韓国:サムスン「無労組」の信念が組織的犯罪につながった | |
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サムスン「無労組」の信念が組織的犯罪につながった検察、李相薰前議長などサムスングループと系列会社の前現職役員32人を起訴
パク・タソル記者 2018.09.27 23:18
創業初期から受け継がれてきたサムスンの無労組経営方針は結局、 グループが主導する労組瓦解工作につながった。 サムスン電子とサムスン電子サービスは、 具体的なマスタープランを動員して組織的に労組破壊を進めた。 サムスンの労組破壊戦術は、MB時代に世間を騒がせた労組破壊専門業者 創造コンサルティングの手法よりも巧妙で隠密だった。 [出処:キム・ハンジュ記者] ソウル中央地検公共刑事捜査部(部長検事キム・スヒョン)は9月27日、 このような犯罪事実を含むサムスン労組瓦解事件中間捜査結果を発表し、 モク・チャンギュン(54)サムスン電子前労務担当専務(現サムスン電子スマートシティ支援センター長)等4人を拘束起訴し、 李相薰(イ・サンフン)サムスン電子理事会議長など28人を不拘束起訴したと明らかにした。 彼らには労働組合および労働関係調整法違反、派遣勤労者保護などに関する法律違反などの容疑が適用された。 検察は、彼らが労組瓦解のために動員した手法は「デパート式」の総合版だったと明らかにした。 サムスンは、 △労組活動妨害のための協力業者廃業、組合員再就職妨害、 △差別待遇、個別面談などで労組脱退推奨、 △賃金カット、 △経済人総連と共同で団体交渉の地縁および拒絶、 △債務など財産関係、妊娠まで査察、 △不法派遣を適法な請負で偽装、 △警察、協力業者、故ヨム・ホソク烈士の父親を使った不法行為など、外部勢力まで引き込んで、労組破壊に利用した。 労組瓦解戦略、軍事作戦を彷彿… 「無労組経営」信念教育も検察によれば労組瓦解工作は、 サムスングループ未来戦略室人事支援チームをコントロールタワーとし、 サムスン電子-サムスン電子サービス-協力業者に至るまで、 長期間にわたり一糸不乱に行われた。 未来戦略室人事チームは毎年、 労組設立阻止、枯死化、労組脱退誘導など別名『グリーン化』と呼ばれる労使戦略を立てて系列会社別対応態勢を点検し、 無労組経営哲学信念化のために役職員への教育などを実施した。 彼らが作成した労使戦略文書には、 労組設立を『悪性ウイルス侵入』と表現して 「労組ができれば瓦解させるのが難しく、経営に莫大な支障を招くので 事前予防だけが最善」と話す。 検察は「労組設立を『事故』と考えて抜本的に根絶すべき対象とし、 『差別化』、『友軍化』などで労組分裂を誘導し、 労組を早期に枯死させることを促すなどの無労組方針が信念化されていた」と明らかにした。 一方、このような軍事作戦をほうふつとさせるような組織的かつ体系的な労組瓦解作業は、 サムスン電子サービスの役職員で構成された総合状況室と サムスン電子本社と疎通する『迅速対応(Quick Response、略称QR)チーム』により行われた。 『心性管理』と呼ばれる労組員密着監視、巨額の金品支払いをエサとした脱退の誘導、 告訴および告発での圧迫、仕事を配分せずに月収入の減少、 労労対立誘発から、まったく会社をなくしたり、 さまざまな言い訳を作って労使交渉を遅延させる戦術などが動員された。 検察は「サムスンが動員した戦術は『創造コンサルティング』の場合よりもさらに巧妙で隠密な形態で進められたが、 これはサムスンが労組瓦解のための専門担当者を"In House"の形で多数保有して高度な専門性を確保したため」とし 「外部コンサルティング業者を一時的に利用する水準を越えて 『創造コンサルティング』出身の労務士を採用したり、 独自の専門担当者を養成するなど、 グループ次元で大規模に専門家を招聘・育成し、 知能的かつ組織的な工作を繰り広げた」と説明した。 内部労組の破壊力量に外部勢力まで加えて作った『傾いた運動場』サムスンの労組瓦解戦略には、雇用労働部、経済人総連、警察までが動員された。 検察は、労組がサムスンの内部専門家と外部勢力が集まり 圧倒的な力と情報の優位で作った「傾いた運動場」で 不公正なゲームをしたと明らかにした。 