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韓国:2011年崖っぷちの野宿者、一日1人の割合で死亡
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2011年崖っぷちの野宿者、一日1人の割合で死亡

1年で300人死亡...ホームレス行動が2011年野宿者10大ニュースを発表

イ・サンウォン修習記者 2011.12.21 14:54

[出処:ホームレス行動]

彼は羽振りのいいファンドマネジャーだった。彼のマウスクリックで一日に数 十億ウォンが行き来した。仕手株でミスをした。彼は全てを失い、ソウル駅に 行った。ポータルDaumの人気オンライン・コミック〈ラスト(作家カン・ヒョン ギュ)〉の主人公の話だ。実際に全国4403人(2011年6月保健福祉部推定値)野宿 者は、様々な理由で通りで生活をしている。様々な理由は昨年より増えた200人 ほどの野宿者の数ほどに増加し、またそれだけ事件、事故も多かった。

12月21日、野宿者人権運動団体の『ホームレス行動』は野宿者10大ニュースを 選定した。選ばれた10大ニュースのトップは、断然ソウル駅野宿者の強制退去 措置だった。後に続くニュースは野宿者の犯罪と死亡の知らせなどだった。

強制退去措置から4か月、放置された野宿者

全国で最も多くの野宿者が生活しているというソウル駅は、8月22日に夜間野宿 行為禁止措置を施行した。先月30日、国家人権委が発表した野宿者実態調査に よれば、この措置に対してソウル駅の野宿者の90%近くが「絶望、恐れ、不安」 と応答した。21日の今日で4か月、野宿者は寝床を失って冬の風を受けており、 先月23日には釜山駅でも施行され、全国に広がる兆しが見られている。

8月にソウル市は〈路上野宿者保護、自活、減少特別対策〉を推進するといった が、野宿者実態調査によれば14.1%の野宿者が対策支援対象者に選ばれただけだっ た。また、実態調査では、措置の後に100人ほど野宿者が減ったというソウル市 の発表と違い、ほとんど減っていない。むしろ新しく流入した野宿者がいる可 能性を示した。路上の野宿者を減らすという当初のソウル市の計画と違い、相 変らず多くの野宿者がソウル駅を離れられないまま道路で震えているのだ。

[出処:ホームレス行動]

残念なことに、ソウル駅強制退去措置後の11月、国立中央医療院に近い地下鉄 の駅のトイレで野宿者が死んでいるのが発見される事件が発生した。朴元淳(パ ク・ウォンスン)ソウル市長が遺体安置所を訪れ、多くの人々に知られた野宿者 洪氏の死は事件当時、大きな関心を呼んだ。

今年は、洪氏のような冷たい死を迎えた野宿者は数えきれない程多かった。1月 にソウル駅舎周辺で変死で発見されたユ氏、同月、済州市のみすぼらしい板張 りの粗末な家で発見された60代の男性野宿者、10月に寒さを避けて入った地下 駐車場で車に轢かれて死んだ50代の男性野宿者など、数えきれない程多くの野 宿者が市民の無関心の中で命を失った。今年8月チュ・ヨンス教授(翰林大医大)の 調査結果によれば、2005年から2009年まで毎年300人ほどの野宿者が命を失った。 ほとんど一日に1人の割合で死んでいる。

日常的な暴力、犯罪に露出した野宿者

このような野宿者の冷たい死は、政府の責任とだけで片付けるのは難しそうだ。 野宿者への市民の嫌悪、無関心もまた深刻な水準になっている。4月には、公益 勤務要員2人が野宿者を退去させる過程で暴力をふるい、警察に立件される事件 があった。6月には酒代200ウォンを乞う野宿者に凶器で怪我をさせる事件もあっ た。国家人権委野宿者実態調査でも、常時的な暴力に露出する野宿者の実態が よくあらわれている。言語暴力(40.2%)、殴打および苛酷な行為(21.7%)で60% 以上の野宿者が日常的な暴力に露出していることが分かる。

結局、政府と市民の複合的な烙印と差別が野宿者の死と大小の犯罪を呼んでい ることが分かる。実際に野宿者の犯罪の発端は、ほとんどが差別と蔑視への不 満による事件が多いことを見ればなおさらだ。4月に野宿者の金氏は食堂で臭い という理由で追い出され、両替のために立ち寄ったスーパーでは「障害者手当 てでも受け取ればいいのになぜ歩き回るのか」という侮辱的な言葉を聞いて店 に火を付けた。また、5月に野宿者のチョン氏は龍山駅待合室で寝ているる自分 をアイパークモール職員が追い出そうとしたことを恨んでアイパーク モールの 衣類ボックスに火をつけようとした。

オンライン・コミック〈ラスト〉も常時犯罪にさらされる野宿者の現実を赤裸々 に描写する。暴力、人身売買、名義盗用、偽名通帳など数え切れないほど多く の暴力の陰に露出している。〈ラスト〉はまだ連載中で、危険の中に放置され た野宿者の現在も進行中だ。

『ホームレス行動』が選定した10大ニュースは、△野宿者を崖っぷちに追いや るソウル駅野宿者強制退去措置、△消えない差別と烙印が野宿者犯罪を呼び、 △暴行につながった野宿者嫌悪、△誰も関心を持たない彼らの死、△人身売買 と強制・詐欺労働の被害者に追い出された野宿者、△ホームレスという理由で 野宿者を『犯罪者』にする警察と検察、△住居脆弱階層の住居支援事業の改善、 しかし現実とは乖離、△水原駅路上ホームレスのための『夢の場所』、空間以 上の意味、△ホームレスには相変らず高い壁、病院、△基礎法扶養義務者一斉 調査による大量受給脱落、一部は野宿生活に落ちる、などだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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