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韓国:いくら働いても家計簿は赤字...ワーキングプアの現実
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いくら働いても家計簿はいつも『赤字』...『ワーキングプア』の現実

民主労総、勤労貧困層の家計簿分析

ユン・ジヨン記者 2011.04.13 07:19

「最低賃金を上げすぎると物価上昇の圧力になり、庶民生活を直撃して、限界 企業の倒産などで雇用を減らす副作用が出かねない。最低賃金の引上げ率が高 いほど遵守の割合が下がる傾向がはっきりしている。現実的に守れる水準にな ることを願う」。

4月8日の最低賃金委員会の2次全員会議の直後、雇用労働部のパク・チェワン長官 は、労使政最賃委の委員が集まった場で最低賃金の過度な引上げを牽制した。 最低賃金の過度な引き上げはむしろ物価の上昇を誘発し、庶民の生活に影響を 与えるという主張だった。

だが、物価値上げ率にも届かない最低賃金の低い引上げ率は現在の庶民生活を 直撃している。また一度も『過度な最低賃金引き上げ』を味わったこともない 最低賃金労働者にとって、パク長官の憂慮はもっともらしい共感も形成できない。

低賃金労働者の家計簿を見ると、さらに現実の窮乏がわかる。青年、老年を問 わず、低賃金労働者に分類される彼らは、全く文化生活がなく、不可能な貯蓄、 医療費負担などで難しい生活を続けている。

家計簿はいつも『赤字』、文化生活は『皆無』

民主労総は4月12日、20代から60代までの低賃金労働者14人を対象として、二か 月間、彼らが直接作った家計簿の分析結果を発表した。作成者は40代〜60代の 清掃労働者10人、20〜30代の公団派遣職労働者2人、20代青年2人だった。

彼らの平均賃金は154万ウォン。だが彼らは1か月に170万ウォンの生活費を払う。 常に月16万ウォンの赤字が出る。こうした典型的な勤労貧困、別名ワーキング プアの姿は、統計庁の家計動向調査(2011. 2. 25)の所得5分位のうち最下位の 1分位家計収支と似ている。所得下位1分位の庶民も月17万ウォンの赤字を記録 していた。

だが赤字幅は世代により異なる様相を見せた。50代以上の老年層労働者は22万 ウォンを越える赤字を維持するが、20代の青年労働者は4万ウォン程度の赤字を 維持する。これについてイ・ジョンホ未組織非正規室長は「祝儀金、香典、子 どもの結婚など、社会的な費用がかかる高齢労働者の月家計の赤字の方が深刻 で、青年労働者の場合、少なく稼ぎ少なく使う特徴的な様相が明確に現れた」 と説明した。

だが老年と青年層の低賃金労働者は共通して全く文化生活を享有していないこ とで現れた。彼らの娯楽文化費は1か月に6千ウォン未満で、月額総家計支出の 0.2%に過ぎない。特に下位1分位の世帯の娯楽文化費月4万9千ウォンと較べると、 低賃金労働者の文化生活はまったくないと見られる。

衣類費も低い水準を記録した。低賃金労働者の1か月の衣類支出の平均は5万8千 ウォン。これは全国世帯平均14万6千ウォンの1/3水準に過ぎない。だが、住居 水道光熱費は17万ウォン程度で、全国世帯平均の23万ウォンよりは低かったが、 その割合はむしろ高いのが特異だった。こうした住居水道光熱費の高い支出は 住居環境の劣悪さによると解説される。

老年層『医療費』、青年層『教育費』負担

老年層と青年層の差をそっくり示したのは『医療費』支出の項目だった。医療費 に当たる保健費は50代以上が月21万9千ウォンを支出するが、40代以下は10万7千 ウォンの支出に終わった。約2倍程度の違いを示している。特に、高齢労働者の 医療費支出は、医療費の全国世帯平均15万2千ウォンよりもかなり高い支出を記録した。

家計簿を作成した50代の地下鉄清掃労働者、金某氏は「医療費は怖くなって、 支出を敬遠するが、毎月かなりのお金が医療費にかかる」とし「慢性的な関節 炎や腰の痛みなどに専門的な治療を受けるのは考えることもできず、代わりに 周期的に鍼を打ってもらうなどの治療をしている」と説明した。

[出処:チャムセサン資料写真]

高齢労働者が『医療費』に大きな支出を示す反面、青年または中年の労働者は 『教育費』と『通信費』等の支出が大きい様相を示した。全体として通信費は 平均7万8千ウォンで、多少高い構成比を記録した。そのうち50代以上の1か月の 通信費は6万ウォン台、40代以下の1か月の通信費は10万ウォン台で差があった。 特に教育費は、50代以上の労働者は4万ウォン台の支出を維持するが、40代以下 の労働者は1か月9万ウォン台の支出を示し、2倍程の差を示した。

一方、老年と中年、青年などの労働者で共通して、非消費支出の割合が高かっ た。現在、彼らの1か月の非消費支出は49万6千ウォンで、消費支出構成比の 29.1%を占める。全国世帯平均の67万4千ウォンよりは少ないが、これが全体の 消費支出構成の22.8%に当たることを考慮すると、低所得層でさらに高い構成の 割合を記録していた。

これについてイ・ジョンホ室長は「低賃金労働者の非消費支出が唯一高い理由 は、四大保険未適用による個人年金(保険)加入のためと解説され、また低賃金 労働者に不利に設計された税金制度も一役買っている」とし「勤労貧困層のた めの税金と四大保険減免制度の補完が急がれる」と強調した。

『最低賃金値上げ』、勤労貧困層生活改善のために必須

家計簿を作成した20代の予備校講師の金某氏は、「最低賃金が大幅に上がれば 良い」という期待を表わした。彼は「とにかく卒業後に生活費をはじめ、学費 ローンの利子も負担しており、まともな生活が難しい」とし「文化生活は夢に も見られず、もっと安定した未来のための資格証明や英語の勉強などに支出す る金も小さくなく、毎月貯蓄するのも難しいのが現実」と吐露した。

[出処:チャムセサン資料写真]

こうした典型的な勤労貧困層にとって最低賃金の引き上げは切実だ。特に世代 を問わず、所得階層による文化的な格差の拡大は、低所得層の『社会的断絶』 に続き社会的な憂慮をもたらしたりもする。

これに対してキム・ヨンフン民主労総委員長は「富めば益々富を作り、貧は益々 貧になることを深める低賃金労働の構造的問題は、単にこれまでの高齢労働者 に限らず、勤労貧困層の拡散と共に全地域で広く起きている」と説明した。

青年ユニオンのキム・ヨンギョン委員長も「青年の生活はますます下降平準化 されつつあり、特に最低賃金制度の悪用で青年労働者が苦しんでいる」とし、 「このように最低賃金の問題は両親の問題だけでなく、すべての青年の問題で、 私たちが人間らしく暮すには少なくとも最低賃金を1万ウォン以上に策定しなけ ればならない」と声を高めた。

一方、民主労総は記者会見文で、低賃金労働者の家計赤字の解決を要求した。 彼らは「政府は、低賃金労働者が最低の自尊感を持って生活する政策的な支援 を急ぐべきだ」とし「また低賃金労働者の家計赤字を解決する近道は最低賃金 の現実化」と主張した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-04-15 02:05:22 / Last modified on 2011-04-15 02:05:36 Copyright: Default

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