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韓国:野宿者追い出しから1年、まだソウル駅には人がいる
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野宿者追い出しから1年、まだソウル駅には人がいる

ソウル駅野宿者強制退去措置1年...ソウル市は相変らず無策

ソン・ジフン記者 2012.08.22 20:44

鉄道公社がソウル駅の野宿者を強制的に追い払って1年経った。1年間、ホーム レスはソウル駅を住所地として転入を申告し、ソウル駅で引っ越し祝いを開く など、自分たちがソウル駅に『住んでいる』事実を知らせる活動を続けてきた。

ここに人が『います』

この1年間、ソウル駅野宿者強制退去方針撤回共同対策委員会(ソウル駅共対委)の 闘争は、『労働者の存在認定』に焦点を当てていた。ソウル駅共対委とソウル 駅の野宿者は、4月にソウル駅を住所とする転入申告書を出し「脱野宿は街頭の 多くのホームレスがソウル駅に存在しているという事実を韓国社会がそのまま 認めることから始まる」と主張した。野宿者たちは、ソウル駅を自分の居住地 と宣言する引っ越し祝いでも「ソウル駅から追い出すなという主張は、ここに 居座って住むというのではなく、私たちの存在を認め、野宿から抜け出すとい うこと」と明らかにした。

▲5月、ソウル駅引っ越し祝いのようす

強制退去以後、放置された野宿者

国家人権委の緊急実態調査の結果によれば、ソウル駅退去措置以後、街頭のホー ムレスの87%は徘徊したり近くの地下道、公園で夜を送っていることが明らかに なった。また90%近くが絶望、恐れ、心配といった心理社会的な衝撃を受けたことが 明らかになった。

強制退去措置後に迎えた冬、ソウル駅近くの国立中央医療院地下トイレで野宿 者が亡くなっているのが発見されたこともあった。その年の冬には急報が絶え なかった。ソウル駅の周辺で変死で発見された人、寒さを避けて入った地下の 駐車場で車に轢かれて死んだ50代男性野宿者など、数えきれない程の野宿者が 寒さと無関心の中で命を失った。野宿者が犯罪にさらされることも多くなった。 もの乞いをする野宿者に凶器を振り回す事件もあった。退去措置をした公益要 員が野宿者を暴行し、警察に立件される事件もあった。国家人権委の資料は全 野宿者の60%を越える野宿者が言語暴力と殴打、苛酷行為などの日常的な暴力に 露出していると指摘した。

ソウル市と鉄道公社の強制退去以後、野宿者が寒さと空腹、暴力にあう頻度は 高まったが、まさにソウル駅の野宿者は減らなかった。強制退去措置後100人程 野宿者が減ったというソウル市の発表に対し、野宿者たちは口をそろえて「嘘」 だと言う。彼らはむしろ経済難で新しい野宿者が流入するなど「ソウル駅周辺 の野宿者は全く減っていない」と主張した。野宿者の保護と自活を支援して、 ソウル駅を利用する市民にさらに快適な環境を提供するという理由で施行され た強制退去措置が、何の実効も上げていないのである。

ソウル市は何をしているのか

ソウル市と鉄道公社は3月から野宿者雇用支援事業をモデル運営している。 野宿者の自活のために住居費用と雇用を提供するものだ。試験事業の対象に選 ばれた野宿者20人は、6か月間で25万ウォン以下の月貰とソウル駅清掃雇用を 提供される。しかしソウル駅共対委と野宿者は「ソウル市と鉄道公社の支援 事業は強制退去措置による民心収拾政策でしかなく、野宿者には何の助けにも ならない」と主張した。

ホームレス行動のイ・ドンヒョン常任活動家は「ソウル市と鉄道公社が出した ホームレス雇用支援対策は月40万ウォンの雇用だが、月貰25万ウォンを払えば リハビリはできない悪循環構造」と話した。さらにソウル市が支援する雇用は 1年と最長6か月しか働けない。

ソウル市と鉄道公社は3月に発表した雇用支援対策以後、何の後続対策も出して いない。イ・ドンヒョン活動家は「事実上、放置しているばかりか退去措置は さらに激しくなった」と明らかにした。

鉄道公社が野宿者の退去措置のために雇用した特殊警備用役業者に払う費用は 4億8千万ウォンだ。だがソウル市と鉄道公社は野宿者支援対策として、20人の 野宿者に25万ウォン以下の月貰支援金を支払う。総額500万ウォンだ。野宿者を 追い出すために4億8千万ウォンの金を払い、支援のために500万ウォンを使って いるわけだ。ソウル駅は年間37億の収益を上げている。

貧困は罪ではありません

野宿者は「われわれは貧しいだけで、罪を犯していない」と話す。しかし社会 的には野宿者を蔑視したり烙印を押す。核安保サミットが開かれた3月、江南区 は『野宿者風』の人の通行を事前に遮断するという方針を発表した。崇礼門に 火災が発生した時も、周辺の野宿者がまず犯人と疑われた。

「障害手当てでも受け取ればいいのになぜ歩き回るのか」という蔑視や、臭い という苦情を聞きながら、スーパーと食堂から追い出された女性ホームレスの 放火犯罪や、施設警備員の退去措置に反発した街頭のホームレスの放火未遂な どの事件は、野宿者に対する蔑視と排除による犯罪誘発の事例だ。

ソウル市が作ると大言壮語した野宿者のため『自由カフェ』は、地域住民の強い 反発で失敗した。野宿者グループホームの設置と移転も、地域住民の反対で霧散 の危機に瀕している。

人権運動サランバンのチョンノク活動家は「醜く貧しくむさくるしい人々を 排除するのは貧困を罪悪視すること」とし「貧困は罪ではない」と話した。

差別の鎖を断ち切り、ソウル駅を開け

8月22日午後7時、ソウル駅広場にはソウル市と鉄道公社の強制退去措置1年をむ かえ、強制退去措置撤回を要求する文化祭『差別の鎖を断ち切り、ソウル駅を 開け』が開かれた。

野宿者と市民約100人が参加した文化祭ではソウル市と鉄道公社の強制退去措置 を糾弾した。キム・ソンミ成均館大社会福祉研究員は、強制退去退去措置を受 けた野宿者にインタビューした結果を発表し「ソウル駅強制退去措置がさらに 強圧的になった」と指摘した。キム研究員は続いてソウル駅強制退去措置以後、 ソウル駅の野宿者の数はほとんど減っていない事実を伝えた。彼女は「いくら 強制退去措置をしても、ソウル市がまともな対策を出さなければ野宿者は結局、 また街に出てくるしかない」とソウル市の役割を要求した。

ソウル駅を開け文化祭には、ソウル駅強制退去1年をむかえ、海外の都市貧民、 住居権問題団体の連帯も続々と到着した。タイのFRSN(Four Regions Slum Network)は、「ホームレスをテロの恐れと言うことは、彼らを追放する言い訳 で、偏見と烙印を助長するだけ」とし、政府とコレイルの対策が必要だと主張 した。アジア国家の都市貧困と住居権問題の解決のために作られたLOCOAも連帯 のメッセージで「ホームレスに見える人々を追放するのは差別で、人権侵害」 で、「ホームレスに大きな社会的な敵対心を植え付けるだけ」と明らかにした。

ソウル駅共対委は闘争決議文で「野宿者の身分を特定し、公共場所の出入を認 めない反人権的な措置をこれ以上存続させてはいけない」とし、「路上に追い 出された彼らをまた追放する強制退去を撤回するためにさらに闘争する」と 宣布した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-08-23 14:01:06 / Last modified on 2012-08-23 14:01:21 Copyright: Default

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