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韓国:[寄稿]移住労働者を排除する労災保険制度の改革を
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クレーン事故で子供になったアミラ・ジャナカ

[寄稿]移住労働者を排除する労災保険制度の改革を

イ・ウンジュ(馬昌産追連) 2013.04.30 13:35

アミラは今日もやはり焦点があわない目で兄の後をついて歩く。挨拶をしても 目があわない。スリランカから来たアミラ・ジャナカ氏は今年、26歳。アミラ・ ジャナカは2010年に兄のジャナカが働く金海工団にきた。韓国にくる前、彼は スリランカで日系建設会社にも通い、友人ともよくつき合う活発な青年だった。 兄のジャナカがまず韓国に入って働き始め、続いて弟も韓国にくることになっ たのだ。

つらい労働だったが、故郷にいる両親や家族のことを考えて、一生懸命に労働 した。一人だった兄ジャナカにとって弟の訪韓は遠い異国の土での憂いを忘れ る時間だった。それもつかのま、2011年2月22日、兄弟に青天の霹靂のような事 が起きた。

弟アミラが作業中にクレーンの輪が飛び出して顔面を一撃する事故に遭った。 アミラ氏は事故の後、悪夢に苦しみ、不安な症状を見せただけではない。記憶 力も下がり、人ともつきあえなくなった。弟アミラ氏は子供のようだ。

韓国の人にもこんな判定をするのか?

アミラ・ジャナカ氏を治療した主治医は、症状が深刻だとし、外傷後ストレス 症候群で追加傷病申請をした。この追加傷病申請について、勤労福祉公団釜山 地域本部諮問医師会の審議の結果は「気質的な損傷と疑われ、脳震蕩に追加の 傷病が認められ、今後検査が必要だ」という所見(諮問医師会の全員)だった。

しかし勤労福祉公団釜山地域本部は、脳震蕩症候群だけを認め、精密検査など の措置は取らなかった。結局、勤労福祉公団の無誠意な行政処理によりアミラ・ ジャナカ氏は傷病の正確な判断を受けられない状態で、きちんと治療されずに 強制的に治療が終結した。

勤労福祉公団の担当者は、本人が特別診察などの請求をしなかったとし、責任 を回避している。基本的に、移住労働者は国内法の手続きをよく知らないため、 これについて詳しく説明するか、あるいは主治医にこうした事実を知らせて新 しく申請できるようにしなければならない。だが釜山地域本部は最も基本的な 措置さえもしなかった。

治療終結だけではなかった。障害等級判定でも主治医の所見によれば、「認知 機能に障害があり、特に簡単な労務のしか従事できない」という所見で、勤労 福祉公団の諮問医者もまた主治医と似た所見を提出した。しかし勤労福祉公団 釜山地域本部は、ジャナカ氏の病気を非記質的精神障害と決めつけて、外傷後 神経症は14級(平均賃金の55日分)を認めるという内部の処理指針による不当な 判定を下した。

14等級は最下等級で、片耳の聴力が1メートル以上の小さな声を理解できない人、 指先の関節の一部を失った人への障害等級だ。アミラ・ジャナカ氏は認知障害 などの精神的な障害状態が続いている状況で、周辺の助けがなければ日常生活 が維持できない状態だ。一生、誰かの助けで日常生活をしなければならない労 働者に14等級判定とは、誰もその判定が正しいと答えることはできない。

補償もまともに受けられなかった上、治療も行われないため、兄弟はスリラン カに帰りたくても帰れない。24日に、釜山蔚山慶南圏域労働者健康権対策委と 釜慶移住共対委は、ジャナカ氏の労災処理の過程で不当な処遇を取った勤労福 祉公団釜山地域本部に抗議訪問を行い、アミラ・ジャナカ氏の現在の状態に対 する所見を根拠としてまた追加傷病申込書を提出した。

移住労働者を排除する労災保険制度運営

移住労働者は災害にあったことだけでもくやしいのに治療の過程はさらに難し い状況だ。移住労働者が働いて事故がおきた場合、自ら産業災害保険申請をす ることは不可能に近い。産業災害保険についての正確な情報がない。情報を持っ ていても、韓国語だけの療養給与申込書を理解するのは難しく、韓国語で作成 しなければならないので誰かの助けがなければ、移住労働者自身が労災申請を するのはとても難しい。基本的に移住労働者は労災保険制度の運営から排除さ れているためだ。

幸い、事業主の協力で労災申請をしても、平均賃金が安く策定されていたり、 事故の経緯は移住労働者の意見や客観的な事故の事実が歪曲されたままで移住 労働者に不利に作成されることがとても多い。当然、ハングルの質問書を差し 出して韓国語で質問する。

また、紆余曲折の末に労災申請をした後も、事業主が雇用の事実を否定するこ とが多い。事業主が事実を否定すれば、勤労福祉公団は追加調査のために長い 時間をかけることもある。移住労働者を呼んで追加調査をしたり、同僚の陳述 を受ける場合、通訳を配置することは殆どない。ほとんどが移住労働者が自分 の友人や相談所の助けを受けて、通訳を同行しなければならない。

勤労福祉公団は当然のようにハングルの質問書を差し出して、移住労働者に作っ てこいという。労災と判定を受けるために審議に出席する時も同じだ。通訳を 全く配置せず、医者が移住労働者に韓国語で質問をする。災害当事者との正確 なコミュニケーションなしに、どのようにして、そしてどれほど正確な判断が できるのか疑問だ。このように、移住労働者はまず言語で排除され、いろいろ 不利な状況に置かれて、手数料を狙うブローカーの餌になっている。

移住労働者150万時代、1年で6千人近い移住労働者が労災事故にあっている。誰 もが嫌がる最も危険で苦しい仕事をしながら、怪我をしても治療さえきちんと 受けられない不当な現実がこれ以上続いてはいけない。移住労働者を基本的に 排除する労災保険制度運営の根本的な変化が必要だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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