韓国:サムスン電子の李在鎔副会長結審公判の日に起きたこと | |
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サムスン電子の李在鎔副会長結審公判の日に起きたこと[連続寄稿]サムスンが変わらなければ犯罪は繰り返される(4)
イ・サンス(パノルリム常任活動家) 2017.08.10 12:56
[筆者注]サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の弁論終結が8月7日に予定されている。 弁論が終結すれば8月末頃に1審の宣告が出るものと展望される。 李在鎔副会長の裁判は歴代のサムスン総帥のうち唯一拘束された状態で受ける裁判で、 これまでサムスンが行った犯罪を審判する象徴的な裁判でもある。 だが、裁判の中で李在鎔無罪論や、処罰否定論がまた首をもたげている。 そのため「サムスン労働人権守備隊」と「半導体労働者の健康と権利を守る会」は、 李在鎔をきちんと処罰することがなぜ必要なのかを連続寄稿で読者に知らせようと思う。 連載は4回に分けて、プレシアン、チャムセサン、メディアオヌル、OhmyNewsに共同で掲載される。 [連載順序] 「結局傍聴できなくなったのも、 絶えずあの悪態と暴言をあびせる親朴おばあさん・おじいさんも、 みんなサムスンがしたんじゃないの?」 もちろん確実な証拠はない。 サムスンがこれらすべての背後にいるらしいという根拠ない疑いには。 しかし、長い間、サムスンと対立してきた人には分かる。 サムスンにできないことはほとんどないということを。 法的、道徳的に問題になることであっても。 そして、何でも思い通りにできる力によってということも。 理由もなくサムスン共和国という言葉が生まれたのだろうか? 考えれば考えるほど、昨日の李在鎔(イ・ジェヨン)結審公判の日に起きた色々な出来事は自然ではない。 私たちが体験した仕事を記録しておかなければならないようだ。 サムスン職員の席先行獲得▲李在鎔結審公判の前夜、裁判所の外で傍聴待機中の前サムスン未来戦略室職員[出処]パノルリム 結審の前日、夕刻に記事が流れた。 李在鎔裁判の傍聴の熱気が熱く、すでに人々が並んでおり、 一般市民を対象に配分された座席数を越えたのでもう締め切られたと。 それでも最後の裁判なので、ただ諦めることはできない。 近所にいる同僚一人が先に到着して、状況を知らせる。 「中壮年男性4人と高齢女性4人だけがいて、 カバンだけがずらっと並んでいる状況だが、 ポスト・イットに番号を書いて貼り付けています」。 「男性四人が席をはずしたので何だろうと思ったら、 JTBCがカメラ持ってきたようです。 後にいたおばあさんたちがJTBCだ、と大声を上げました。 すごい悪口を浴びせられてJTBCは行きました…」。 「たった今、何人かさらに男性がきたのですが、おばあさんたちと親しいですね。 JTBCを追い出したとおばあさんたちがどっと笑って誇るかのように嬉しそうです。 ポスト・イットを配る人にも挨拶をして、みんな親しい人々のようで...」 ポスト・イットを配っていた人は前サムスン未来戦略室職員だ。 この日、夜を明かしたサムスン職員の中には前未来戦略室広報チームにいた ユン・ジョンドク常務もいた。 本来、311号の中法廷は、傍聴席が102席だが、40席は記者に、30席は被告側、つまりサムスンに、そして残る32席が一般市民に配分されるという。 あまりたくさんサムスンに配分しているのも問題なのに、 一般市民のためのわずかな傍聴席までサムスンの職員が占有するため、 前日から並ぶのはやり過ぎではないか? 本来、傍聴券は西館2階5番出入口で配付すると裁判所が公示していて、いつもそうしてきたが、 サムスンの職員が法的権限もなく建物の外で任意に番号票を配るのはおかしくないか? 未来戦略室解体?去る2月28日、サムスンは刷新策だとして未来戦略室を解体すると大々的に発表した。 報道によれば未来戦略室コミュニケーションチームで働いたユン・ジョンドク常務は、 サムスン電子コミュニケーションチームに所属が変わった。 この人は実は李在鎔(イ・ジェヨン)裁判を傍聴しに行くと一番良く見かけるサムスン側人物の一人だ。 ユン・ジョンドク常務が主にいる所は法廷ではなく1階の喫茶店だ。 普通、そこでコミュニケーションチームの職員や記者と話す。 記者とはみんなとても親密であるように見える。 午前に裁判が終われば昼食を、午後に裁判が終われば会食のような夕食を記者と一緒に食べるという。 請願書を提出する記者会見のために裁判所にいる記者に取材要請書を配っていると、 ある記者が痛ましかったのか、静かに話しかける。 「あとでサムスンと食事をしに行く記者たちなんですよ。 あまりがんばらないでください。 ちゃんと書いてもデスクでみんなボツにされます」。 「根拠もなく起訴した」などで特検を非難して、サムスンを弁護する記者は、こうした努力なく自然に生まれるのではないだろう。 喜んで食べる記者もいるだろうが、会社の顔色をうかがってやむを得ずサムスンに食事の接待を受ける記者もいるはずなのに。 時事INで報道された張忠基(チャン・チュンギ)の携帯メッセージ等を見ると、 「ちゃんと記事を書いてもデスクでみんなボツにされる」と言って恐縮していた記者の言葉は、軽い言葉でないということが分かる。 報道機関の高位幹部があれほど畏まる行儀正しく対する張忠基社長に対し、 われわれはなぜあんなに大声を張りあげたのか。 『サムスン職業病解決しろ』と、『いつまで知らないふりをするのか』と。 昨日今日、一日中聞いているあのおばあさん、おじいさんの悪態は、 私たちみんながサムスン社長団に無礼だったためだろう。 「サムスンは配当された席も多いが、職員を動員して一般市民のための傍聴席までこうして先行獲得して良いのか」とサムスンのユン常務に問い詰めに行った。 傍聴の列に座って携帯電話を一生懸命打って報告しなければならなず、忙しいという。 いったいこの人は誰にこんなに忙しく報告をするのか? まさか退任したという張忠基前社長ではないだろう。 水原のサムスン電子本社に? 未来戦略室を解体すると言った時、誰が信じるかと思ったが、空気も読まずとことん行くのではないのか? 夜を明かして李在鎔裁判の傍聴券を得ることが、 なぜサムスン電子コミュニケーションチームの業務なのか、私だけが理解できないのか? 今、李在鎔がタダでサムスンを世襲しようと会社の金数百億を横領し、 賄賂を渡した容疑で裁判を受けているのに、 会社の金を盗み出したことがくやしくて、必ず処罰されるようにしようとしているのか? 私たちののような人には、サムスンを理解するのが本当に楽ではない。 人間の言葉ではないその言葉▲李在鎔厳重処罰要求請願書提出記者会見[出処]パノルリム 前回の傍聴は10日前だっただろうか? 普段のように、いつもの時間に傍聴しに行ったが、これだけは傍聴する人々が多くて結局できなかった。 主に朴槿恵(パク・クネ)の裁判に行っていた親朴のおばあさん、おじいさんたちがいっぱい来ていて、 私たちに悪態をつき、どぎつい言葉をバケツ一杯ほど降り注いだ。 その日も遠くに柱の後でサムスンのユン・ジョンドク常務はこちらをずっと見ていた。 傍聴ができず、あるいはサムスンが人々を動員したのではないかと確かるために行ったが、 ひとこと言うとすぐにあわてて消えた。 結審公判前日の夜、パノルリムの座込場で眠る予定だったヘギョン氏とキム・シニョお母さん、 イ・ジョンナン労務士が前日から来ていたが、親朴のおばあさんたちが夜中大声で悪態をつき、 交代で場所を変えて休まなければならなかった。 1時間眠ったという同僚もいて、少しも眠れなかった同僚もいる。 カバンだけが置かれていた場所。 夜中に一度も見たことない人々が朝から一人二人と集まり、出入り口が開く7時頃には人が増えた。 彼らは本当に自発的な市民なのか? カバンを置いて行ったのを見なかったので、 だまされたような気がするだけでどうしようもない。 しかし、朝、現れた人たちも悪態をつく。 その上、昨日の夜中にいた人たちとは知りあいであるらしい。 互いに挨拶もして状況をやりとりする。 建物に入ると、私がサムスン役員を問い詰めているのを見ると、 一人二人と集まってきて、映像を撮影しているメディア活動家にまた悪態をつく。 私はただサムスン役員に静かに二つ三つ聞いただけなのに、 私を取り巻く親朴の人たちに保護されているあのサムスン役員を見ると腹が立つ。 結果として腹立ちに我慢できず、サムスン役員に余計なことを言って一時間以上、 たっぷり悪態を浴びた。 私だけ悪態を浴びるのであればまだいいが、 私のおかげで同僚みんながつらい時間になった。 「たっぷり補償金をもらって、またたっぷりもらおうとする。
