韓国:サムスン労働者人権を守ろう | |
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サムスンの壁が崩れている[寄稿]サムスン労働者人権を守る「ホワイトコンシューマー」になろう
チョ・ゴンジュン(金属労組京畿支部) 2013.12.04 19:31
ああ、越三壁2012年のある日、サムソンエバーランドの労働者、チョ・ジャンヒ、パク・ウォヌ、ペク・スンジン、キム・ヨンテと会った。サムスン労組の幹部らだった。彼らは2011年7月、民主労総のキム・ヨンフン委員長と共に記者会見を開き、労組を作った。サムスングループが彼らを冷遇して犯罪者に追い立てたのは、あるいは当然のこと。 彼らに会って感じたことは、サムスングループへの怒りではなかった。恥だ。 金属労組が恥ずかしく、民主労総が恥ずかしかった。彼らは民主労総や金属労組 に加入しようとしたが、受け入れる組織はなかった。労働者が労組に加入しよう というのに、民主労組には彼らを受け入れる所は一つもなかった。 恥と共に強い壁を感じた。いくら憲法と法律が保障しているとしても、労働権 は決して越えられない「越えられないサムスンの壁」だ。「越三壁」に突進し た人はとても多かった。キム・ヨンチョル、イ・サンホ、ノ・フェチャン、そ して希少ガンにかかって死んでいった労働者とその遺族....そしてエバーラン ドの労働者たちは立て続けの訴訟に苦しみ、無労組教育により同僚から遮断さ れ、その上犯罪者扱いされる孤立感の中で暮らしていた。 二つの武器「サムスンの力は何だと思いますか?」サムスングループの関係者に会った時 に尋ねた。「組織力です」。彼の答だった。サムスンは強大な組織力で労組を 作ろうとする労働者ぐらいは軽く押し出す。サムスンに対抗するには友人らが ぜひとも必要だ。民主労組はサムスン王国で静かに生きてきた労働者の友人に なることはできなかった。2012年末、一足遅れて金属労組京畿支部の幹部が 「労働者が労組に加入するというのだから、受け入れるのは義務だ」として、 サムスン労組を金属労組京畿支部サムスン支会に受け入れた。民主労組の外を さまよっていたサムスン労組が始めて民主労組の中に入ってきた。 労組だけでは足りない。別の友人が必要だ。まさにサムスン労働者たちを守る しっかりした傘であり、盾である社会連帯のネットワークだ。サムスン王国の 影響力はあちこちに及ぶので、サムスン労働者たちが労組を作って守るには、 社会各界各層の助けが切実だ。民主労組がエバーランド労組を無視していた時、 彼らの友人はタサン人権センターなどの数人の活動家だった。民主労組が友人 になれなかった時、まさに隣にいてくれた人々だ。一年前タサン人権センター、 パノルリム、金属労組京畿支部、サムスン支会が集まって、あのサムスン王国 の重さに押さえられて生きていく労働者の重荷を一緒に担う友人、「サムスン 労働人権守備隊(SLW-Samsung Labor Watch)」を作ることにした。一年の準備を 経て、12月10日7時にカトリック会館で公式に発足した。やっとわれわれは サムスンの壁を越える二つの武器を持てた。 75年ぶりの事件と守備隊6月、釜山東莱のサムスン電子サービスセンターで事件が起きた。「勤労基準法 を守れ」というウィ・ヨンイルとシン・ジャンソプの素朴な要求は踏みにじられ、 この二人は解雇された。この報せに接したクォン・ヨングク弁護士と殷秀美 (ウン・スミ)、張(チャン)ハナ議員、金属労組幹部は国会で記者会見を行って、 世の中に知らせた。サムスン支会の労働者たちは東莱センターのサムスン電子 サービスの労働者たちと会った。そして彼らがサムスン支会があれほど孤独に 歩き回って開いた門を通って、金属労組の組合員に加入し始めた。 