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韓国:サムスンはなぜ新政治連合に労使交渉仲裁を要請したか
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サムスンはなぜ新政治連合に労使交渉仲裁を要請したか

サムスン国政監査、遺体奪取問題から無労組経営に拡大の兆し

キム・ヨンウク、チョン・ジェウン記者 2014.06.18 10:39

6月13日、新政治民主連合はサムスンに強力なメッセージ一つを投げた。 この日、新政治連合乙支路委員会は朴映宣(パク・ヨンソン)院内代表とサムスン電子サービス労働組合関係者の「公開的な非公開面談」を進めた。 非公開面談を公開的と表現したのは、非公開面談に先立ち新政治連合側から冒頭発言をマスコミに公開し、サムスンにメッセージを投げたためだ。

非公開面談にはいくつか重要なキーワードがある。 最初は労組が朴映宣院内代表と会うことそのものだ。 サムスン本館前で数百人が集まって戦う労組と朴映宣院内代表が直接会ったのは、 新政治連合が労使交渉の結果に注目しているという一種の信号だった。 朴映宣院内代表は、初当選した頃にサムスンを正面から狙う金産分離法に関し、 サムスンから多様な圧迫を受けたがびくともせず、 サムスンにとって一番苦手な相手だ。 今回の非公開面談の冒頭発言では 「偽装請負問題と無労組経営による長い労使対立のため、 ヨム・ホソクさんが亡くなったという話を聞いてとても胸が痛む」と話した。 ここで「無労組経営」と「ヨム・ホソク」は重要なキーワードだ。

もうひとつのキーワードは、禹元植(ウ・ウォンシク)最高委員(乙支路委員会委員長)の言葉から出た。 禹元植最高委員は、故ヨム・ホソク氏(サムスン電子AS修理技師)の遺体奪取論議がおきたサムスンの「葬儀手続き介入」と「国政監査」に言及した。

非公開の会議では、こうしたキーワードが組み合わされた話が具体的にやりとりされたという。 キーワードを総合すると、サムスンの遺体奪取と葬儀過程介入の程度、 無労組経営全般を国政監査で総体的に扱うという意志の表現と読める。

当初新政治連合は、乙支路委員会を中心として故ヨム・ホソク氏の遺体奪取にサムスンと警察の癒着があったかどうかを中心として真相調査を進めていた。 同時にサムスンとサムスン電子サービス労組は、何度かの水面下の実務交渉を行い、 6月2日に決裂した。 その後、サムスンはグループ次元で乙支路委員会に交渉仲裁を要請したという。 ところで新政治連合は、13日に朴映宣院内代表を立ててサムスン側に交渉に誠実に臨めという強力な信号を送った。 そして6月14日にまた水面下の交渉が再開された。

▲6月13日朴映宣新政治連合院内代表はサムスン電子サービス労組に会って、非公開懇談会を進めた。[チャムセサン資料写真]

国政監査を前にしたサムスン、新政治連合にどんな信号を送りたかったのか?

ここで一番疑問を感じるのは、あえてサムスンがこの時点で新政治連合に交渉仲裁を要請する必要があったのかという点だ。 ほとんど進められた水面下交渉は、サムスンが望めば楽に進められたという。 通常の労使交渉で政界ができる役割は、きっ抗した交渉の綱引きに政界の保証による突破口を開くこと程度だ。 しかし当時は政界による突破口が必要な時ではなかったというのが多くの見解だ。 労働組合闘争力が萎縮する状況でもないうえ、サムスンが協議案で出した案の水準は高くなく、直ちに労組を説得する何かもなかったということだ。

そのため交渉仲裁要請を通じ、 サムスンは新政治連合に何らかの信号を送ろうとしたのではないかという疑問が提起される。

ひとまず李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の経営権継承が直ちに緊急な状況で、 そのために障害を一つ一つ片づける過程だという予想ができる。 一部では、今回の交渉仲裁の要請がサムスンのハト派(穏健派)が社会的イメージを改善するために、 サムスン電子白血病問題を提起し続けてきたパノルリム側と直接交渉をしたのと同じ文脈だという話もある。 白血病問題のように経営権継承前につぶしていけば、野党圏の攻勢をあらかじめ遮断できるからだ。

だがサムスン白血病問題とサムスンサービス労組との交渉は、規模が違う問題で、 サムスンのタカ派(強硬派)の反対も少なくないという話も共存する。 それでもサムスン側の最近の交渉の流れを見ると、 一定水準で交渉をはやく終わらせようという態度が伺える。

この問題に関心を持つ多様なチャンネルを総合すれば、 サムスン本社前で労働者が大規模な集団野宿座り込みをしているのについて、 サムスンは相当な負担を感じているという。 また故ヨム・ホソク氏の遺体奪取と遺族懐柔にサムスンがどこまで介入したのかを追跡する新政治連合の真相究明活動が大きな圧力として作用しているという話もある。

実際、こうした気流を感知した新政治連合は、 仲裁よりも遺体奪取の過程とサムスン無労組経営の問題を国政監査に持っていくと圧迫する戦術に旋回したものと見られる。

6月13日の非公開懇談会で朴映宣院内代表は 「サムスンの人たちは自分たちが損をすることはしない。 判断がとても早くて損をしそうなら、最後まで行かない」とし 「この問題が最後まで行けば、血を見るのはサムスンしかないと思う。 うまく解決できると思う」と自分が体験したサムスンを紹介し、自信を見せたという。

これは新政治連合院内を中心として、間近の国政監査で環境労働委次元の誠実交渉だけで終わらせないという強力な警告なわけだ。 国政監査を通じ、新政治連合がサムスン関連のすべての常任委でサムスン問題の核心である無労組経営哲学を問題にして、 経営権継承の不法性まで議題を拡張できるからだ。 経営権継承での不法性が問題になれば、 サムスングループの役員のうち、ある程度までは国家監査場の証人席に座らなければならないかもしれない。

乙支路委、遺族懐柔と遺体奪取サムスン介入程度を調査中
労使交渉の結果を見守る新政治連合

ここに禹元植最高委員と殷秀美(ウン・スミ)議員が乙支路委員会で提起したサムスンの遺体奪取と遺族懐柔介入の疑惑が、 安全行政委員会などの国政監査で少しでもあらわれると、 相当な破壊力に進化しかねない。 すでに乙支路委は相当数の証言と資料を確保したと明らかにしている。

遺体奪取の現場で労組と一緒に対応したリュ・ハギョン弁護士(民主弁護士会労働委員会)は、 チャムセサンとの通話で「サムスン電子サービスやサムスン(グループ)が介入して、 遺族側に相当金額の合意金を払い、(労組の意に従うことにした)父親の気持ちが変わったのは確実だ。直接聞いた」とし 「サムスンからの金以外、一切の余裕金がないセンターの名ばかり社長が、 大きな合意金を提示する可能性はゼロに近い。 当然、サムスン電子サービスやサムスン元請が合意を主導した可能性が高い」と指摘した。

またリュ・ハギョン弁護士が5月30日に国会記者会見場で開かれた乙支路委の遺体奪取過程真相調査の中間報告記者会見で 「(警察が遺体を受け取るために出動し)警察に助けてくれと言った通報者も把握されていない」と明らかにした点も、 やはり警察とサムスン関連の疑惑に残っている。 殷秀美議員もこの日、中間調査結果発表文で 「一部では、警察が通報を受ける前に(遺体奪取)鎮圧のための警官を投入したという陳述も確認した」と明らかにした。

国政監査での遺体奪取議論の核心的な疑惑である警察の迅速な機動隊投入の問題が扱われるかもしれないということだ。 これは、警察とサムスンの癒着関係の重要なリンクになり、 公権力も自由に操るサムスンの反社会性を極大化しかねない事案だ。

そのために一部では、サムスンと労組の交渉が苦しみを味わいながらも、 国政監査の前までには解決するのではないかという観測がある。 サムスンの仲裁要請が「うまく交渉が終われば、国政監査である程度、緩急を調節してほしい」という信号と読めるからだ。

新政治連合のある関係者はこの過程について 「朴映宣院内代表が出てきたのは、交渉に力を与え、 サムスンに交渉の結果を見守るという警告メッセージを与えるもの」と話した。 他の関係者も「労組とサムスンの労使交渉で、交渉結果を見て国政監査に対応する水位を判断することもできる」と話した。 労使交渉の結果により、新政治連合の国政監査の水位調節を検討すると解釈できるポイントだ。

別の関係者も「遺体奪取の過程と遺族懐柔の過程にサムスンの介入があったかどうかの問題が争点だということは、 (乙支路委)議員やサムスンも知っている」とし 「労組とサムスンの交渉結果を見て、労組と協議して決めるようにことになるだろう」と明らかにした。(チャムセサン、メディア忠清合同取材)

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-06-18 23:20:57 / Last modified on 2014-06-18 23:20:58 Copyright: Default

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