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韓国:客観性と公正性を失ったサムスン白血病疫学調査
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客観性と公正性を失ったサムスン白血病疫学調査

[寄稿]当事者と代理人の参加を認めろ

キム・ミノ(パノルリム支援労務士の会) 2015.06.23 10:38

業務上の病気(労災)の立証責任が労働者側にあるのは不当だという指摘は、 サムスン白血病問題が知らされた7年前からあった。 しかし法は今も変わらない。 しかも会社はこの証明に必要な情報を営業上の秘密を理由に非公開とし、 労働部も同じ理由で情報を提供しないため、 さらに労災認定が難しいという点も以前から指摘されているが相変らず旧態を脱することができない。

こうしたうんざりする現実に加え、 最近、パノルリムの労災申請事件に関する疫学調査(専門調査)から 申請人の参加権を剥奪し、大きな問題になっている。

申請人(代理人)の現場訪問を妨害するサムスンの「反則」

サムスンはこれまで疫学調査の時、申請人(災害当事者および遺族)の現場訪問は認め、 その代理人の参加は認めてこなかった。 サムスンは現行法(産業安全保健法)に「疫学調査時保険加入者(事業主)と勤労者代表の参加保障だけが明示」されているが、 労災申請者の参加保障については明文の規定がないという理由で代理人の参加を排除してきた。 産業安全保健研究院は、事業主が認めないという理由で仕方がないという態度を取ってきたのだ。 これは代理権侵害行為だ。

筆者がこの10年間、職業病事件を代理して疫学調査をした時、 現場訪問ができなかったのは最近、MERSで国民を不安に陥れている「サムスン」だけだ。 筆者は2008年から今まで、パノルリムに情報提供されたサムスン白血病などの職業病事件を代理しているが、サムスンに行ったことはない。 筆者と一緒に「パノルリム支援労務士の会(以下、パンジモ)」で活動する他の労務士も同じだ。

サムスン、労災申請当事者さえ出入不許可

こうした中、最近サムスン側は、筆者が代理しているサムスン白血病被害労働者のキム某氏(サムスンデフレイ(株)天安事業場退職者)の疫学調査の過程で、 代理人はもちろん、当事者本人の事業場訪問まで妨害した。 サムスンのこうした措置は、労働災害補償保険法第116条(事業主の助力)違反の次元を越え、 申請人の法律上の立証責任を顕著に妨害するもので、明らかな労災請求権侵害行為に該当する。

疫学調査の過程に申請人の参加が排除されると事業主が作業環境を操作しても、 研究院は働いた経験がないので分からない。 疫学調査に申請人(代理人)が参加することで、 作業環境がその通りなのか、変わったとすればどう変わったかを研究院に説明することができる。

勤労福祉公団の嘘、政府のサムスン肩入れ

勤労福祉公団は今年4月、国会環境労働委の該当事案の質問に対し、 「現場調査と疫学調査をする時、申請人または代理人に調査日時と場所、調査方法などをあらかじめ知らせ、参加できるようにしている」と答えた。 しかしこのような回答は明白な嘘だ。 少なくともサムスン事件に対しては。

サムスンの前に立つだけでなぜ政府は小さくなるのか?

セウォル号とMERS事態を契機に登場した「国民の安全を守れない政府」という汚名は、 2007年に初めてサムスン白血病事件が世の中に暴露された時から予想されたことだった。

雇用労働部は、サムスン白血病などの労災申請人がサムスンの 「作業環境測定結果報告書」を公開するよう提起した情報公開請求を 「営業上の秘密」を理由に常に非公開にする。 労務士として10年間多く労災申請代理業務を遂行したが、 筆者が作業環境測定結果報告書を公開されないのはサムスンが初めてだ。

これだけではない。 2007年から今まで8年間、多くのサムスンの労働者たちが健康と命を失い、 大きな社会的波紋を起こしているのに、 産業安全監督機能を担当する雇用労働部はサムスンの 「一般健康診断結果票(産業安全保健法施行規則別紙第22号(1)書式)」さえ確保しない。 一般健康診断結果票には、健康診断現況、病気有所見者現況、事後管理現況など、 産業安全監督に一番基礎的な事業場情報が含まれている。

勤労福祉公団は、療養業務処理規定まで改正した。 労災事件の調査過程に申請人と代理人が参加権を保障しているのかという国会環境労働委の質問に、保障しているという回答資料も提出した。 それでもサムスン白血病労災事件だけはこれを実践に移せない。 サムスンが「治外法権地帯」なのだろうか?

疫学調査機関も同じだ。 勤労福祉公団は「韓国産業安全保健公団傘下韓国産業安全保健研究院」にサムスン職業病事件に対する疫学調査を依頼している。 この疫学調査機関は、疫学調査に参加する申請人側の法的権利を遮るサムスンを制裁するどころか、そのまま疫学調査を強行している。 サムスンが申請人側の現場訪問を遮る理由について文書で提出させ、 疫学調査に参加させることができないことを公式に通知してくれという申請人側の要求も、 サムスンが文書での回答を敬遠しているという理由で聞かせてくれない。

ここまでくれば、政府が法で保障された申請人の労災請求権と代理人の代理権をサムスン関係者の一言で、 あまりにも簡単に放棄させているといっても言い過ぎではない。 国民の安全より企業の安全の方を優先視する政府は、誰のための政府か? わが政府は今もサムスンだを参加させて中途半端なでたらめ疫学調査を進めているのだ。

結局、筆者は最近、サムスン白血病労災申請人のキム氏と相談し、 勤労福祉公団と韓国産業安全保健研究院に申請人と代理人の参加を排除して進められる 中途半端なでたらめ疫学調査を中断しろという内容の文書を送るほかはなかった。

法律に申請人と代理人の労災事件調査過程参加権を明確に規定せよ

労災事件の調査過程で、特に現場調査過程での申請人と代理人の参加権保障は、 何の実効性もない勤労福祉公団の内部規定(療養業務処理規定)で規律する事案ではない。 産業安全保健法、労働災害補償保険法、公人労務士法などの関連法令を改正し、 申請人と代理人の法的権利を明確に規定しなければならない。 災害者の権利を妨害するサムスンと、これを傍観する政府の労災行政が国政監査で深く議論され、 法律改正につながることを期待する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-06-24 11:57:07 / Last modified on 2015-06-24 11:57:08 Copyright: Default

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