韓国:[IPTVがやってくる](5)視覚障害者インタビュー「IPTVへのアクセスは絶望的」 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第4回(2024/10/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
障害者に「IPTV」は絵に書いた餅![IPTVがやってくる](5)視覚障害者パク・キュミン インタビュー「IPTVへのアクセスは絶望的」
チョ・スビン記者
bination@jinbo.net / 2008年02月14日9時51分
視覚障害者であるパク・キュミン障害者メディア運動ネットワーク活動家は、 主にインターネットを通して世の中と出会う。毎日1時間、大統領引継ぎ委員会 の動向から「羅勳兒怪談」に至るまで、さまざまな噂などをポータルと各種ドッ トコム新聞社を通じて伝え聞く。パク・キュミン活動家は最近業務引継ぎ委員 会の動向を最も関心をもって見守っているという。しかし相変らずなんとなく 反論コメント文などの意見文を掲載するには消極的だと話した。 パク・キュミン活動家は「インターネットでは多少気楽にコミュニケートでき るようになった」と話しながらも「現在のメディア構造でも障害者は不公平な 条件に置かれている」という。無料サービスを基盤とする開放型メディアであ るインターネットは、比較的容易にアクセスできるが、相変らずパク・キュミ ン活動家のような障害者にとってはインターネット空間も障壁であることに違 いはない。チャムセサンは、1月24日にミディアクトで開かれた「IPTVを中心に したメディア運動対応戦略フォーラム」でパク・キュミン活動家と会った。 ウェブでも技術支援ができていないのに、IPTVは格別だろうか? パク・キュミン活動家のコンピュータには、文字を音声に変換するソフトが一 つ入っている。パク・キュミン活動家はこのソフトが市場に発表された2003年、 40万ウォンを払って購入した。政府の支援を受ければ80%が支援され、8万ウォ ンでこのソフトを購入することもできる。無料ソフトもあるがサービスの質が 低く、事実上利用できなかったとパク・キュミン活動家は言う。 「インターネットを利用できたのは、音声ソフトを利用しているためだ。音声 ソフトは有料と無料に分れるが、無料ソフトはかなり使いづらく、インターネッ トの情報を見る時に早く正確にアクセスできないため、事実上利用できないと 考える方がいい。結局、有料ソフトを使わざるをえない。このソフトの価格は 40万ウォンだ。半年に一回情報文化振興院に申請し、選ばれれば20%の利用料金 で使える。国民基礎受給者と重症1、2 級受給者が優先される」 パク・キュミン活動家は「政府の助成を受けても基本的なアクセスのために約 10万ウォンの費用がかかるのは、障害者にとって大きな負担」と伝えた。現在、 パク・キュミン活動家は、インターネットでのニュースやメールの確認以外に は他の情報にもアクセスできない。イメージや動画なら、音声変換ソフト以外 の画面解説ソフトウェアが別に必要だが、そのための技術的な支援は何もない 状況だ。 [出処:ミディアクトイメージhttp://www.mediact.org)] パク・キュミン活動家は「政府は、言葉では字幕放送と画面解説などを拡大し ていると言っているが、実際にはそうではない」とし「民間業者への制裁は全 くない」と指摘した。パク・キュミン活動家はまた「業者間の利害関係のため 協約が結ばれず、商用化されない」と付け加えた。インターネットが普及し、 パク・キュミン活動家のメディアへのアクセス性は高まったが、イメージ中心 に構造化されているメディア環境ではパク・キュミン活動家のような視覚障害 者のアクセスは遮断されざるをえない。コンテンツ解読の問題以上に、障害者 はコンテンツそのものにアクセスできない状況に置かれている。パク・キュミ ン活動家などの障害者メディア活動家が作成したメディア融合報告書を見れば、 次のような内容が確認できる。 「現在、情報通信での障害者のアクセスはウェブ中心だ。ツール(キーボード・ ナビゲーション、フラッシュ、JAVA、使用者の要求なく表示されるポップアッ プ・ウィンドウ許容、ucc接近)についての議論はない。そのため障害者はホー ムページの情報が理解できず、オンラインで自由な意思を表出する機会が遮ら れている。予算不足と技術不足などの理由が提示されるだけで、障害者のため のサイト構築を考慮するウェブ標準化とかけ離れており、普遍的サービスとし てのアクセスには非常に不備であるということが現実だ」 パク・キュミン活動家を含む障害者メディア運動活動家は最近、ミディアクト、 進歩ネットワークなどのメディア運動活動家と共に「融合メディアでの公共性 実現」のためのメディア融合報告書作成に参加した。パク・キュミン活動家など 障害者メディア運動活動家が共同で作成したメディア融合報告書で、障害者な ど少数者の権利の部分で「IPTV」等のメディア融合局面での障害者接近性確保を 主張している。 パク・キュミン活動家はまた「ウェブアクセスは視覚、聴覚障害者中心の法で、 ソフトウェアに対する規制は全くない」と指摘した。 パク・キュミン活動家など障害者メディア運動活動家たちは、メディア融合報 告書で「視覚、聴覚、肢体および知的障害に対する言及は、具体的ではないが あるものの、その他の障害者は全くアクセス権もない状況」とし「これ以外に もさらに多くの類型の障害を持つ人々もおり、さらに多くの調査と特性を考慮 した指針を用意すべき」と指摘している。メディア接近権のための支援や研究 も、視聴覚障害者に集中しているという。障害者メディア運動活動家は、口を 揃えて研究と調査のための支援が必要だと強調する。 「メニュー画面で止まってしまった障害者の接近権」 [出処:myLGTV -メニュー画面(http://www.mylgtv.com)] 現在のウェブの状況がこの調子なら、商用化を目前にしている今、IPTVでの障 害者の接近権は絶望的だ。パク・キュミン活動家はIPTVが実現されれば、どの 程度はアクセスできると考えるかという質問に対し、かなり否定的な意見を表 明し、「スイッチをつければ出てくる初期メニュー画面から先にはアクセスで きないのではないか」と問い直した。障害者がIPTVにアクセスすることは事実 上不可能だとパク・キュミン活動家は予測しているわけだ。リモコンで調整し なければならないという問題もあるが、イメージ中心のTVでは視覚障害者のた めの画面解説ソフトが普及しなければ、IPTVは障害者にとってそれこそ絵に書 いた餅でしかない。 障害者メディア活動家たちは闘争の過程で至急に改正すべき部分として放送法 を選んできた。2006年に改正された現在の放送法には、1章の3条、6条、3枚の 27条、38条などで「障害者など放送疎外階層の放送接近のための支援」の内容 が含まれている。放送法第5章第69条には「放送事業者は大統領令の定めにより、 障害者の視聴を助けるよう努力し、必要であれば放送委員会は基金でその経費 の一部を支援することができる」と明示されている。 施行令で具体的な規制内容が含まれる可能性は残るが、IPTV関連法案の「イン ターネット・マルチメディア放送事業法」には母法である放送法に明示された 宣言的な水準の規制内容も全く含まれていない。12月28日、議論の末にインター ネットマルチメディア放送事業法が国会本会議を通過した。IPTV関係法である この法が3年間漂流した理由は、放送事業者と通信事業者、端末機事業者など 利害関係のある事業者の対立と該当部署間の意見の違いのためだった。 IPTV関係法が国会の本会議を通過し、本格的なIPTV事業が実施されることにな り、機構関連法の進度は早まるものと見られるが、基本的な視聴者権利の定立 や少数者の権利保障に関する議論は無視されている。 ミディアクト、言論改革市民連帯などのメディア運動陣営は「IPTVは単に従来 の放送と通信サービスの一部を統合するのではなく、これからのメディア活用 の方式を質的に変える新しい時代の序幕を意味する」とし「今後デジタル転換 と機構、および法制の改編によって加速するメディア融合環境で、市民の情報 共有と文化生活、民主的世論形成の方式を決めるに当たって重要な役割を果た すだろう」と指摘した。 パク・キュミン活動家は障害者メディア活動家と共に作成したメディア融合報 告書を根拠に「IPTV関係法案に国家と地方自治体の義務の部分を明示し、関連 製造業者などの通信製品設計、加工の過程で障害者の利用を考慮するようにし なければならない」と主張した。 有料コンテンツサービスのためのIPTV、少数者の権利保障はオプションではなく必須だ [出処:メガTV -バンキング システム(http://www.mymegatv.com)] 一方、現在チャムセサンが企画している「IPTV特別企画IPTVがやってくる」へ の読者の意見は、「IPTV」への大衆の期待はこれほど高いが、その期待の内容 は漠然としている。気をつけろというメディア研究者や専門家たちさえIPTVの 波及力についての具体的な内容は言わない。いまIPTVの商用化段階は目前だ。 産業論理のプロセスも同じですでに大衆は「IPTV導入後、問題を補完する」手 順を追っている。 有料サービスを基盤とするIPTVは、障害者だけでなく普遍的に低所得層への 支援対策も至急な問題だ。 あなたはIPTVを使ってポータルに接続し、ポータルでmp3を検索したと仮定しよ う。あなたのニーズを確認したIPTVはその翌日からあなたに最新のmp3製品の広 報をすることもできる。携帯電話にクレジットカードを装着するように、さら にその場で決済ができるとすれば? IPTVは、商業的に最も有益な装置であるだけでなく、有料コンテンツサービス を基盤に置いているため、必然的に上位少数者のために差別化したコンテンツ を提供せざるをえない。これに伴い情報の独占と二極化はさらに精巧になるだ ろう。メディア権力構造の激変的な再編を持たらすIPTVの導入に先立ち、排除 された少数者の権利についての議論をすぐに始めるべき理由がここにある。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-02-17 11:28:08 / Last modified on 2008-02-17 11:28:09 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |