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韓国:不法な人間はない、制度が不法だ
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不法な人間はない、制度が不法だ

[寄稿]摘発班の不法暴力、人間ならこんなことはできない

キム・ホンジュ(慶山移住労働者センター) cisamiti@gmail.com / 2009年04月14日10時59分

移住労働者が叫ぶスローガンの中に、こんなスローガンがあります。『不法! 不法! やめろ! やめろ!』。ちょっと聞くと不法行為をするなと聞こえるこのス ローガンには分かりやすく解釈すべき2つの意味があります。

まず最初にはきちんと韓国語を学んだことがない移住労働者が彼らが自分なり に作り出したいわゆる移住労働者式の韓国語です。よく韓国の労働者が叫ぶ8拍 子のスローガンに慣れない移住労働者が彼らのやり方で作ったスローガンです。

二番目はこれに当然付いてくるこの言葉の解釈です。このスローガンは『私た ちに向かって、不法な人間だと言うのをやめろ』という要求です。それで付け 加えて、また主張します。『不法な人間はない。制度が不法だ。』(Nobody is illegal、System is illegal!)。

ところがこの言葉の逆説を如実に見せる現場をわれわれは目撃しました。数日 前、ジュンド日報のインターネットサイトで公開され、すぐにあらゆる放送メ ディアが先を争って放送した大田の某飲食店から連行された女性移住労働者に 関する動画です。

その動画にはすさまじい悲鳴をあげる女性移住労働者を上半身がはだけたまま、 ズボンをつかんで連行する場面がそのまま表われています。その上、コンクリー トの地面に投げ倒したりもします。ここに登場する入管職員が使ったやり方は 凶悪犯罪係の刑事が犯人を検挙して連行する時の方式です。多分またその方式 は、入管職員の誰かから伝授されたのでしょう。未登録という滞留身分は決し て法律違反行為ではなく、まして凶悪犯罪ではないのなら、この動画はこの女 性労働者が凶悪犯罪を行って連行されている人に見えます。

ところがここからさらに一段階上がります。すでに手錠をかけて入管摘発班の 車両に搭乗し、いわゆる制圧された女性労働者の首を容赦なく攻撃する場面も あります。あきれます。情けないです。ついにその女性労働者が一言悲鳴をあ げます。「なぜ殴るの!」。そして次の場面、お茶を一杯飲む彼らの余裕に言葉 を失います。

悪い制度のために不法状態、すなわち未登録状態に転落せざるをえない私たち に、不法な人間だと言わず、誤った制度を直せと叫ぶ移住労働者に、お前らは すべて凶悪犯だから暴力で連行しなければならないというこの発想はいったい どこから始まったのかを問わざるを得ません。また百歩譲って、彼らが不法な 人間だから連行するという理由が、こんな不法暴力を正当化するのかを問わざ るを得ません。

ところがわれわれはここで悲劇的な想像をすることになります。いわゆる摘発 班の職員が三三五五丸くなって座り、『今日は運が悪かった』と不運を嘆く場 面を想像させます。いつものことなのに、なぜ今日は運悪く報道機関のカメラ に撮られて、そのまま放映されたから問題になったと思っているのではないか という疑いを振り切れません。こんな形の摘発はいつもあったからです。

この文を書く私もやはり真昼に上着がはだけたまま地面に殴り倒される移住労 働者を二つの目ではっきり見ました。それも入管の摘発班員ではなく摘発補助 業務に出てきた公益要員がそんなことをしました。その状況でこれを阻止して 口にできないあらゆる悪口を言われながら、お前も引っ張っていくぞと脅迫に あったりもしました。その日、もし動画が撮影されていればと残念です。明白 な証拠の前でもとぼけて、見方によっては押し退けただけではないかと答える 入管関係者の厚顔無恥な返事がこれを察させます。ここまでくれば、入管摘発 班員の絶対的な権力を推し量れます。

こうした不法な暴力取締りが入管摘発班員を詐称する詐欺師を作る原因になっ たりもします。忘れた頃にはマスコミに載る入管職員詐称犯罪行為は凄じい摘 発の恐怖の前で丸腰の移住労働者の状況が改善されない限り、明日も、いやたっ た今も行われているのかもしれません。

それだけではありません。こうした騒々しい世論を静めようと、こうした摘発 を合法的にできるようにしようという、ひどい発想が現実になっていることが さらに大きな問題です。この前、立法予告された入管関連法の改正案です。そ の改正案によれば、入管の摘発班員は、通りがかりの移住労働者や、移住労働 者と疑われるすべての人に身分証の提示を命じることができ、これを断れば連 行することもできます。

鼻筋が高くて目が大きく、何か違うような感じを与える筆者のような人は今、 いつでも入管職員の不審検問に応じなければならず(改正案第81条(3)項から (5)項)、これに異議を申し出てれば保護という名分で入管に連行されるのです (改正案第11条、改正案51条(3)、(4)項)。この過程で素直に応じずにさからう 人は、不法な暴力を受けても訴える方法はなくなり、不法暴力は法の名でむし ろ正当化される野蛮の時代が到来しています。

人間なら、こんなことはできません。明白な不法行為を行った入管職員は司法 処理されるべきで、責任のある人は全員辞職しなければなりません。そして、 入管関連の改正法案は、移住民の人権保護を優先とする内容に大幅に修正され なければなりません。

そのために、これ以上人を人と思わない入管当局の反人権的、非人間的な態度 に国民すべての抵抗が必要です。今またこんなことをうやむやにすれば、それ こそ4月は残忍な月になるでしょう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-04-21 17:24:46 / Last modified on 2009-04-21 17:24:47 Copyright: Default

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