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韓国:貧民解放実践連帯(準)出帆式にあたり
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大小の第2の竜山惨事が続く

[寄稿]貧民解放実践連帯(準)出帆式にあたり

チャン・ヨンヒ(貧民解放実践連帯(準)共同執行委員長) 2010.12.20 17:04

12月18日、貧民解放実践連帯(準)の出帆式が開かれた。この日の出帆式には 『竜山氾国民対策委』をはじめ多くの連帯団体の出席し、人が人間らしく生き る世の中を作るための闘争を決意することで始まった。私たちの出帆式を祝う かのように多少暖かい天気の中で行われたが、私たち撤去民の条件は決して楽 ではない。竜山で犠牲になった方への真相究明どころかまだくやしい裁判が終 わらない状況なのに、所々では小さな竜山を彷彿とさせる事件が起きているた めだ。強制撤去現場には連帯単位は見つからず、大きなカメラを持って路地に 出勤した人々の好奇心に充ちた注目しか見られない。

▲コンソン3地区の姿[出処:貧民解放実践連帯(準)]

たとえば11月15日、コンソン3地区では組み立て式仮移住団地で15年暮してきた 3世帯を強制撤去した。もちろん事前告示もなかった。明け渡し執行と強制撤去 を同時に執行したのだ。学校から帰ってきた小学生と中学生が住んでいた家は 一日で消えたのだ。学用品と服も奪われ、登校もできなくなった。

光明6洞でも全く同じことがあった。テント座り込みをしていた撤去民に用役チ ンピラが押し寄せてきた。撤去民1人は暴行され、応急室に運ばれた。合井洞の 再建築地区では商店街の建物主による個人名の執行があった。強制執行された 撤去民3人は建物の扉を閉めて抵抗した。この過程で出入り口などに偶発的にボ イラー油と推定される油がまかれ、火災が発生した。警察の鎮圧で座り込みか ら二時間で撤去民は全員連行された。

トギ地区では1年間生活空間として使われた撤去民のテント座込場を強制撤去し、 これを阻止しようとした娘は留置場へ、母には拘束令状が請求された。そして 12月20日朝、南揚州でも似た撤去が進められた。こうした現実は結局は真冬に 通りに出て行って死ねというようなものだ。

露天商も同じだ。12月9日、鍾路地域ではソウル市の露店管理対策を悲観して、 命を絶った露天商がいた。露天商は露店管理対策で生存権を蹂躙されている。

▲2010年12月18日ソウル駅で開かれた貧民解放実践連帯(準)結成式場面[出処:貧民解放実践連帯(準)]

12月8日、ハンナラ党はかっぱらい予算案で確認されたように、来年も、いや今 後も韓国社会の貧困問題を大きな社会的な問題に浮上させるのは明らかだ。そ れでもこれまで問題になってきた4大河川予算はほとんどそのまま強行処理され たという。李明博政権はテレビに出て暇さえあれば親庶民と貧困階層のために 福祉政策を推進しているとウソの主張をしている。明らかにこの世界は私たち に恩恵授与的に何かを投げかける意志も、いやそんな条件でもないのにである。

数日後には『竜山惨事真相究明および再開発制度改善委員会』執行委員長宣告 公判が開かれる。パク・レグン氏と5年4か月とイ・ジョンフェ氏は4年の求刑を 各々受けている状態だ。竜山惨事は真相究明がされず殺人鎮圧をした者は無罪 を受けた。殺した者は真昼に闊歩するが被害者は監獄に閉じ込められるという 本当にとんでもない世の中に私たちが住んでいるのだ。

だが怒ってばかりはいられない。まさに『都市貧民の連帯闘争』は無力化され、 資本と政権の弾圧に効果的に対応できなくなっているではないか? このように 貧民運動を復元し直し結集させるべき課題が私たちにはある。

貧民解放実践連帯(準)は何か月か内部懇談会と議論を展開し、また共同の実践 闘争を行った。やはり共同の実践は、大衆にとって露天商は撤去民そのものだ ということと『貧しい人は団結しなければならない』という単純な真理を確認 する場だった。昨年、竜山惨事が起きた時、こうして戦っていればという惜し みと反省もあった。

とにかくわれわれは連帯にする仲間たちが切実なので『全国撤去民連合』と 『民主露天商全国連合』が中心になり『貧民解放実践連帯』を結成した。一部 では新しい組織にしてうまくいく組織はないというような憂慮半分、期待半分 で見ていることを知っている。まず『貧民解放実践連帯』が準備委員会として 出発する理由は、これからもう少し多くの貧民運動陣営を結集させる努力と受 け止めてほしいと思う。恐らく準備委員会を解散し、本組織を建設する時には もっと多くの都市貧民が集まって連帯の旗を上げるだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-21 05:38:32 / Last modified on 2010-12-21 05:38:41 Copyright: Default

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