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韓国:現場を渡して取ってくる実利の限界
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現場を渡して取ってくる実利の限界

[コラム]現代車労組イ・ギョンフン執行部は今年の賃団闘の基調を変えよ

ハ・ブヨン(蔚山革新ネットワーク) 2011.06.15 11:21

現代車支部で、ソ・ヨンホ烈士、ヤン・ボンス烈士、ナム・ムンス烈士に続き、 6月9日にまた1人、パク・ジョンギル烈士を追加することになった。パク烈士の 死の本質はタイムオフにあり、主犯はこれを否定しもっともらしく装い、無断 離脱と無給処理で脅迫するよう指示した現代車資本にある。まさに「現代自動車法」 と呼ばれる中世の「団結禁止法」で、労組無力化による無労組経営の刃を資本家 に与えたタイムオフで、自らひとつの命を終わらせ、自決した。

パク烈士の自決の知らせを聞いた組合員たちは「どれ程なら...」と低く吐きだ しながら、彼の死を惜しみ哀悼を示した。専従者でもない非常勤労働安全委員 活動をしていたパク烈士の監視と弾圧がどれ程なら、死を選択したのだろうか という本能的な判断を以心伝心で知っていたのだ。

だが、会社は烈士に対する交渉が進行中なのに「タイムオフのためではない」、 「勤怠処理はきちんとしていた」とし、遺書が真実を語っているのにその歪曲 に汲々とし、保守言論はパク烈士の死の原因より牙山工場の稼動中断のほうに 多くの記事を吐き出した。労働弾圧で人が死んでも、労働者は機械のように、 奴隷のように働くよう催促した。ナム・ムンス烈士の時も明らかに遺書が存在 するのに、労働弾圧はなく個人の家庭の事情と性格の問題と歪曲させた前歴は そのままだった。利益追求のためには手段と方法を問わない資本のあくらつさ だけがまた発揮されただけだ。

それでも、実際に「タイムオフ粉砕のためにこの一身を投げる」とし、タイム オフを封鎖して、生きがいを感じる職場、労働解放のために闘ってくれという パク烈士の最後の絶叫は、あいまいなまま消えた。労働組合は、団結して闘う 組織だ。組合員の世論を理由に実利を口実として、憲法が認める団結と闘争の 武器を手放した労組は労組ではなく、労使協議会でしかなく、結局、すべての 行動は会社のために存在する労使協力主義が本性だ。いくらかの金で現場権力 を売り渡し、現場の弾圧に抵抗して焼身したヤン・ボンス烈士がいる。16年が 過ぎた現代車支部で、パク・ジョンギル烈士が現場弾圧を暴露して自決したの は、現代車の現場弾圧がいかに露骨で執拗だったのかを確認させる。

イ・ギョンフン執行部は今回の賃団闘基調を変えなければならない。目の前の 瞬間的な実利は、労組が無力化され現場が崩れればいつでも奪われる。労組を 殺すと刀を抜き、それに抵抗して自決した烈士が出たのに、何も迷ったりため らう理由はない。

民主労組死守を最高の闘争基調としなければならない。このまま行けば組合員 と活動家が自暴自棄になり、労働組合運動は自滅しかねない。烈士の意を敬い、 タイムオフ粉砕と民主労組死守闘争で破壊された団結力を立て直さなければ 2011年闘争に勝利できない。パク・ジョンギル烈士の冥福を祈りながら、微弱 だが烈士の意を必ず貫徹するという決心をしたい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-16 09:41:41 / Last modified on 2011-06-16 09:41:49 Copyright: Default

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