本文の先頭へ
韓国:コレイル、「KTX民営化反対」を主張
Home 検索

コレイル、「KTX民営化反対」を主張...高い労働強度を認定

KTX民営化だけ反対、鉄道競争体制の導入には賛成の立場

チョン・ヨンギル記者 2011.12.30 11:27

韓国鉄道公社(コレイル)は、12月30日に報道資料を通じ、政府の高速鉄道分割 民営化計画に反論した。コレイルは政府側の『低い運用効率と高い営業赤字に よる民営化』の主張に反論しているが、構造調整による人員削減で、相対的に 外国より高い労働強度を示した。

政府はコレイルが外国より投入される人材が多く、非効率だと指摘してきた。 そのためコレイルは「現在、高速鉄道は全売上げの1/3以上を占めているが、 高速鉄道の運営に投入される人材は全体の1/10しかない」と政府の主張に反論 した。コレイル側資料によれば、年間の高速鉄道売上は約1.4兆ウォンで全売上 (約3.9兆ウォン)の36%を占めている。また高速鉄道運営人材は2734人で定員 27456人の9.9%に過ぎない。

[出処:鉄道公社報道資料]

また、コレイルは1人当りの労働生産性(輸送人トンkm/1人)は外国より高く、効 率は低くないと明らかにした。コレイルの資料によれば従業員1人当りの輸送量 (百万人トンkm、2009年基準)は、韓国は1.33で1.02人の英国、0.77人のフランス、 0.71人のドイツより高い。

コレイルは、政府が高速鉄道民営化推進の論拠にあげた営業赤字の増加につい ても反論した。コレイルは「(営業赤字は)収益が低いのに政策的にやむをえず 運営している赤字路線と、比較的人材依存が高いセマウル、ムクゲ、貨物列車 などによる」とし「効率的に運営されている高速鉄道とは無関係だ」と明らか にした。

続いて「(鉄道は)誰もが当然享受すべき普遍的サービスという特性を持つため、 鉄道運営者にとっては赤字路線を存続させる社会的責務がある」と明らかにし た。また、コレイルは「民間企業が高速鉄道だけを運営すると、国民に還元さ れるべき利益が分配されず一部に独占される可能性が高い」と明らかにした。

コレイルは、公共性を強調しているように見えるが、「鉄道運営の効率を上げ るために競争を導入することには積極的に賛成するが、高速鉄道だけを長期間 民間に開放することには多くの問題があるという立場」も明らかにし、民営化 に対する反対ではない。

▲今年2月11日事故がおきKTXの4号車と5号車が分離した。当時、事故の原因は維持補修業務の外注化のためという提起があった。[出処:コレイル]

先のコレイルの主張によれば、むしろ労働者の構造調整と高い労働強度の問題 を示す。高速鉄道が他路線より少ない運営人材で維持しているという内容は、 これまで鉄道労組が指摘してきた頻繁な事故の原因と見られる。鉄道労組によ れば、コレイルは2012年までに超過現員を整理するため『業務効率化』を名分 とする人員削減を進めてきた。特に人員削減の対象が維持補修、整備業務人材 に集中しており、頻繁な事故の原因だと鉄道労組は指摘した。

また、1人当り労働生産性の高さは、外国と比べて1人が過度に過重な労働をし ているという鉄道労組の主張を立証する。鉄道労組の今年の組合員遺族への慰 労不調は26件に達し、1か月に2人の割合で死亡している。これについて、鉄道 労組の労働安全局は「5115人の定員削減による労働強度の増加と業務ストレス なども原因」と明らかにしている。

今回のKTX分割民営化の計画は、民間企業に首都圏高速鉄道を運営させるという 内容だ。政府は2014年末まで水西と京畿道平沢をつなぐ首都圏高速鉄道を建設 する予定だ。政府は鉄道競争体制への突入という名で、水西から平沢まで高速 鉄道が敷設されると2015年初めから運営する水西〜釜山、水西〜木浦区間高速 鉄道を民間に任せる計画だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-02 19:29:45 / Last modified on 2012-01-02 19:29:48 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について