三、私たちの知る権利を侵害しないで下さい。
工場に保管していたり使っている化学物質の情報を見せてほしいと言っても、営業秘密だといいます。
政府の機関などの外部が工場を調べた内容も、営業秘密だから見せられないといいます。
その上、どの工程にどんな保護具を支給したのかの資料も営業秘密だから、誰にも知らせられないといいます。
前に資料ぐらいは見せてくれと言ったところ、ないとしか言いません。
なぜ私が病気になったのか、なぜ愛する家族が死んでいったのか、
これからこんな苦痛が二度と起きないようにしたければ、
どうすればいいのか、本当にわれわれは知りたいのです。
我が家の近くのサムスンの工場にどんな種類の爆発物がどれほど保管されているのか、
そんな情報も透明に公開するべきです。
われわれはサムスンがこうした情報を透明に公開し、
後でこの情報が必要になるすべての人にありのままに提供するように願います。
そして、各工場の近隣地域の住民にとっても安全な町を作る権利を積極的に保障するように願います。
四、再び悲劇が発生しないように、徹底的に再発防止対策を用意してください。
われわれはパノルリムが出した再発防止対策要求案の
「サムスン工場の安全保健状態を総合診断を受けること、
今後もきちんと安全保健管理されているか外部監査の制度を用意しろ」という内容を積極的に支持します。
この場合、会社の顔色をうかがうことがない徹底して独立的で公正な人々で、
そして透明性が保障されるようにしなければならないのは基本です。
したがってわれわれは、サムスンが利害当事者の参加、
第三者の参加など、グローバル企業らしくもう少し基本に忠実であることを要求します。
そして国際社会でこれ以上の悲劇が発生しないように再発防止対策を用意することを要求します。
五、サムスンはどうすることが被害者たちのために最善を尽くすことなのか、
基本に帰って考えてください。
私たちが自分たちのつらい過去を暴いてまで、
真実を糾明しようとしたのは、サムスンの長い沈黙により受けた傷のためでもありますが、
すでに謝罪も受け、補償も受けたではないかという社会の冷たい無関心のためです。
ぜひ痛みを忘れず、傷をいやす「対話の本質」に忠実にしてください。
- ファン・サンギ(サムスン電子半導体器興工場、白血病死亡者故ファン・ユミ父)
- キム・シニョ(サムスン電子半導体器興工場、脳腫瘍被害者ハン・ヘギョン母)
- カン・ボンシン(サムスン電子半導体器興工場、白血病死亡者故キム・ギョンミ夫)
- キム・ギヨン(サムスン電子半導体器興工場、ウェゲナー肉芽腫、腎臓ガン被害者)
- シン○ヨン(サムスン電子半導体器興工場、乳ガン被害者シン○○姉)
- カン・ドゴン(サムスン電子半導体器興工場、乳ガン死亡者故キム・ドウン夫)
- イ○○ (サムスン電子半導体器興工場、脳腫瘍被害者オ○○妻)
- イ・ヒジン(サムスン電子LCD天安工場、多発性硬化症被害者)
- ○○○ (サムスン電子半導体器興工場、多発性硬化症被害者)
- キム・ミソン(サムスン電子LCD器興工場、多発性硬化症被害者)
- イ・ユンジュ(サムスン電子半導体温陽工場、卵巣ガン死亡者故イ・ウンジュ兄)
- キム・ジスク(サムスン電子半導体温陽工場、再生不良性貧血被害者)
- シン・ブジョン(サムスン電子LCD天安工場、再生不良性貧血死亡者故ユン・スルギ母)
- パク○○ (サムスン電子半導体器興工場、悪性リンパ腫死亡者故朴ヒョスン姉)
- イ○○ (サムスン電子半導体器興/華城、肺ガン死亡者故イ○○妻)
- キム・ギチョル(サムスン電子半導体華城工場内協力業者、白血病被害者)
- ソン・ソンベ(サムスン電子半導体器興工場内協力業者、白血病死亡者故ソン・ギョンジュ息子)
- イ・ヨンジュ(サムスン電子LCD天安工場、肺ガン被害者イ・ジヘ父)
- ヤン○○ (サムスン電子半導体富川器興、LCD天安、肺ガン死亡者故ソン○○妻)
- イ・ヒョンベ(サムスン電子半導体器興工場、乳ガン、子宮内膜症被害者イ・ヒョン兄)
- ○○○ (サムスン電子半導体器興工場、2010年白血病被害者)
- イ○○ (サムスン電子半導体温陽工場、脳腫瘍被害者)
- イ・ソンオク(サムスン電子半導体器興工場、甲状腺ガン被害者)
- パク・ミンスク(サムスン電子半導体器興工場、乳ガン被害者)
- キム○○ (サムスン電子半導体器興/華城、絨毛ガン被害者)
- キム○○ (サムスン電子半導体器興工場、乳ガン被害者)
- チョ○○ (サムスン電子LCD天安工場、乳ガン被害者)
- キム・ソニ(サムスン電子半導体温陽工場、白血病死亡者故イ・ボム妻)
- キム・ユンジョン(サムスン電子LCD天安工場、慢性骨髄性白血病被害者)
- ○○ (サムスン電子半導体器興工場内協力業者、急性腎不全症被害者)
- アン○○ (サムスン電子LCD器興工場、慢性骨髄性白血病被害者)
- キム○○ (サムスン電子LCD天安工場、慢性腎不全症被害者)
- ファン○○ (サムスン電子半導体華城工場内協力業者、皮膚癌被害者)
- パク・ウォニ(サムスン電子半導体富川工場、ルプス被害者)
- キム・ウンスク(サムスン電子半導体器興/温陽、甲状腺ガン、脳髄膜炎被害者)
- キム・ミオク(サムスン電子半導体温陽工場、乳ガン被害者)
- イ・ヘジョン(サムスン電子半導体器興工場、全身性硬化症被害者)
以上37人被害者家族一同
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
Created byStaff.
Created on 2014-10-20 17:26:21 / Last modified on 2014-10-20 17:26:22 Copyright:
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