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韓国:竜山惨事現場で365日を過ごした人のくやしさ
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竜山惨事現場で365日を過ごした人のくやしさ

[文化連帯情報誌「想像を分けあう」 2010年11号] -後日談

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シン・ユア(文化連帯代案文化センター活動家)/ 2010年02月13日8時52分

竜山の朝は毎日が緊張の連続だった。今日はまたどんな事件が遺族と撤去民を 困らるのか、神経が過敏だ。政党、宗教家、市民団体、社会運動団体... 休むことない記者会見とイベントのスケジュールは、竜山で一緒に暮らす皆 にとって希望でもあり戦いの端緒でもある。

午前11時頃にはある団体が記者会見のためにアンプを設置して横断幕をかける。 この時から緊張感がみなぎる。警察と戦闘警察部隊員は竜山ナミルダン付近で 撤去民の一挙手一投足を監視して上部に報告し、仕事は始まる。無条件に不法 で、無条件に阻止するという無鉄砲な対応だ。指一つ動かしただけでも不法に なる竜山で、撤去民は飯を食べるにも彼らの監視から自由でない。

竜山ナミルダンの後には、故イ・サンニム氏が運営していたレアホフがある。 ここは2009年4月からさまざまな文化芸術家の複合文化空間になり、竜山を訪れ る人たちに竜山惨事を共有し、共感できるナミルダンとはまた違う思いの新し い空間として運営された。

ある日、某団体が送った弁当を活動家と共に食べていた。レアホフの反対側で 警察らしい人がカメラを持って私たちの日常を証拠に残しながら、上部に報告 するため、それで忠誠心を誇示するために採証をしていた。ご飯を食べた人が あなたは誰か、なぜ写真を撮るのかと走って行って尋ねると、まぬけな警官は 写真は撮っていないと言って当惑し、これが引金になって一日中警察と神経戦 があった。この問題はますます拡大して、司祭団が暴行されて座り込み中のテ ントが壊され、遺族が失神するなど、明け方まで戦いは終わらず、結局竜山警 察署署長とそれ以下の課長が謝罪をするという笑えないことが発生したのだ。 一日中殴られ、言いなりになって、悪口を言われ、写真を撮られ、苦しむだけ 苦しめられた現場の人々はこうしてまた激しい一日を送る。

毎日毎日、激しさと緊張感で365日一年を送り、冷凍庫の中でうずくまった撤去 民の手足をゆっくり伸して差し上げ、やすらかに送ってあげるために葬儀の準 備をしていた日、政府との最低限の交渉のためなのか、竜山ナミルダン付近の 警察と戦闘警察はみんな消えた。静けさと平穏が残ったレアホフ前の道でこの 交渉は、彼らにとってはただ撤去民を竜山から追い出し、高いビルを作って資 本の利益を極大にするための、撤去を急ぐためのうれしい知らせでしかなかった。

警察は葬儀のための小さな提案さえ断った。用役と警官の共用空間である駐車 場の使用を要請したが、撤去民の撤の字も聞きたくない用役と、これを制圧で きない警官は、用役がだめなら警察もどうすることもできないとし、こそこそ 逃げてしまう。

竜山惨事現場の総指揮責任者は用役業者であった。365日用役との戦いで警察が なぜいつも手を後ろに組んで見ていたのか、なぜ彼らは撤去民だけを拘束して 監視したのか、なぜ彼らは遺族と司祭団を追い出せないのかやきもきしていた のか、今、はっきりわかる。竜山惨事の総指揮責任は用役であり、資本であり、 資本に漬った警官たちだったのだ。

葬式のための舞台設置を妨害して作家の作品を不法だといって警察部隊を利用 して取り囲み、路祭の行進を妨害してサウンドカーとステージカーを監禁する という愚かさの極限を見せた。結局、大韓民国の警官は自分たちが李明博政権 の下手人でしかないことを自ら証明したのだ。

道徳もなく、人情もなく、倫理もない竜山惨事の真実を、資本の下手人たちだ けにまかせるには、信頼はすでに地に落ち、まだ拘置所の小さな部屋でくやし さを訴える拘束者のために、牡丹公園の片隅で怒っている烈士のために、私た ちすべてが怒りを通りに噴出させなければならない。これ以上くやしさの中で 暮さないために...

こうして竜山での一年を終えるのは、とても荷が重く疲れる。残された課題を さらに大きな怒りで解いていくべきなのだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-02-20 04:21:05 / Last modified on 2010-02-20 04:21:08 Copyright: Default

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