本文の先頭へ
韓国:サムスン電子、二重「偽装」請負で1兆以上の利益
Home 検索

サムスン電子、二重「偽装」請負で1兆以上の利益

消費者に過度な費用負担、職員には低賃金・長時間労働

チョン・ジェウン記者 2013.11.19 20:57

サムスン電子が他国にない韓国型AS費の名目で消費者に過度な費用を負担させていると同時にサービスセンター職員の低賃金により、1兆ウォンを越える利益をあげたという研究結果が出てきた。

社会進歩連帯付設労働者運動研究所は11月19日「チェ・ジョンボム組合員の死 から見たAS労働者と消費者の二重被害実状と改善法案」という報告書を出し、 サムスン電子が2012年の製品価格に訪問サービスなどの費用を入れて、約17兆 ウォンを韓国型AS費の名目で消費者から受け取り、このうち実際のAS費用とし て支出したのは6千億ウォンだけだったと主張した。

労働者運動研究所はマスコミの報道を分析して、サムスン電子製品の国内外の 価格差、サムスン電子が釈明した報道資料などからAS費用を推測したと明らか にした。

2011年4月にサムスン電子がノートパソコンとスマートTVについて明らかにした 韓国と米国の価格比較を見ると、RV511モデルのノートパソコンは付加価値税を 除くと韓国65万6千ウォン、米国59万5千ウォンだ。韓国では6万1千ウォン高い。

サムスン電子によれば、米国製品の値段が安い理由は6万5千ウォンの出張修理 費が別になっているからだ。しかし韓国の価格には、6万5千ウォンの訪問修理 サービスが追加される。スマートTVの26万ウォンの価格差も同じだ。

国内外の価格差別について、消費者の不満が一番大きいスマートフォンの場合、 韓国だけに付加されるAS費用の割合が他の家電製品よりはるかに大きいと見ら れると研究所は明らかにした。2010年に市場に発表したギャラクシーSは、米国 より韓国の方が36万ウォン程高い。国内だけに適用されるAS費用のためだ。

2013年の未来創造科学委員会の国政監査で最大30万ウォンに達するギャラクシー ノート3の韓国と海外の価格差が問題になった。当時、サムスン電子は10万ウォン は仕様差のためで、20万ウォンはAS費と流通構造のためだと明らかにした。

▲サムスン電子AS関連の現金の流れ[出処:労働者運動研究所]

だが2012年にサムスン電子のASを総括するサムスン電子サービスに支給した 金額は6千億ウォンに過ぎず、サムスン電子は残り1兆1千億ウォンを利益に したと見られる。

また研究所によれば、サムスン電子サービスがサムスン電子から6千億ウォン、 消費者から4千億ウォンを受け取り、外注業者に支払った金額は2012年の3300億 ウォンに過ぎない。サムスン電子はAS業務全体をサムスン電子サービスに委託 し、サムスン電子サービスはまた90%以上の修理業務を169社の請負業者に委託 する二重の「偽装」請負の形態だ。

結局、サムスン電子は2兆1千億ウォン程を消費者から受け取り、90%のAS業務に たった16%しか使っていない。

研究所のハン・ジウォン室長は「サムスン電子がASでこれほど大きな利益をあ げられるのは、消費者に過度な費用を負担させ、反対にAS労働者は勤労基準法 違反が一般的といえるほど低賃金だから」だと主張した。

またAS業務を総括するサムスン電子サービスは、サービス労働の特性と労働条件 を全く考慮せずに請負単価を策定している低賃金の賃金体系も問題だ。サービス マンの1件当たりの手数料賃金体系は、請負業者がサービスマンの賃金を勝手に 策定できる構造だ。

[出処:労働者運動研究所]

その上、日給や時給ではなく「分」給の方式で設計した賃金策定方式は、 サービスの過程で発生するさまざまな費用をすべて労働者の負担として 押し付けていると研究所は憂慮した。

ハン室長は「請負業者の労働者を直接雇用する費用として5千億を追加支出して、 国内製品の消費者価格を5%ほど引き下げて、サムスン電子がアフターサービス の名目で国内で不適切に取得した利益を社会で還元」することを提案した。

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。 この記事はメディア忠清にも掲載されます。 チャムセサンは筆者が自分で書いた文章の同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-11-20 20:45:05 / Last modified on 2013-11-20 20:45:05 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について