本文の先頭へ
韓国:「総編特典、放送法改正しても防げ」
Home 検索

「総編特典、放送法改正しても防げ」

『朝鮮・中央・東亜放送の反則特典阻止の立法討論会』を開催

キム・ドヨン記者 2011.05.19 19:10

総合編成チャンネル(総編)の特典を防ぐ方向で放送通信発展基本法(放送法)を 改正しろという主張と共に、具体的な案が提示された。

5月19日『朝鮮・中央・東亜放送退出無限行動』とチョン・ジョンベ民主党議員 室が主催し、国会議員会館125号で『朝鮮・中央・東亜放送の反則特典阻止立法 討論会』が開かれた。この席で問題提起をした公共メディア研究所のチョ・ジュ ンサン所長は、「総編はSBSなどの民営地上波放送とコンテンツサービスの水準 で同じメディアであり、したがってコンテンツ層の規制は同じであることが妥 当で、編成と広告などについては最大限同じ規制を受けることが原則」とし、 総編特典を規制する放送法改正案を提示した。

チョ所長はこうした主張の根拠として、2010年3月に制定された放送発展基本法 第5条第1項を上げた。放送通信規制の原則を規定する該当条項は、「放送通信 サービスの特性や技術、または視聴者と利用者のサービス受け入れ態度などを 総合的に考慮して、同じサービスと見られる場合は同じ規制が適用されるよう に努めなければならない」と叙述している。

彼は、「放送通信委は『総合編成チャンネルはPPだけ』という態度を固守し、 地上波放送と同じ総合編成チャンネルである点を無視した総編の規制空白問題 に沈黙してきたが、これは放送通信委自らが強調してきた『水平的規制体系の 導入』の原則を否定するもの」とし「この条項により、放送通信委の総編特典 に対する法制度的な手段を講じることができる」と改正案の背景を説明した。

▲チョ・ジュンサン公共メディア研究所所長

チョ・ジュンサン所長が総合編成チャンネルが受けている代表的な特典として あげたのは、△義務送信(編成)の地位、△編成規制非対称、△広告規制非対称だ。

チョ所長は「受信料と密接に関連する公営放送チャンネルのKBS1やEBSと同じよ うに、総編に『義務送信地位』を付与しているのは総編への最大の特典」とし 「KBSとEBSに対し受信料の分離会計という明確な責務を付与し、これを義務 送信の拡大と連係しなければならない」と話した。

彼はまた「地上波を普遍的サービスと規定していることを発展させ、全地上波 放送を無料普遍的な『公共サービス放送』と規定し、無料普遍的な公共サービ ス放送に自分たちの番組をすべてのネットワーク事業者に義務提供をする責務 を賦課し、あとの地上波放送の番組はネットワーク事業者が送信の可否を決め るが、コンテンツ使用料を地上波放送に支払うようにしよう」と提案した。

続いてチョ所長は「総編は、『公共財の性格を帯びており、限定された周波数 を使用する』地上波放送と違い、義務提供の責務は付与するのが難しい」とし 「したがって義務送信の地位を付与する現在の特典を廃止して、総編とネット ワーク事業者の自主的な交渉に委ねることが妥当だ」と付け加えた。

総編事業者は地上波と違い、内部製作番組を最大50%まで、外注製作番組は週 視聴時間帯基準で15%まで編成すれば良い編成規制の非対称に関し、チョ所長は 「現在の放送法により、有料放送プラットホーム(ケーブル、衛星放送、IPTV)が 総合編成チャンネルを義務再送信しなければならないのであれば、地上波に 準じる水準の規制が適用されるべきで、さもなくば義務再送信の規定を削除 しなければならない」と話した。

それと共に彼は「韓米FTA協定による投資家-国家訴訟制により、義務送信の地位 を廃止することが国益次元で有利だ」と付け加えた。当局が今後、総合編成 チャンネルの義務編成、義務送信を廃止すると、このために総編に投資した 外国資本がこの損失を理由に提訴できるということだ。

チョ所長はまた、放送通信委が専門医薬品・医療機関の広告許容、広告総量制 拡大など、総編事業者の広告規制を緩和しようとしていることについても、 「広告総量制導入は全広告市場への影響を考慮し、メディア・レップ(広告代理 店)競争体制を導入し、定着した後に議論すべきだ」とし「中間広告は有料放送 市場の中間広告の正常化が先だ」と指摘した。放送通信委は、現行の放送法に よれば、ケーブルのような有料放送プラットホームの場合、時間当り最大12分 までが可能になっている広告時間を14〜15分に延す方案を計画中だ。

広告総量制に関しては、言論労働組合のイ・ガンテク委員長が「条件付きで見 られる問題でない」と意見の差を示した。この日、討論者になった李委員長は 「総量制を実施すれば、広告がつかない番組が一か月で廃止されることが何度 も起き、ドキュメンタリーは深夜時間帯程度ではなく多分相当の放送局で部署 そのものがなくなったり、何とか命脈を維持することになる」とし「これほど 深刻な変化を招く事案なのに、広告制度に関して話すのは困る」と話した。

総編に地域別放送の責務を賦課しろという主張も提起された。聖公会大新聞放送 学科のキム・ソジュン教授は「首都圏を基盤とする番組と中央ニュース中心の 報道があふれると、情報と文化の首都圏集中化、深化を予想できる」とし、 「言論は民主主義を維持するために地域性を担保しなければならず、総編もそ うした義務から自由ではない。技術的な限界があるのなら、編成義務を通じ、 地域性を担保する方法を見つけなければならない」と話した。

言論人権センターのチェ・ソンジュ常任理事は、もうメディア法のバラ色の包装 を剥がす時期だと指摘した。チェ理事は「ハンナラ党がメディア法を推進し、 初めから言っていた巨大メディアグループ育成、雇用創出などを根拠に提示 していた」とし「これらの部分をまた思い出して、本当にそうなのかと検討する 時期」と強調した。

民主党のアン・ジョンサン首席専門委員は、「民主党が指摘されたほとんどの 内容を含む放送法改正案を近い将来完成させ、6月に臨時国会が開かれれば6月 第1週に提出する」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-05-21 05:56:27 / Last modified on 2011-05-21 05:56:35 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について