検察によれば、労働部長官政策補佐官出身の労組の専門家は、 雇用継承のない企画廃業の提案、 主幹問題会議など労組瓦解会議の主導、 無労組方針のための役職員特講など、 労組瓦解の全般にわたり諮問した。 世論戦による労組の孤立、組合員と非組合員を積極的に分離、 選別的雇用継承で力量減少などが彼のアイデアであった。 2014年3月から2018年3月までに行われた諮問の費用は約13億ウォンだった。 協力企業から労使交渉権を委任された経済人総連は、 委任者の利害関係ではなくサムスンの利益のためだけに交渉を行い、 特定企業の無労組経営哲学を維持する一助になった。 経済人総連は、サムスン側の要求のとおりに遅延戦略を作り、 団体交渉に対応するための説明会の開催、 電話・Eメール等を使って協力業者の社長に対し、 とにかく団体交渉を先送りして簡単に応じないようにと指導した。 その結果、サムスン電子サービス労組は2013年7月中旬頃から交渉を要求してきたが、 その年の10月になって交渉が開かれた。 特に警察は、サムスンの労組破壊の大きな軸と見られる。 警察はサムスン電子サービス労組の烈士闘争を阻止するために動員される一方、 労組の各種の情報を渡して交渉に直接動き、使用者側に有利な交渉結果を引き出した。 情報警察幹部のキム某氏は「労使仲裁」という名目で使用者側代表のように秘密交渉に参加した。 毎年の賃金団体協議などで一方的に有利な交渉結果を誘導して、 公式な交渉テーブルを無用化し、 労組の交渉対応戦略や方向、闘争関連の動向なども収集して 会社が交渉の過程で優位に立てるようにした。 キム某氏は2014年5月18日、 ヨム・ホソク烈士の死亡直後にサムスン電子サービスのチェ某専務とホテルで会い、 家族葬儀を行うように父親を懐柔したとも言われる。 サムスンが故ヨム・ホソク分会長の父親に6億ウォンを渡す場にも同席した。 キム某氏はこうした代価として2014年8月から2017年9月までに 6100万ウォン相当の賄賂を受け取り、 7月26日に拘束起訴された。 「無労組信念」は簡単にこわれない今回の検察の発表は中間捜査の結果とはいえ、 李在鎔(イ・ジェヨン)などのオーナー一家の介入を明らかにしないなど、 多くの問題が提起されている。 民主労総は9月27日に論評を出し 「サムスン電子サービス支会労組破壊犯罪は尻尾切りに留まり、 悪い組織犯罪の親分である李在鎔は天下を堂々と闊歩している」と批判した。 民主労総は 「史上最大、史上最悪の労組破壊組織犯罪にもかかわらず、 それにふさわしい司法的処罰はあまりにも軽く、怒りが込み上げるほど」だとし 「拘束起訴はサムスン電子労務担当役員など4人でしかなく、 組織犯罪の副親分級の李相薰(イ・サンフン)サムスン電子理事会議長など28人は 不拘束起訴した。 検察は李相薰議長などに拘束令状を16件も請求したが、 裁判所の拘束令状発布率は25%に過ぎなかった」と指摘した。 続いて「検察はサムソン系列社に対する追加的な捜査とともに、 犬も笑う『李在鎔証拠なし』ではなく、 財閥総師でも有罪有罰の原則から逃げられないことを見せなければならない」と明らかにした。 一方、サムスン電子サービスは4月17日、サムスン電子サービス支会と約90社のA/S協力社を対象として労組活動を保障し、 コールセンターなどの間接雇用労働者8千人を全員直接雇用に転換することに合意した。 いよいよサムスンに労組の春がくるかに思われたが、 サムスン電子サービスがコールセンターの子会社転換を主張して交渉は中断した。 サムスンエスワン労働組合、サムスン・ウェルストーリー支会、サムスン支会CSモータス分会も サムスンの不誠実な交渉と不当労働行為を告発し、 サムスンはまだ無労組経営を廃棄していないと主張する。 検察はエバーランドなどのサムスン他の系列会社の労組瓦解疑惑について 今後も捜査を続ける計画だ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2018-10-05 22:53:41 / Last modified on 2018-10-05 22:53:42 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |