本文の先頭へ
韓国:民主党、交渉派・反対派が「体当たり」をめぐり対立
Home 検索

「交渉派、民意には目を塞ぎ、体当たりイメージに懸命」

鼓膜破いてまでFTAに反対するのに民意を無視する交渉派

キム・ヨンウク記者 2011.11.17 19:26

李明博大統領が11月15日に国会を訪問し、韓米FTA「先批准・後再協議」カード を投げた後、民主党はひとまず『先再協議、後批准』の党論は固守すると明ら かにした。民主党は16日の議員総会で確定した党論は、「韓米FTA発効後3か月 以内に再協議するという大統領の口頭発言は、党論を変更する理由にならない」 とし「ISD(投資家国家訴訟制)廃棄・留保のための再協議をいますぐ始めるとい う両国長官級以上の書面合意を受けてこい」ということだった。

国会批准同意前にISD廃棄や留保を目標とする再協議の約束を両国が書面で合意 すれば、党論変更を議論する議員総会を開くということだ。また現在の韓米 FTAには反対するが、ISD再協議の約束の確実性によって、体当たりで阻止するか、 採決で反対するかを決めるということだ。

このように、民主党があい昧な党論に流れるまで、その中心には体当たりで 阻止するのか、言葉でするかが議論の中心にある。

交渉派が体当たりを理由に、党論と違う『ISD再協議の約束の後に批准』という 折衷案を出し、体当たりを見せない国会を強調し、ハンナラ党の議員も体当た りを防ぐために民主党が折衷案を受け入れるよう要求した。

しかし体当たりの場面だけは避けるという与野の交渉派の態度こそ、民意に 反し、自分たちのイメージ作りに汲々とするものという批判がある。特に韓米 FTA阻止のために、市民は毎晩、キャンドルを持ち、放水銃で鼓膜を破られてまで 反対の声をあげている状況で、交渉派への非難もさらに強まっている。

民主労働党のシン・チャンヒョン副報道担当者は、「市民は韓米FTAに反対する ために国会外で警察から殴られているのに、民主党交渉派は自分たちのイメージ だけを考えている」とし「民主労働党がからだで防ぐといったのは、韓米FTAは 国益と国民の生活がかかった問題だからだ。体当たりをしないということだけを 強調するのは、国益の前で無責任な論理」と批判した。また「交渉派は跛行や 暴力を防ぐというが、事実上の強行処理を黙認するもの」とし「議員職にこだわる もの」と非難した。

韓米FTA阻止汎国民運動本部に参加している民主労総のチョン・ヒソン副委員長 は、「国会は民意を代弁する役割を基準に判断すべきなのに、体当たり問題が 基準になってしまった」とし「国を売り飛ばそうとしているのに、体当たりに よるイメージだけを心配する問題か」と非難した。チョン・ヒソン副委員長は 「大統領がきて、民主党の党論が強行採決をからだで防ぐということから一部 が軟化したようで心配だ」とし「交渉派は国会で体当たりや乱闘を見せるのが 一番良くない姿で、やめしなければならないという論理を繰り広げ、政治は妥 協だと主張するが、民主党は韓EU FTAのように形式的な反対だけではいけない」 と心配した。

彼は最近の国会の雰囲気をめぐり、「与野を問わず予算案の処理で、自分の地元 ばらまき予算に関心が高いようだ。FTAが後回しにされるような印象を受けている」 と話した。

民主党強硬派、金振杓に署名伝達

だが体当たりも辞さないと強調する民主党強硬派議員と民主労働党議員は、 交渉派と違い自身のイメージより韓米FTAの致命的な問題に注目する。

この日、鄭東泳(チョン・ドンヨン)、キム・ヨンノク、イ・ジョンゴル、チョ・ べスク議員など、民主党議員46人は金振杓(キム・ジンピョ)院内代表に 「『先ISD廃棄、後韓米FTA批准同意案処理』の党論を守り、強行処理を容認 しない」という内容の署名を伝えた。

民主党のキム・ヨンノク議員は、「私たちと体当たりしたいのか」とし、 「ISD毒素条項を廃棄せず批准を強行すれば、体で阻止するほかはない」と強調 した。キム・ヨンノク議員は「李明博大統領がFTA発効後にISD再協議するといっ たが、メキシコはNAFTAの農業問題で国民的反発がおき、発効後に再協議しよう としたが、再協議の約束は守られなかった」とし「政府がISDの再協議をすれば 単独審議制を2審制にするか、仲裁裁判官交替のような枝葉的な問題だけで終わ るだろう。批准前に再協議して廃棄する方向で実質的な成果がなければ批准は できない」と釘を刺した。

民主党のチョ・べスク最高委員も、「韓米FTAの致命的な毒素条項は、わが国の 経済主権を侵奪すること」とし「これを知った以上、国民のひとりとしてFTAを 通過させないようにすることが当然の義務だ。間違って通過すれば歴史から拭 えない」と説明した。チョ・べスク議員は「今、国民は韓米FTAの実体をよく知 りつつあり、SNSやキャンドルで阻止の意思を表明している」とし「民主党は、 最後まで国民と共に防ぐ」と明らかにした。

鄭東泳最高委員も「19日の集会が重要だ。国民が参加してほしい。国民が反対 すれば、政権はおじけづいて批准できない」と明らかにした。

イ・ジョンゴル議員も「少数の議員だが、決死抗戦の姿勢で米国の植民地状態 に行く手続きを防ぐ」とし、体当たり阻止のはっきりした意思を示した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-11-18 11:54:15 / Last modified on 2011-11-18 11:55:15 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について