オイ。
10億では少ないからと言って、この野郎またとるのか。
ペク・ナムギの所に行ってもらってこい。
まったくXX XXしてるのか」。 前にもこうした侮辱で心がくじけた人のことを思い出す。 ひどい心情で何とか頑張ってきた人たちにとって、どれほど鋭いナイフになったのか。 まさにこの数年間、セウォル号遺族に加えられた破倫的な言葉。 ペク・ナムギお年寄りと遺族を侮辱した言葉。 光州の遺族にも加えられたその言葉。 人間の言葉ではない言葉。 あの人たちはどこで私たちが10億の補償を受けたと聞いたのだろうか? サムスンが懐柔しようとしてお父さん、お母さんに流したその10億。 サムスンが「交渉団の家族との補償の議論を先にしよう」と執拗に懐柔した時期。 サムスンとの交渉団の六家族が家族対策委に分裂しても、私たちさえ補償を受け取れば交渉団の外のあとの人たちはサムスンが責任を取らないかもしれないと、 一緒に補償を受けようと言って結局金を受け取らずに残っている人々。 ファン・サンギお父さん。 ヘギョン氏とキム・シニョお母さん。 あんな残酷な言葉を聞くべきではない人たちなのに。 耳を傾けてはいけないのに、聞き流しつつもひと言、ふた言が残酷に耳につきささる。 他の人たちの耳には入らなければ。 「李在鎔厳重処罰要求請願書」の提出まで終わらせて、 記者に簡単に説明するファン・サンギお父さんの後から、 私たちが請願書を出したことに腹を立てたのか、言い争いと悪態が飛び込む。 「病気のXがなぜここに来ているのか? 金を取り立てるためにきたのか?」 ヘギョン氏がからだを揺らして耳をふさぎ、傷ついたお母さんがヘギョン氏に『大丈夫』と大声を出して泣く。 ジョンナン氏がそれについて泣きはじめると、あわてて車椅子を押して建物の外に出てからだを揺らしながらしくしくと泣くお母さん。 ジョンナン。 そして、ヘギョンさん。 後悔している。 最後だから、ぜひとも傍聴しようという意見を止めずに前日から無理に日程を進めたことを。 何かがつかえたような気持ちをなぐさめながら、何とか傍聴券が配付される午後まで粘ったのに。 私たちの四五人前で傍聴券が終わった。 私たちが傍聴をできなくなった瞬間、突然私たちの後にいた人も拍手して喜ぶ。 ああ、この人たちは本当に傍聴したくて来たのだろうか? 自分が傍聴できないのは眼中にもなく、私たちが傍聴できなくなった事実にあれほど明るく喜ぶとは。 「私が我慢できずに泣いてうろうろしたので 傍聴できなかったようで申し訳ありません」。 ヘギョン氏が沈うつになって、 一言一言いう言葉に心が崩れる。 「そんなことはありません。 悪い人たちのためでしょう。 私たちの間ですまないと思うことはありません」。 そういえば、この人たちはこれまで見てきた親朴の人たちとはちょっと違う。 キャンドル集会の真っ最中、道路でみた親朴、そしてパノルリムの座込場で器物を破損して暴力をふるい告発されたオンマ部隊の人たちは、 簡単に興奮して小競合いもあたりまえのようにしたが、 この人たちは険悪な言葉、興奮した状態に較べれば、真の暴力は使わない自制力がある。 私たちが暴力をふるうことを望む人のように、熱情的に私たちを刺激する人たちの努力にもかかわらず、 われわれはよく耐え忍んだ。 一生に聞く悪態を10倍ぐらい膨らませて、2日間聞き続けたことによる傷まではどうしようもないが。 それでも私たち一生で何日か、あのような人たちと付き合えば良いのだから、何、大丈夫だ。 これからまた良い人たちと長い間、過ごすのだから。 それでも、後で傷つくことなく、この経験を思い出させかどうかわからない。 感じ続けたサムスンの陰湿な気勢も、良い経験であるはずがなかった。 李在鎔結審公判で保守団体の会員がサムスン半導体被害者を泣かせた許せない暴言[出処]メディア・ポック 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2017-08-17 18:33:59 / Last modified on 2017-08-17 18:36:42 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |