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韓国:朝鮮・中央・東亜放送の1か月
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朝鮮・中央・東亜放送の1か月

17日、民言連討論会が開催、開局からモニターした結果を発表

イ・サンウォン修習記者 2012.01.17 18:19

民主言論市民連合(民言連)は1月17日、環境財団のレイチェル・カーソン・ホール で〈『朝鮮・中央・東亜放送1ヶ月』を話す〉討論会を開いた。この日の討論会 で、民主言論市民連合のイ・ジヘ『朝鮮・中央・東亜放送モニターチーム』チーム 長は、朝鮮・中央・東亜放送が開局した12月1日から1月13日までのモニターの 結果を発表した。1か月のモニターの結果、朝鮮・中央・東亜放送の1か月は大きく 不良放送と理念偏向放送で説明することができた。

▲討論会のパネル、左からチョン・スヨン(成均館大新聞放送科研究教授)、ミン・ジンヨン(京畿民言連事務局長)、イ・ジヘ(民言連の朝鮮・中央・東亜放送モニターチーム長)、パン・ジョンベ(放送独立フォーラム共同代表)、チェ・ヨンムク(聖公会大新聞放送科教授)、ヤン・ジェイル(言消主代表)、アン・ジンゴル(参与連帯民生希望チーム長)

イ・チーム長の発表によれば、朝鮮・中央・東亜放送の不良放送は放送初日か ら続々とあらわれた。放送初日に画面が分割され音声が切れる放送事故を始め、 ニュースのパネルが出なかったり外国人インタビューの字幕が出ないといった 大小の事故は愛きょうの水準だった。

イ・チーム長は「事件や事故は一度や二度ではなく、モニターチームの挨拶は 『今日は何か事故がありましたか?』だった」とし「既存の放送局で時々起き る事件だけで不良放送とは言えない」と発表内容を紹介した。

朝鮮、報道件数は安定、内容は朴槿恵クローズアップ
中央、日本はなぜ『安重根の硯』を北朝鮮に送ったか?
東亜、Aさん動画モザイク報道、扇情的放送

最も目立つ不良放送の特徴はメインニュースの報道件数だった。

▲ヘッドライン、オープニング、クロージング、スポーツニュースは比較のために除いた[出処:民主言論市民連合'朝鮮・中央・東亜放送モニターチーム'](訳注:縦の列は日付、横の行は上から朝鮮、中央、東亜、MBC)

報道件数では、中央と東亜総編で特に著しかったが、二つの総編は週末メイン ニュースの報道件数が急減する傾向を見せた(上の表参照)。放送最初の週の週 末だった12月3日と12月4日のメインニュースは天気、クロージング、スポーツ ニュースを除く報道件数が、中央、東亜が各々8件と11件、10件と9件だった。 これは同日MBCの報道件数21件と20件の半分程度でしかない。このような報道の 姿勢はモニター期間全体にわたりあらわれる。

それでも朝鮮総編だけは開局初期に右往左往していたものの、他の総編よりも 落ち着いている様子を見せた。しかし朝鮮総編は記事配置の面で問題の重要度 や時宜性など、一般的なニュース選定基準と大きな差があった。

開局初日、当時問題だった安哲秀(アン・チョルス)院長の記者会見より朴槿恵 (パク・クネ)前代表のインタビューを冒頭の話題として重く扱ったのをはじめ、 12月6日の報道では当時、最大の懸案である選管委ホームページのサイバーテロ 事件の報道を後に回し、国民政府の時に現代が北に送金した時の『秘密資金疑惑』 等を最初の話題から3つ目に報道する態度を見せた。

問題の重要度や時宜性の面では、中央と東亜総編も似ていた。中央も開局初日、 朴槿恵前代表のインタビューを重く扱い、最初の話題で日本が『安重根の硯』 を北朝鮮に送り関係を改善しようとしているという内容を扱った。12月6日と 7日には、北朝鮮食糧問題とアデン湾チョンヘ部隊広報企画報道を最初の話題 として報道し、選管委サイバーテロ事件は後に押し出された。

東亜総編は賭博、性暴行事件などの扇情的アイテムを集中配置する姿を見せた。 12月4日の光州インファ学校性暴行事件を最初の話題に扱い、12月5日も『地方 自治体の支援を受けた観光ホテルの性売買』問題を最初の話題に扱った。それ ばかりかAさん動画の流布、勃起不全治療剤、オーストラリア遠征売春などの 扇情的なニュースアイテムを連日報道した。

朝鮮〈裏面ニュース〉... 朴槿恵は持ち上げ、野党圏の人物はこき降ろす

朝鮮・中央・東亜放送の理念的な偏向性も、やはり深刻な水準だった。理念的 偏向性の特徴的な部分は、やはり朴槿恵のクローズアップと野党圏、安哲秀の 粗捜しに代表された。偏向性の点で一番目立つ放送は朝鮮総編だった。

朝鮮総編は〈裏面ニュース〉という、YTNの〈突発映像〉と似た動画コーナーで、 キム・ソンドン議員の催涙弾事件を「#主演男優賞〈手榴弾の代わりに催涙弾〉 民主労働党キム・ソンドン」と皮肉り、国会暴力事態を浮上させた。

また、12月7日には〈比較体験・両極端〉という題で朴元淳(パク・ウォンスン) ソウル市長の姿を悪意的に編集してパク市長を攻撃した。パク市長は市民に歓 待され、国会で叱責される姿を動画に編集され、無能な市長として描写された。

朝鮮総編は、集中して『朴槿恵クローズアップ』をした。前には同じ〈裏面 ニュース〉のコーナーで「女王の帰還」という字幕と共にハンナラ党非対委員 長として政治一線に復帰する朴槿恵前代表を露骨に「女王」と持ち上げ、28日 にはハンナラ党非常対策委が「すでに李明博大統領との差別化を試みている」 と報道し、李大統領と大差のない朴槿恵非常対策委の成長中心経済政策を、 「李明博政権の大企業中心の成長基調と差別化」と報道した。

そればかりか、朝鮮総編は野党圏の有力な大統領候補の安哲秀院長はこき降ろ しに汲々とした。安院長が記者会見した1日と2日、続けて安院長関連の報道で、 安院長が言う寄付の姿が『曖昧だ』と疑惑を提起した。

また、〈『理念論争』より『感動リーダーシップ』〉という報道で、安院長の 支持率上昇の原因を扱い「安院長は政策を語っていない。国家観を明らかにす ることもなかった」と巧妙に粗捜しをした。

中央、連想化、朴正煕美化、親日的放送

中央総編は、全般的に断片的な状況羅列報道、連想化報道の態度を見せ、一部 の報道では朴正煕政権美化の動きを見せた。12月13日、ポスコの朴泰俊(パク・ テジュン)前会長死亡のニュースで、朴正煕の側近だったパク前会長を5.16クー デターから除外した理由はクーデターが失敗した時に家族を任せるためにだっ たことを明らかにし、朴正煕の人間的な面を見せた。

これより前の12月10日、『チョン・ジンホンのヒューマンパワー』というイン タビュー番組では、『コリアゲート』パク・トンソン氏にインタビューをして、 朴正煕は国家への責任感で3選改憲し、独裁の意図はなかったなどの一方的主張 を露骨に送りだした。

特に中央総編には日本のTV朝日が3.08%(130億)を投資しており、開局当初から 日本の総理を載せるといった報道態度を見せている。

12月2日メインニュースの開局特集で、日本の極右的人物である野田総理を単独 インタビューし、野田総理の極右的な歴史認識と発言を露骨に伝え、「竹島に 関するわが国の姿勢には変わりがない」という野田総理の発言をむしろ「独島 問題には断固としつつ、非常に用心深い立場を見せた」と擁護する姿を見せた。

12月6日には朝鮮王室図書の帰還を「日本の決断」であるかのように意味を付与 した。報道は「日本政府が自民党の反対を押し切って、図書返還を決断したの は、中国の台頭に対抗するため」とし「隣国韓国との関係がいつよりも重要だ と判断したため」と説明し、儀軌の返還を日本政府の「決断」と表現した。

東亜、過度な扇情主義

東亜総編は、午後7時に放映される〈生放送芸能人サイド〉で、12月6日『19禁 演劇』を素材にして男女間の性関係を赤裸々に描写する場面を放送した。ドラマ 〈ハッピーエンド101種類の夫婦の話〉では正常ではない夫婦関係と姑と嫁、夫婦 間の暴力行為など過度な扇情性と暴力性などで放通委から制裁を受けた。

そればかりか日曜午前11時に放映される映画番組〈ムービーホリック〉では 『19禁映画』を集中紹介するコーナーで、出演者の暴言水準の発言をそのまま 放送している。東亜本紙が批判を強めている青少年の暴力性、扇情性は知った ことではないという報道態度だ。

朝鮮・中央・東亜放送とも、共通して時事番組出演者などの与党雪崩れ現象が 目立った。

▲時事番組の与党人物偏重傾向[出処:民主言論市民連合'朝鮮・中央・東亜放送モニターチーム'](訳注:横の行は上から朝鮮、東亜。縦の列は、左から与党、野党、学者、法律家、ジャーナリスト、医師、スポーツ選手、タレント、その他、合計)

進行者と出演者が対談形式で進める番組の中で朝鮮総編の〈チェ・パクの時事 トーク〉と、東亜総編の〈パク・チョンジンの快刀乱麻〉に出演した出演者の 相当数が李明博政権関係者か、ハンナラ党所属の政治家などの与党要人だった。 朴槿恵、チョン・ドゥオン、イ・ドングァン、イ・ジュンソク、ホン・ジュン ピョ、カン・ヨンソク、コ・スンドクなどの与党議員が二つの放送に合計20回 出演したが、野党圏の人物は3回の出演に終わった。(上の表参照)

朝鮮総編に出演した野党圏の人々も、ヨム・ドンヨン、キム・テラン前民主党 議員とイ・フェチャン自由先進党議員で、民主統合党、統合進歩党などの野党の 政治家はなかった。

中央総編も〈悪魔の質問〉という一種の討論番組で、キム・ジョンフン外交通 商部通商交渉本部長(12月2日)、シン・ジホ ハンナラ党議員(12月9日)、クァク・ スンジュン未来記画委員長(12月16日)、パク・セイル韓半島財団理事長(12月 23日)、チョン・ウォンチェク弁護士(12月30日)などの与党の人物が主に出演 する姿を見せた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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