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韓国:6人が死んだボリビア水戦争、ISDは「怪談」ではない
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6人が死んだボリビア水戦争、ISDは「怪談」ではない

[寄稿]朝鮮日報が私を怪談流布者だと決めつけたがこれは歴史的事実

@mg2017 2011.11.05 08:31

[編集者 注] 「最近出回っている『ボリビアの怪談』は、こうした怪談 拡散構造の典型を示す。先月29日、『マルクス主義進歩左派』と自己紹介する ネチズンが、自分のツイッターに『米国とFTAを締結したボリビアの上水道は、 多国籍企業のベクテルに売られ、水道水の価格は4倍に上がった。貧民が雨水を 集めるとベクテルは水道水事業が損害を受けたとしてボリビア政府を告訴した。 結局、警察は雨水を溜める容器を摘発して税金を賦課した』と書いた。米国と ボリビアはFTAを締結していないが、この話はツイッターを通じ『無限リツイー ト(転載)』された...国会外交通商委民主党幹事のキム・ドンチョル議員はある 新聞のインタビューでこの内容を引用し、左派指向のある新聞は、これを1面で 報道した」。

上の内容は、11月4日の朝鮮日報の記事だ。朝鮮日報などは、現在話題になっ ているFTAとISD(投資家国家訴訟制度)の外国の事例を怪談だと低く評価し、 こうした「怪談」の拡散を積極的に遮断している。チャムセサンは、朝鮮日報が 怪談の流布者と指定したツイッター@mg2017を探し、朝鮮日報報道に対する反論 の寄稿を要請した。

ボリビア水戦争は「怪談」ではなく、最近の「歴史的事実」

11月4日、朝鮮日報は私が書いたツイートの一つを韓米FTA怪談として報道した。

以下は、私が10月29日に書いたツイートだ。「米国とFTAを締結したボリビアの 上水道は、多国籍企業ベクテルに売られ、水道の値段は4倍に上がった。貧民が 雨水を集めると、ベクテルは水道水事業が損害を受けたとしてボリビア政府を 告訴した。結局、雨水を溜める容器を警察が摘発して税金を賦課した」。だが ボリビアは米国とまだFTAを結んでいない。

最初のツイッターを書いた2時間後に、私はその点の誤りをすぐツイッターに書き、 私のツイッターをRTしたすべての人に次の訂正事実と追加説明をつけて答えた。

ボリビアの上水道がベクテルという米国の会社に売られ、その後、ベクテルが ボリビア政府を提訴したのはすべて事実だ。ボリビアは米国とのFTAを結んでい ないが、ベクテルが投資家国家訴訟制(ISD)を利用してボリビア政府を提訴した ことも事実だ。

ベクテルは米国企業だが、オランダにペーパーカンパニー(幽霊会社)を作り、 ボリビアがオランダと結んだ両者間投資協定(BIT)に含まれる投資家国家訴訟 (ISD)を利用したのである。

ところが朝鮮日報は6日もたった今日になって、私の多くの訂正ツイッターと、 付加説明ツイッターを無視し、最初のツイッターの誤りだけを強調して「韓米 FTA怪談」と騒いだ。ツイッターに沸きかえる韓米FTA阻止世論に汚点をつけて 冷水を浴びせようとする明らかな意図だ。だがボリビアの事例は「事実ではな い怪奇な話」、つまり怪談ではない。ボリビア上水道の民営化と水戦争は、 韓米FTAと非常に密接で類似の事例だ。

ボリビア民衆とベクテルの水戦争の過程

ボリビアは米国と直接FTAを結んでいないが、IMFの財政支援を受ける経済危機 を経て、実際にほとんどの公共サービス、資源産業を多国籍企業に売り渡した。 そのうちに上水道はIMFによる支援の条件として、米国の多国籍企業ベクテルに 長期施設運営権を渡す形式で海外に売却した。

このようにして水道が民営化された後、水道水の価格は300%以上上がり、元の 値段の4倍で跳ね上がった。すると貧民はやむを得ず、汚染された川の水を飲み 病気にかかったり、雨水を集めて飲まなければならなかった。川岸に水をくみに 行った子供がワニに噛まれて死ぬ事件も頻発した。

ところがベクテルは、貧民が雨水を集めて飲むことを喜ばなかった。水道水の 販売に支障を与えるという理由だった。屋根の容器で雨水を集めると、降水量 が下がるというとんでもない理由をあげた。結局ボリビア政府は貧民が屋根に 設置した雨水受けを摘発した。雨水に税金も課した。

事態がここに至り、2000年1月から3か月間の巨大な民衆闘争が発生した。警察 が銃を撃ち、民間人を鎮圧する「水戦争」が始まり、民衆はボリビア政府に ベクテルの上水道施設運営権を剥奪させた。この闘争を率いたオスカー・ オリベラという指導者が2007年に訪韓して、ボリビア闘争の事例を紹介し、 韓国の水民営化阻止闘争に対する連帯活動をしている。

だが、上水道事業権を失ったベクテルは、ボリビア政府を相手に賠償金を要求 する裁判を始め、ボリビア政府とベクテルの間でのうっとうしい力比べが続い た。ベクテルが最終的にこの訴訟を取り下げてボリビアから完全に撤退したのは、 水戦争が勃発してから6年過ぎた2006年だった。

ボリビアが水戦争で支払った社会的な費用と子供2人を含む6人が死んだ事態は、 公共部門民営化の問題を赤裸々に示す。このように、途方もない社会的混乱を 呼びかねない韓米FTAは、批准すれば協定文破棄や再協議は難しい。まず批准し ようという言葉がいかに危険で安易な主張かを知るべきだ。

核心は水道水民営化、ボリビアの水事態はISDの危険を克明に示す

朝鮮日報は、私のツイッターを怪談の震源地として紹介し、米国とボリビアは FTAを締結していないと強調した。しかし私が注目したのはISDの問題であり、 上水道民営化の問題だ。強力なISDを含む韓米FTAが上水道を含む公共サービス、 公共政策を攻撃し、投資家の利益を強調するという論理につながることを遮断 するために、朝鮮日報は「米国とボリビアはFTAを締結していないが、この話は ツイッターを通じて『無限リツイート(転載)』された」とだけ言及した。私の 主張を怪談のように認識させるための巧妙な書き方だ。

10月22日の国会最終討論でイ・ヘヨン教授が暴露したように、今までの韓国政府 の話とは違い、韓米FTAでは将来の公共政策決定権は決して包括的に留保されて いない。電気、水道、通信など公共部門も米国企業が提訴できるISD提訴の対象だ。

まさか上水道まで民営化するか、またたとえ民営化するとしても、まさか海外 に売却するかという疑問は、なぜ絶対にそんなことがないと確信できるのかと いう質問のようなものだ。ただ韓米FTAは、民営化、開放化の原則、私有財産権 絶対の原則をいかなる必須公共サービス政策よりも重視するという点は明確な 事実だ。

またベクテルがボリビア政府を圧迫し、実際に提訴したISDは、韓米FTAのISDと 同じだ。その上、ベクテルがボリビアとFTAを結びもしない米国国籍の企業にさ え、政府を提訴させた事実こそ、ISDの特性と危険性を克明に示す。ISDを含む 韓米FTAが、米国企業だけでなく、韓国の財閥と外国の多国籍企業もまた利用で きることを示す良い事例だからだ。

韓米FTAも単に米国と韓国の両国間の国益を比較する単なる貿易協定でなく、私 たちの生存問題がかかる公共政策・サービスを破壊し、再編しようとする多国籍 企業の問題だ。

本当に奇怪な話を見つけたければ、ツイッターではなく、韓米FTAで私たちに 忍び寄る暗鬱な未来をしっかり調べなければならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-11-06 04:44:28 / Last modified on 2018-11-09 03:07:10 Copyright: Default

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