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韓国:75年の無労組経営を破り、サムスンSDIに労組創立
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75年の無労組経営を破り、サムスンSDIに労組創立

サムスンSDI蔚山工場 全国初の正規職労組

ヨン・ソンノク記者 2014.03.24 18:03

蔚山サムスンSDI労働者は3月23日午後、 民主労総の蔚山本部で労組創立総会を開き、金属労組に加入した。

金属労組蔚山本部 サムスンSDI支会(支会長イ・ソンヒョン)は 「われわれは75年間維持されてきたサムスングループの無労組経営神話を破壊し、民主労組の旗を掲げた」と創立宣言文を朗読した。 彼らは「われわれの民主労組建設は20万サムスン労働者の夢と念願」といった。

▲サムスンSDIの労働者たちが23日午後、民主労総蔚山本部で労組創立総会を開いた。(ヨン・ソンノク記者) [出処:蔚山ジャーナル]

サムスンSDI蔚山工場で全国で初めて正規職労組ができた。 蔚山サムスンSDIでは2007年の社内協力業者解約問題で、非正規職労働者と金属労組が1年以上会社と戦い、野宿座り込みや上京闘争などを行った。

この日の総会で組合員たちは、直接無記名投票で イ・ソンヒョン支会長(51)とソン・ソンミン事務局長(36)を選んだ。

サムスンSDI支会は労組を作るために2012年8月、パク・ユスン金属労組未組織非正規局長と共に彦陽の酌川亭で全体会員総会を開き、民主労組の建設を決議した。 その後、毎週一回、定期的な会合(合計46回)を開き、労組建設のための基礎教育、現場活動方法論などを学んだ。

支会は「相互競争体制で運営される職場を変え、 白血病や骨髄ガンなどにかかり若くして死んでいった同僚が、 どんな原因で死んだのかを明らかにし、労災から職場を守る」とした。

彼らは「サムスンSDI蔚山工場では、構造調整計画と3年以内の海外工場移転の噂が飛んでいる」とし、雇用安定を最優先課題としてあげた。 会社の一方通行式の労務管理を終わらせ、強圧的な賃金凍結、要式的な賃金交渉、定年延長をエサにし低い年俸を強要する賃金ピーク制導入に反対することを明らかにした。

彼らは20万のサムスン労働者に対し、使用者側の弾圧に屈服せず、 民主労組の建設に参加してほしいと訴えた。

この日の創立総会には、金属労組蔚山支部のチェ・ヨンギュ支部長と 民主労総蔚山本部、現代重工業社内下請支会、サムスン電子サービス蔚山分会、サムスンコーニング労組などが参加し、労組の創立を祝った。

[インタビュー]イ・ソンヒョン金属労組サムスンSDI支会長
「創立労組員すべてが支会長」

イ・ソンヒョン支会長(51)は3月23日の労組創立総会で 組合員全体直接無記名投票で支会長に選ばれた。

[出処:蔚山ジャーナル]

イ・ソンヒョン支会長(51)は10数年前から何回も労組を作ろうと試みてきた。 2002年頃には20数人が準備したが、互いに気が合わず、安定して集まりを続けられなかった。 その後、また10数人が集まって労組の設立を試みたが失敗するなど、さらに二回の霧散の痛みを味わった。 会社の目に見えない妨害も問題だったが、多くの人が声を揃えるのは容易ではなかった。

イ支会長は少ない人員で出発しなければならないと考えて、また集まりを始めた。 彼らは2012年に彦陽の酌川亭に集まって、労組設立を決めた。

イ支会長は労働運動をしていた人ではない。 1987年にサムスンSDIに入社した。 同じ会社に所属するソン・スグン氏が構造調整に反対して1998年に解雇された。 イ支会長は、二回拘束されたソン氏が釈放されてから、プラカードデモなどで会社と戦うのを見た。 イ支会長は考えることが多くなり、労組設立の夢を大きくした。

2007年に会社がTV用ブラウン管生産設備を閉鎖して構造調整を行った時は、構造調整反対活動をした。 当時、ブラウン管の生産ラインで働いていた千人が系列会社や協力社に送られたり辞職した。

イ支会長が感じる最大の現場問題は、会社が経営合理化という理由で働く人を減らすことだ。 2人がしていた仕事を1人がして、7千〜8千人いた人員はいつのまにか2千人台に減った。 労組がないので、すべてを個人が耐えなければならなかった。

イ支会長は現場の労働者たちが互いを競争対象と考えず、労組に団結して一緒に暮らせる職場を作りたい。 1年になった人も、10年になった人も基本給が同じ現行の賃金体系だ。 賃金の差は人事考課の点数による。 そのため会社の顔色をうかがうしかない。 労組に力がつけば、賃金構造と雇用の安定に集中する計画だが、労組の組織を大きくすることが急務だ。

イ支会長にとっては、労組創立構成員が最大の力だ。 彼らと共に労組を作り、彼らと共に組合員を組織するつもりなので、 支会創立構成員はみんな支会長と同じだと考えている。

現場に労組創立のニュースを知らせ、組合員を加入させ、団体交渉をしなければならないが、行く道は遠い。 これからサムスンSDI労組に関心を持ってほしいという言葉で短いインタビューを終えた。

付記
ヨン・ソンノク記者は蔚山ジャーナルの記者です。この記事は蔚山ジャーナルにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-03-25 01:01:55 / Last modified on 2014-03-25 01:01:55 Copyright: Default

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