韓国:移住労働者、40年前の権利と自由 | |
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人扱いされて暮していますか?[雇用許可制3年の真実](1) -移住労働者、40年前の権利と自由
イ・サンジェ(韓国移住労働者人権センター) /
2007年08月13日11時43分
政府は8月から移住労働者に対する全面的な合同摘発を始めると脅している。 安定して雇用許可制を施行するためだ。そして、8月17日には雇用許可制3年に なる。雇用許可制施行3年という時点と、集中摘発が8月に行われるのは決して 偶然ではないだろう。民衆言論チャムセサンは、雇用許可制3年をむかえて、 果たして雇用許可制が移住労働者にとって薬なのか毒なのか、 その真実を確かめてみる。- [編集者] 先週末、センターを訪れた移住民たちと共に東海(日本海)に夏のキャンプに行 く途中だった。高速道路のサービスエリアで日陰を探し、三三五五輪になって 座り昼の弁当を食べていた。5-60代と思われる一群の人々が日陰を探して、私 たち周囲に座った。ためらっていた人々が、スタッフの名札を付けている私を 見て、すぐ『ずいぶん良くなりましたね?』と尋ねる。『旅行もして、韓国に きたのは本当に幸運』と、互い私たちに対する所感を口にする。口の中でさま ざまな言葉がぐるぐる回った。だが久しぶりに苦しくて疲れる移住労働から脱 出して東海に行く道だった。そして彼らは好意的に近寄ってきた。『良くなけ りゃいけませんね』とごまかしながら、そのまま笑って背を向けた。センター 後援会員を含む周辺の多くの人々が笑いながら投げる質問だ。『もう良くなっ て、人扱いされて働くんでしょう?』 大韓民国の嘘 今年の1月に産業研修制が廃止され、外国労働者政策は雇用許可制に一元化さ れた。いまだに一元化方針が不明確で、研修生の身分の苦しみを訴える人々は 多い。産業研修生とはまた違う大規模な企業の海外投資法人研修生制度は今な お生きていて、最も低い地位の移住労働を強要している。そうしたことは差し 置いて、雇用許可制への一元化についてのみ話そう。人間扱いされて、労働し ているのか? 果たして現代版奴隷制度は終わったのか? 40年前に作られた市民的および政治的権利に関する国際規約8条は、『何人も 奴隷状態に置かれられない。すべての形態の奴隷制度および奴隷売買は禁止さ れる。何人も強制労働を要求されない』と明示している。同規約の12条では 『合法的に国家の領域内にいるすべての人は、その領域内で移動の自由および 居住の自由に関する権利を持つ』とし、自由移動を保障している。1990年、韓 国はこの規約に加入批准した。国内法としての効力を持っているのだ。果たし て大韓民国は、自ら批准した規約を守っているのか? 結論から言えば『違う』だ。もちろん韓国政府は、勤労基準法第6条『使用者 は暴行、脅迫、監禁その他、精神上または身体上の自由を不当に拘束する手段 で勤労者の自由意志に反する勤労を強要することはできない』と規定している ことを根拠に、国際社会にはきちんと守っていると糊塗している。嘘だ。 [出処:イ・ジョンウォン記者] [出処:イ・ジョンウォン記者] 雇用許可制は強制労働を強制する制度だ。外国人勤労者の雇用に関する法律の 第25条1項は、『外国人勤労者は次の各号の1に該当する場合が発生して、その 事業または事業場で正常な勤労関係を続けることが困難な時は労働部令で決め るところにより職業安定機関に他の事業または事業場への変更を申請すること ができる』として、外部的な条件ではない移住労働者の自由意志による事業場 移動を原則的に禁止している。『事業場の移動を3回まで保障している』とい うのはは歪曲だ。事業場移動の自由はない。ただし、1年単位の契約を延長し ないという権利はある。憲法が保障する職業選択の自由、自由意志に関する 人間の尊厳性を否定しているのだ。 この不当な現実を可能にするのは『暴力的な強制摘発追放』と『金』だ。 現代版奴隷制度の連続 雇用許可制施行2年をむかえ、昨年移住人権連帯が行った実態調査の結果を見 れば、産業研修生制度で蔓延していた送出不正が雇用許可制でもやはり蔓延し ていることが分かる。現地労働者10年の月給に匹敵する高額な送出費用は韓国 での過度な人権侵害と抑圧に耐えることを強要する。政治的および市民的規約 の11条は『何人も契約上の義務の履行不能だけを理由に拘禁されない』と権利 の保護を規定しているが、現実は異なる。移住労働者たちは、事業場移動の自 由が禁止された不公平な契約に疲れ、倒れた瞬間に拘禁の対象になる。釈明の 機会さえ簡単には認められない。拘禁され、強制出国させられれば、一生送出 費用が人生につきまとうだろう。自分を見る貧しい故郷の家族が目に浮かぶ。 奴隷であることを甘受してしまう。 拘禁のための摘発は、法より暴力的だ。同規約の9条には『何人も法律に定め る理由および手続きによらずその自由を剥奪されない』と規定され、大韓民国 も令状主義に従っている。移住労働者たちはここでも例外だ。工場の無断侵入 は当たり前、ただ互いの勘で察せられるだけで、身分を明らかにすることも、 知る必要もないというかのように、目の前でガス銃をねらい、まず捕まえる。 人間の最も原初的な権利である生命権と身体の安全権は眼中にない。建物から 飛びおりて内臓破裂で死に、鉄格子に閉じ込められて『ドアをあけろ』と叫び 死んでも、暴力的な摘発追放は続く。雇用許可制施行以後、持続的、広範囲に 進行している強制摘発追放は、移住労働者たちを日常的な恐怖の中に追いやっ た。不当な現実からの脱出は追放だ。事業場移動の自由は、その後においやら れる。奴隷であることを!甘受してしまう。 ホームエバーに行かないで下さい! キャンプに行っている間、工団の近くのホームエバーで、バス二台を使って大々 的な摘発をしているという電話を受けた。前にも平日の夕方や週末に工団の近 くの大型スーパーを集中的に摘発していた。戻るバスの中で一緒の人たちと 『摘発が多いからホームエバーに行くのはやめよう』という話をした。泣くこ とも笑うこともできないみじめな連帯だ。底辺の連帯から希望の芽が出る。支 援団体の韓国人実務者の声ではなく、主導者の叫びが、暴力的な制度と公権力 に対して最低限この程度の人権は守ろうと、40年前に合意した宣言が現実にな る日、そんな美しい夜が一日でもはやく来ることを。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2007-08-18 18:37:05 / Last modified on 2007-08-18 18:37:05 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |