韓国:3年間、政府批判番組は弱まった | |
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「PD手帳、追跡60分3年間、政府批判は弱まった」MB政権の調査報道番組弾圧の成果か
キム・ドヨン記者 2011.05.17 19:35
調査報道番組への李明博政権の持続的な弾圧が、一定の成果を上げているようだ。 MB政府が執権したこの3年間、代表的な調査報道番組の主題が軟化して、政府の 批判が弱まっている傾向を示す統計が発表された。 『PD手帳死守と言論の自由守護共同対策委員会』主催で5月17日プレスセンター の外信記者クラブで『李明博政権の時事報道弾圧と対応討論会』が開かれた。 この日の討論会で問題提起をした公共メディア研究所のキム・ドンジュン研究 室長は、李明博政権が発足した2008年2月25日から2011年2月24日までの3年間、 KBSの『追跡60分』とMBCの『PD手帳』、YTNの『突発映像』等、各放送局の調査 報道番組を分析した結果を発表した。彼は調査報道番組を報道分野、報道主題、 主要取材対象、主要批判対象などの項目に分け、時期別に変化を見た。 PD手帳、追跡60分、権力型主題や政府批判は着実に減ったキム・ドンジュン研究室長によれば、KBSの追跡60分は、報道分野での政治分野 の報道が着実に減少した。彼は「政治分野は2008年に10.9%だった報道の割合が 毎年1%ずつ減り、2011年2月には8.9%に減ったが、教育分野は就任後3年間で 7.3%から13.3%へと報道の割合が上昇している」と明らかにした。 追跡60分は報道の主題でも、李明博政権3年目に権力者の報道がなく、経済問題 と非権力型主題のうち事件、事故の報道が増加した。取材対象も青瓦台と政府を 対象とするものが減り、一般人を対象とする報道は増え、3年目には青瓦台を 対象にした取材はまったくなかった。 キム・ドンジュン研究室長は「我が国初の調査報道番組の追跡60分は文民政府 の前までは、政治(権力)の報道が1.9%しかなかったが、文民政府の時には 10.7%、国民の政府では17.1%、参与政府では20.5%と次第に増えた。だが今回の 調査の結果、政治分野の報道は9.9%しかなかった」とし「こうした結果は文民 政府の時よりも低い水準で、素材が軟化していると指摘できる」と話した。 ▲左からキム・ユジン民主言論市民連合事務局長、オム・ジュウン前放送通信審議委員会常任委員、キム・ドンジュン公共メディア研究所研究室長、カン・ジウンMBC本部事務局長、ソン・ジェホKBS本部公推委幹事、パク・チュンソク言論労組民実委委員長[出処:全国言論労働組合] MBCの代表的な調査報道番組であるPD手帳も、小幅だが権力型主題が減る傾向を 見せた。時期別に58.9%と高い割合を占有していた権力型主題が2年目に48.8%、 3年目に44.1%に減少した。だが非権力型主題は初年度の41.1%から2年後には 55.9%に増加した。 PD手帳も政府部署の取材は減少する傾向を見せ(2008年11.1%で1年後7.5%、2年 後6.8%にまで減った)、批判の対象も行政府や企業に対する批判ははっきり減っ た。行政府の批判は1年目の23.3%から2年目に21.3%、3年目には10.2%で減少し、 企業の批判も1年目に9.6%、2年目に8.8%、3年目には6.8%に減ったことが明らか になった。 キム・ドンジュン研究室長は「李明博政権の数え切れない外圧にもかかわらず、 PD手帳は権力不正や構造的問題などの権力型主題に対して他社の調査報道番組 より多くの報道をしているが、権力型主題の取材が減少して、取材対象と批判 対象についても権力の核心である政府部署と行政府が減少する傾向は注目すべ き点」とし「李明博政権に入って執拗かつ持続的に維持されたPD手帳への弾圧 が実を結ぶのではないかと憂慮する」と話した。 李明博政権になって、放映中断まで行われたYTNの突発映像は、製作スタッフの 交替以前と以後に機械的中立が増加したことが明らかになった。キム・ドンジュ ン研究室長によれば、「製作スタッフが交替した2009年8月17日を基準として、 17日以前の突発映像15件と以後15件を比較分析すると、製作スタッフ交替前は 直接・間接的に批判的な論調があるケースは13件で、交替後は7件しかなかった」 とし「批判的論調が減り機械的中立が増えた事実は明らかだ」と伝えた。 キム・ドンジュン研究室長は李明博政権発足後の調査報道番組への弾圧事例を 類型ごとに分類した。△放送通信審議委-放送通信委-理事陣の協調、△社長任命 反対闘争後の懲戒、△定期改編および組織改編、△内部審議、△公権力の力の 行使の五種類だ。 彼はそのうち最も重要な放送統制、掌握の経路は「『放送通信審議委員会-放送 通信委員会-放送局理事陣』という三つの制度的行為者の『三角同盟』」を指定 した。放送通信心委は、放送掌握の内容的根拠を提示してその根拠を受け継ぎ、 実質的な統制を行使する理事陣の任命を放送通信委が遂行しているということだ。 こうした『三角同盟』により、MBCのオム・ギヨン社長とKBSチョン・ヨンジュ 社長が退任した。 最も多い弾圧事例を記録したのは定期改編と組織改編による弾圧だ。問題提起 によれば、KBSはイ・ビョンスン社長就任直後の2009年9月17日、所属チーム長 や部長と何の協議もなく47人に『電撃』辞令を出し、調査報道チームは事実上 解体する状況になり、MBCは2010年9月、2009年7月に任命された放文振の理事が、 後プラスなど8本の番組を廃止した。こうした組織改編による弾圧は、最近の PD手帳製作スタッフの人事異動、『世界は、そしてわれわれは』進行者のキム・ ミファ交替などの形態で相変らず進行中だ。 「KBS 9時ニュース『5.16功過論難』報道...これでは『韓日合邦論難』まで報道しかねない」この日の討論会にはカン・ジウン言論労組MBC本部事務局長とソン・ジェホ言論 労組KBS本部公正放送推進委員会幹事が討論者として参加し、各放送局内部の 雰囲気と対応を伝えた。 ソン・ジェホ幹事は「昨日のKBSの9時ニュースに5.16軍事クーデターに関し、 二つのアイテムが放送されたが、その一つが『5.16 50年、功過論難は相変らず 進行中』だった」とし「こういうことでは『韓日合邦、相変らず論難中』とい うものも報道しかねない態勢」と糾弾した。 彼は続いて「この3年間は単に10年前に戻ったのではなく、87年以後勝ち取った それなりの形式的民主主義体制そのものを根本からひっくり返す反動的な試み が着実に続いてきた」とし、内部製作の自主性を確保する制度的装置作りを強 調した。ソン・ジェホ幹事は「3年間、内部的な戦いを可能にしてくれたのは、 放送法が規定する放送編成規約と労組が持つ団体協約だった」とし「これから 5.16や李承晩特集のような官製番組が大量に生産されることを防ぐために放送 局内に詳細な制度的装置を考え、用意しなければならない」と話した。 制度的装置だけに期待できないMBCの場合、関心と連帯を要請した。カン・ジウ ンMBC本部事務局長は「これまでは、なんとか製作スタッフが自律性、創意性を 認められ、番組を作る根拠になっていたのが労組団体協約と公正放送協議会の 運営規定だったが、最近、使用者側が労組に団体協約解止を通知するなどで、 状況がせわしく進んでいる」とし「今まで油断して何発か食らったが、反撃の 機会にしたい。熱心に戦うので、外でも応援してほしい」と話した。 一方、オム・ジュウン前放送通信審議委員会常任委員は、審議制度そのものの 統制の危険について問題提起した。彼は「放送の報道番組、コンテンツに対し て番組単位で介入する強制的形態の審議制度を持つ国は韓国だけ」とし「審議 制度自体に放送統制機構として作用できる種が存在している」と指摘した。 彼は続いて「ジャーナリストの内部的な努力も重要だが、統制機構に突破口を 開かなければとても苦しくなる」とし「放送通信審議委はじめ、放送統制機構 が掲げた2つがある。その2つを利用して介入を暴露し一方放送に対する自由 主義的モデルが必要だ」と話した。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2011-05-19 07:38:34 / Last modified on 2011-05-19 07:38:42 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |