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韓国:強制退去禁止法制定討論会を開催
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「もう二度と『竜山』を起すな」

強制退去禁止法制定討論会を開催

キム・ドヨン記者2011.01.19 16:45

2009年、竜山再開発地域。『人が暮している家』に撤去が始まった。『ここに 人がいる』と言うために櫓に上がった彼らは、闇がまださめやらない明け方、 死者になった。そして2年、何も変わっていない。相変らず都市のあちこち破片の ように散らばる、むしろますます増えていく撤去地域に『第2の竜山』という 悲しい新しい別称がついただけだ。

竜山2周忌を前に、もう『第2の竜山』はいけないという切実な気持ちが『法の 言語』になって戻った。『強制退去禁止法(案)』がそれだ。住居権運動ネット ワーク、竜山惨事真相究明および再開発制度改善委員会、公益弁護士グループ 共感などが、現在の開発法の代案立法の必要性を感じ、昨年4月から8か月あま りの論議の末に作られた今回の『強制退去禁止法』は、竜山惨事のような惨憺 たる状況を再び発生させないように、住居権の法制化とともに強制退去を予防 する原則を含んでいる。

このような強制退去禁止法制定の必要性と具体的な内容を共有するために、1月 18日、『竜山惨事再発防止のための強制退去禁止法制定討論会』が環境財団の レイチェル・カーソン・ホールで開かれた。『竜山惨事2周期汎国民追慕委員会』 の主催で開かれたこの日の討論会には、竜山惨事の遺族をはじめ、約百人の 市民社会団体会員、そして国会で実際に強制退去禁止法立法活動を展開する 野4党の議員が参加し、強制退去禁止法への高い関心と期待を見せた。

開発の中心に『人』を

この日、『人』が排除された各種開発法の代案として提示された強制退去禁止法は 『住居権』を人間が享受すべき基本権であると明示し、人権を中心に置く開発事業 の原則を提示している。

強制退去禁止法によれば「すべての人は人間としての尊厳と価値を維持するた めに必要な住居水準を確保してこれを享受する権利を持つ」(第2条)

そのため「誰もが居住民を強制退去させてはならない」(第6条)とし、基本権と しての住居権を保障する責任がある「国家と地方自治体は、強制退去を予防し 再定着の権利を保障しなければならない」(第5条)。

また居住民に退去を要請する時も、「開発事業の施行主体は、退去要請の前に 居住民の再定着対策の措置を必ず取ること」(第10条)とし、特に再定着対策を 樹立するにあたり「すべての居住民は開発事業施行前と同等かそれ以上の水準 の土地や住居に対する権利を持つ」(第9条)。

万一、開発過程で退去および撤去を施行する者が正当な手順を踏まなかったり、 現場で暴力を行使した場合、強制退去禁止法に基づいて刑事処罰の対象になる。 (第18、19、20、21条)

強制退去禁止法、「合法的な人権侵害を不法にする法だ」

この日の討論会で問題提起をした世宗大行政学科のピョン・チャンフム教授は 「竜山惨事のように途方もなく高価な費用を払ったのに既存の再整備事業構造 は変わらず、現行の法体系では既存の住宅と営業空間で居住し続けて営業する 権利、強制的に退去させられない権利が十分保障されないだけでなく生存権の ための住民の最低限の抵抗権も許容していない」とし「居住者の居住権と生存 権のような基本的な人権を保障する法律を制定するのは当面の課題」と法案を 制定する必要性を強調した。

もう一人の発表者のミリュ人権運動サランバン活動家も「竜山惨事以後、真相 調査団活動をして、開発事業過程の問題を調査する過程で多くの問題が発見さ れたが、全てが『合法』だった」とし「今回の『強制退去禁止法』は今までの 『合法的な人権侵害』を違法にするもの」とその趣旨を説明した。

この日の討論会には、この外にも韓国都市研究所のソ・ジョンギュン研究員、 忠北大法学専門大学院のイ・ウニ教授、民弁民生経済委員会のミン・ビョンド ク弁護士、建国大法学専門大学院のハン・サンヒ教授が討論者に参加し、強制 退去禁止法への意見を交わした。

一方、討論会に先立ち、進歩新党のチョ・スンス代表は「竜山が終わらないの は、遺族の涙がかわかないからではなく、私たちの誰もが竜山の主役になりか ねないという韓国社会の野蛮性のため」とし「再開発に関し、これまで多くの 法律は、速かに事業者に再開発できるようにした技術的法律だとすれば、強制 退去禁止法は何よりも住居権を韓国社会基本権と認識し、その精神を持つ法だ。 今日議論された内容をしっかり集め、野4党が力を合わせて基本的社会権として の住居権を必ず制度化し、もっと良い社会へと一歩進めるように最善を尽くす」 と話した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-20 06:08:04 / Last modified on 2011-01-20 06:08:05 Copyright: Default

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