廃業控えたサムスン電子サービス牙山センターの風景
顧客が来ればサービス技師は修理...「偽装廃業」議論
チョン・ジェウン記者 2014.03.24 19:04
午前8時59分、サムスン電子サービスの職員が「受付を手伝う」と話すと、顧客の足取りがせわしくなる。
サムスン電子製品を修理するために忠南道牙山の市民が掃除機、スマートフォンなどを持ってサムスン電子サービス牙山センター(牙山センター)に来た。
案内デスクの職員は製品修理の受付を手伝い、順番を待っていた顧客は次々とサムスン電子サービスの技師と会った。
別のデスクではサービス技師2人がプリンターを修理している。
清掃用役業者の職員2人が忙しく中を整理しており、保安業者の職員も顧客の案内を手伝った。
協力社の事務職職員が働いている所では、外勤職サービス技師の日程作りに忙しかった。
3月24日に訪れた牙山センターは、サムスン電子サービスのセンターの風景と違わなかった。
サービス技師として11年間働いているキム・ヒジュン氏は
「牙山市にあるサムスン電子サービスはここ一つしかない」とし
「サービス技師は現在、偽装廃業の不当性を知らせるために出て行った6人を除けばすべて働いている」と話した。
それと共にキム氏は「製品修理のために訪れる顧客数は一日500〜600人で、出張修理の場合、今のようなオフシーズンは120〜150件、シーズンには300件以上」と説明した。
製品修理客が多かったためか、牙山センターはサムスン電子製品の販売店と共に昨年6月、牙山市外バスターミナルの向い側に千坪規模の建物に拡張して移転した。
しかし牙山センターは3月31日に廃業を控えている。
牙山センターの内部に「廃業撤回」、「雇用保障」を要求し、「顧客不便」を憂慮するプラカードが目につく。
牙山センターサービスの技師らは偽装廃業疑惑を提起しており、事業主は違うと反論した。
31日の廃業を前に、顧客が来て労働者は修理
「代表理事の健康悪化など会社の事情」…「構造上、経営悪化はありえない」
サービス技師「労組弾圧ための偽装廃業撤回」要求
牙山センターを運営するサムスン・ニューテック(株)は2月28日、センターの廃業と雇用解約を労働者に事前通報した。
廃業の理由は、サムスン・ニューテック代表理事の「健康悪化などの会社の事情」だと明らかにした。
廃業が断行されれば牙山センターで働く40数人の労働者たちは職場を失う。
全国金属労組サムスン電子サービス支会牙山分会の組合員であれ、非組合員であれ、全員が解雇される危機に置かれた。
キム・ヒジュン氏は「子供が二歳なのに生計が難しい」とし
「妻は心配しながらも雰囲気を盛り上げようといたずらして『失業者になれば指を吸うだろうね』、『離婚理由じゃない?』と冗談を言う。苦々しかった」と話した。
非組合員のA氏は「みんな何年も働いてきたのに、突然の解雇通知はひどい」とし
「代表理事の健康悪化で廃業のではなく、労組ができたので頭が痛くなって廃業したのだろう」と伝えた。
サービス技師のチョン某氏は「廃業まで一週間しか残っていないが、代表理事は出勤もせず顔も見せない」とし
「会社がどうなるのか聞いて、抗議したくても、朝礼もないので腹立たしい」と話した。
その代わりに彼は廃業の不当性を知らせるために、廃業通知書を背中に貼って働いた。
労働者たちは口をそろえて「労組を弾圧するための偽装廃業」とし、廃業決定撤回とサービス技師の雇用保障を要求した。
牙山分会は、牙山センターの訪問客から廃業撤回支持署名を集めている。
毎日6人ずつ、アパート団地と温陽温泉駅広場などで廃業決定の不当性を知らせる署名、ビラ配布などの宣伝活動も展開している。
キム・ベシク牙山分会長は「サムスン電子サービスは労組がストライキをしたから経営の悪化だといった」とし
「サービス技師が自腹で食事を食べ、自分の自動車で修理に行き、個人の工具を使うだけでなく、オフシーズンにはあれこれ天引きして100万ウォン程度の月給しか払わないので、構造上、経営の悪化は有り得ない」と話した。
キム分会長は続いて「サービスセンターというのは、投資も不要で絶対に運営赤字が出ない構造」とし
「もし赤字になっても昨年、営業利益36兆ウォンを突破したサムスン電子が自社の製品を修理するサービスセンターを支援すべきではないか」と批判した。
キム分会長は「われわれは働いただけの月給を受け取り、憲法が認める労組活動を認めろと要求している」とし
「だが元請は、サービス技師を路上に追い出し、全国で労組副支会長がいる所だけを偽装廃業している」と主張した。
キム・ヒジュン氏も「昨年の7月に労組ができると、労組弾圧のために突然偽装廃業をしたのだろう」とし
「牙山センターはサムスン電子製品販売店と同じように入店しており、賃貸料も払っていないなど、運営赤字が出る構造ではない」と一蹴した。
牙山市民「30万人口の都市にサムスン電子サービスセンターが一つない?」
サムスン電子サービス「偽装廃業ではない… 多角的に方法を検討中」
牙山センター廃業の知らせについて、市民は
「30万都市の牙山市からサムスン電子サービスセンターをなくし、
天安や洪城に行けというのはおかしい」と不満を表わした。
スマートフォンを修理するために牙山センターに来たイ氏は
「小さな会社でもなく、大企業サムスンが代表理事の健康悪化で廃業するとはおかしい」とし
「代表理事の健康悪化と牙山センターの閉鎖に何の関係があるのかわからない」と伝えた。
イ氏は続いて「廃業すれば、働いてた人は解雇されるが、誤ったことだ」とし
「代表理事を変えて、職員はそのまま働けば良いではないか」と話した。
温陽温泉駅で会った牙山市民のイ氏は
「昨年、家電製品をみんなサムスンに変えた」とし
「サービスのためにサムスン製品を買う人は多いが、
廃業すればどこでサービスを受けろというのか」と吐露した。
サムスン電子サービスの関係者は
「牙山センターの代表理事は代謝症候群で、健康状態が深刻だ」とし
「さらに、労組がストライキをして製品修理をしないので廃業を決めたようだ」と明らかにした。
この関係者は続いて「牙山センターは偽装廃業ではない」と反論し、
「牙山センターを買収する協力社を探しているが(労組ストライキなどが)うわさになっているからか公募に応じる協力社がない」と話した。
それと共に「サムスン電子は顧客の不便を最小化しようと努力している」とし
「そのために多角的に方法を講じている」と伝えた。
一方、サムスン電子サービスの協力社は最近、たてつづけに廃業を宣言している。
釜山の海雲台センターは2月27日に閉鎖するという内容の廃業公告文を会社正門に掲示し、3月8日に廃業した。
サムスン電子サービスの京畿道利川センターと忠南牙山センターも3月31日に会社を閉鎖すると通知した。(記事提携=メディア忠清)
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created on 2014-03-25 04:31:13 / Last modified on 2014-03-25 04:31:13 Copyright:
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