7月14日、サムスン電子サービス支会が結成総会を開いた。ある報道機関は 「75年ぶりに無労組サムスンをサービス技師が壁を破った」と報道した。まだ 組合員が少ないサムスン支会もあるが、多くが大衆的に生きている民主労組を 作ったのだから、そのとおりだ。 サムスン電子サービス労働者たちは全国に散っているが、いつもスマートホン を使って業務指示と報告をする。オンラインネットワークを通じ、他のセンター の同僚とすばやくコミュニケーションができる。バンドを作り、全国で知らせ を共有した。誰かが「バンド労組」と呼んだ。 いくらうまくオンラインを活用しても、事件が起きて解決するのはオフライン だ。サムスン労働人権守備隊を作った人々は、すぐソウルと京畿地域で動き、 各サービスセンターの前での一人デモを始めた。オンラインの噂は、出勤する サービス労働者の現実として近付いてきた。あちこちで一人デモを頼んだ。 金属労組は全国的組織網を通じ、一人デモに入った。8月、夏休みに入る前に 1000人の組合員を作ろうという目標を超過達成した。 釜山の東莱で発生した問題は、ただ埋ずもれてしまうこともあった。しかし、 国会と民主弁護士会等を通じて言論に知らされると、即刻法律訴訟に突入し、 問題になったのは、政党、法曹界、言論などと素早く連係できるネットワーク のためだった。金属労組が労組発足と組合員拡大のために駆けまわる時には、 サムスン労働人権守備隊などの社会運動団体が一緒に駆け回った。労組と社会 運動団体という二つの武器がなぜ必要なのかをよく示す過程だった。 彼ら直ちに? コンヒ直ちに?野党と進歩勢力は、民主主義と「反朴槿恵」または「朴槿恵政権退陣」を叫ぶ。 当然のように思われるが、私は違うと思う。4.19革命と共に民主化の波が押し 寄せていた時、貧困は深刻だった。まさにこの貧困を背景として朴正煕(パク・ チョンヒ)政権が登場し、成長フレームが広がった。市民主権の時代は、貧困を 背景として、国家の時代、軍事独裁国家の時代にひっくり返った。 80年代、民主化の波がわき上がり、国家の時代が市民主権の時代に変わるよう に思えた。しかし1997年の経済危機と共に、民主化の時代は企業権力の時代に 変わった。新自由主義の核心は、市民の権利を企業権力に移した。非正規職と 二極化の拡散による不満が積もってキャンドルデモを通じ、市民の熱情的な 参加が現れた。 キャンドルが消えると「キャンドルの進化」を叫び、選挙と政党政治に対する 熱望がわき上がった。2011年の地方自治選挙と2012年の大統領選挙を通して、 福祉国家と経済民主化が浮上した。国家権力を通じて企業権力を押し、国家を 通じて福祉を実現しようという国家の時代が準備され始めた。そして、朴槿恵 政権が誕生した。 「企業するのに良い国」を押し出した企業権力の時代は、「従北追い込み」を 押し出した国家の時代に変わったように見える。しかし、企業権力が弱かった 朴正煕政権と、強力な企業権力が存在する朴槿恵政権は違う。サムスン王国が 政権までもてあそぶ姿を見て、「大統領はサムスンの名ばかり社長だ」という 言葉も出てくる。この社会の第1権力は、資本権力だ。 多くの民衆の生活に苦しんでいる状況では民主主義フレームより民生フレーム の方がはるかに強力だ。民主主義を叫んだのに軍事独裁が誕生した過去に注目 しなければならない。新しい貧困の時代に叫ぶべき民主主義は、国会や青瓦台 の民主主義ではなく、企業の扉の外で立ち止まった民主主義だ。競争と柔軟化 などの企業イデオロギーが民衆の人生を苦しめている。 企業に移動した権力を国家に移動させるのではなく、市民主権に移すべき時代 だ。主権なく生きていく労働市民の権利を取り戻すのは、民生と民主主義フレーム を統合する時代的な課題だ。 サムスンの弱点は強いことにあるいくつか質問しよう。韓国で非正規職が増えて一番利益を得る人は? 私保険が 増えて一番利益を得る人は? 創造経済より先に創造経営を叫んだ人は? 一番多 くの奨学生を抱えている人は? 憲法より強力な法は? Xファイルの創造者は? 竜山惨事の本体は? 歴史歪曲の金脈は? アルバイト天国本当の社長は? 緑色を 一番嫌う企業は? 自私校を押し出し、公教育押し倒す企業は? 一番多く企業殺人 を隠した人は? 公企業の民営化に最も強く先頭に立つ人は? すべての質問の答は李健煕(イ・ゴニ)、またはサムスンだ。サムスンの影響が 及ばない所はないので、サムスンを変えなければ私たちの人生は変えられない。 そのためサムスンを変えようという運動を大々的に繰り広げなければならない。 サムスンを変える事は、決して労組だけの団体交渉と争議行為だけでできるこ とではない。強力な社会運動を起こさなければならない。 サムスンの弱点は、社会の全体に影響が及ぶほどに強いという点だ。すべての 領域に影響を与えるので、多くの領域で争点を作った。クロムビ爆破、フッ酸 流出、竜山惨事、サムスン自私校、民営化など、労働問題を越え、環境と企業 殺人の問題にサムスンがいる。今までこれらの領域はすべて政治化のフレーム により、政権との闘争に連結させようとする努力しかなかった。サムスンとい う企業権力がこれらすべてに染み込んでいるという事実には注目しなかった。 国家権力に対する闘争は、政党政治という制限された領域に吸収される。企業 権力に対する闘争は、労働者と消費者が一緒になって長い時間をかけて、最も 多く活動する企業権力の現場で主権者を作っていくことだ。サムスンが直接影 響を与える少なくとも130万人以上の労働者が主権者として再誕生する過程だ。 ミッション・ポシブル、ホワイト・コンシューマーになろうもう「越三壁」はない。サムスン支会とサムスン電子サービス労働者が、その 壁を越えている。チェ・ジョンボム氏の死に連帯する烈士対策委員会に参加する 市民社会団体は、壁を越えている。過去、サムスンに立ち向かった個人の暴露 や抵抗は制圧された。小額株主運動をはじめとする一部の市民団体の努力は 企業の外部で企業経営の透明性を向上する水準を越えられなかった。しかし、 今やサムスン王国の内部で反乱が起き、結集した市民社会運動があるという点で、 過去とは違う。サムスンに立ち向かう社会運動は一時的な連帯を越えなければ 成功しない。だから「サムスン労働人権守備隊」が重要なのだ。 12月3日からチェ・ジョンボム烈士の遺族が寒い冬の中で野宿座り込みをしてい る。これ以上、サムスンで行われる企業殺人を放置してはいけない。サムスン 電子サービス労働者たちの成功は、サムスンを変えることができるかどうかを 分ける。伝統的な製造業労働者の力が生産を中断させることにあったとすれば、 サムスン電子サービス労働者の力はサムスン電子のサービス・システムを揺る がせるかどうかだ。サムスン電子が強大に成長した重要な理由のCS(Customer Satisfaction、顧客満足)システムを揺さぶれるかどうかにかかっている。 私たちすべてがサムスンの顧客だ。だからわれわれはいつでも全国のサムスン 電子サービスセンターに行き、顧客として問題を提起できる。全国で強力な 顧客のサムスン運動を起こそう。私たちすべてがサムスン労働者たちの人権を 守る「ホワイト・コンシューマー」になろう。私たちすべてがサムスン 労働人権守備隊になろう。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2013-12-06 06:10:29 / Last modified on 2013-12-06 06:10:30 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |