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韓国:ハンナラ、民労党に「反米FTA」新造語で攻撃
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「ナム・ギョンピル、FTAをひそかに上程して偉そうに」

ハンナラ党、民主労働党に「反米FTA」新造語で攻撃...20〜22日にまた最終討論

キム・ヨンウク記者 2011.10.18 19:16

ハンナラ党が10月中に韓米自由貿易協定(FTA)批准同意案を通過させるために、 国会外交通商統一委員会の案件に上程したことで、野党が外交通商委委員長の 席を占拠するなどの苦しみを味わった。この過程で与野党の議員の間に罵声が 飛び交い、『反米FTA』という新造語が登場したり、民主的議事の手続きについ ての責任攻防も激しく起きた。

特にナム・ギョンピル外交通商委委員長が委員長の席を占拠した野党に、民主 主義を破壊する行為だと責任を転嫁すると、『一人で偉そうに』という皮肉が 出るなど韓米FTA処理をめぐる対立はさらに拡大する様相だ。

▲委員長席の前で会議を進めるナム・ギョンピル外交通商委委員長

外交通商委占拠、協議なく批准案を上程して強行処理の信号送ったから

10月18日の午後2時頃から行われた野党の委員長席占拠は、外交通商委のナム・ ギョンピル委員長が野党と協議なく外交通商委全体会議に韓米FTA批准同意案を 上程したためだ。この日の午前に予定されていた外交通商委法案審査小委も、 野党との協議なく批准同意案審査を議事日程に上げ、野党議員が小会議場を 占拠、小委は開けなかった。小委審査を経ない状態で全体会議に批准同意案が 議事日程に上がると、野党議員は批准同意案を強行処理する意図と見た。

外交通商委委員長席占拠をした議員は李正姫(イ・ジョンヒ)、キム・ソンドン、 権永吉(クォン・ヨンギル)、姜基甲(カン・ギカプ)、ホン・ヒドク民主労働党 議員と鄭東泳(チョン・ドンヨン)、キム・ヨンノク、ユ・ソノ、民主党議員、 趙承洙(チョ・スンス)議員で、彼らは『韓米FTA強行処理反対』プラカードを 持った。

外交通商委ナム・ギョンピル委員長は委員長席を占拠した野党議員に少数が力 で議事日程を妨害しているとし、国会混乱の責任を野党にまわし、委員長席の 前で無線マイクを持って全体会議を進めた。

しかし野党議員はハンナラ党が最終討論を最終討論らしく運営せず討論が失敗 したとし、最終討論の実施と議事日程強行の中断を要求した。またナム・ギョ ンピル委員長とハンナラ党議員の一方的な議事日程強行が委員長席の占拠の 原因になったのに、野党の占拠だけを問題にしていると強く反発した。

ナム・ギョンピル委員長は委員長席を占拠した野党議員に「物理的強行はしな いとすでに約束した。はやく委員長席をあけてくれ」とし「席をあけてくれれ ば、幹事協議をする。必要ならまた批准同意案を法案審査小委員会に送る」と 述べた。

だが民主党のキム・ヨンノク議員は「与野幹事協議もせず全体会議を招集した のは委員長の誤りだ。強行しないというが、今強行処理をしているではないか」 とし「すでに法案が全体会議に上程された。与野合意なく小委から全体会議に 批准案を上程して、また小委に送るというのはどういうつもりか」と非難した。

ナム・ギョンピル委員長は「これが民主労働党の民主主義か。席をあけてくれ なければ、このまま立って議事を進める」と無線マイクを持って立ち、与党 議員の議事進行発言を続けた。

▲外交通商委委員長席を占拠した野党議員

ハンナラ党ユン・サンヒョン議員、「民主労働党は米国反対で、FTA反対ではない」

ナム・ギョンピル委員長から議事進行発言権を得たユン・サンヒョン議員は、 民主労働党に『反米FTA』という新造語を作り出した。ハンナラ党のユン・サン ヒョン議員は「民主労働党は韓米FTA反対ではない。民主労働党が本当に反対し ているのは米国だ。韓米FTA反対ではなく、反米FTAで反対している」と攻撃し た。続いてユン議員は民主党にも「民主党は韓米FTAと反米FTAの間でどぎまぎ しながら言いなりになった」とし「民主党は道に迷っている。民主党はいつま で民主労働党に部屋を取られ、大部屋暮らしをするのかかわいそうだ。民主党 が民主労働党の占拠政治を解け」と忠告した。

ユン・サンヒョン議員の放言に対し民主労働党の李正姫代表は「これが正常な 会議か」とし「われわれは韓EU FTAにも反対した。では、私たちはヨーロッパ 連合にも反対しているのか」と反論した。民主労働党のキム・ソンドン議員も ユン議員の言葉に「約束したとおりに終末討論をしろ。すでに強行処理をして いる」と声を高めた。

それについてハンナラ党のチョン・オギム議員も「強行処理という言葉が出て いるが、強行処理の用語は適切ではない。ハンナラ党は忍耐をつくして合意を 経て、処理しようと努力している」と声を高めた。

ハンナラ党が忍耐という単語を使うと、キム・ヨンノク民主党議員は「与野の 合意ない全体会議を勝手に上程することが忍耐心か」と批判した。

与野党の議員の間で野次が飛び交い、ナム・ギョンピル委員長は「民主労働党 代表が委員長席に座って議事の進行を妨害している」とし「これが民主主義か。 ごり押し主義だ。しかしわれわれはさらに耐える」と与野幹事協議を提案した。

▲ナム・ギョンピル委員長が民主労働党の李正姫代表に委員長席を立つよう要求している。

ナム・ギョンピル委員長、外交通商委の占拠を口実に強硬モードを示唆

与野幹事協議が終わり、ナム・ギョンピル委員長は「今日のこの事態は見過ご せない。民主主義が少数の物理的暴力で妨害されている。十分に対話と討論で すると申し上げたし、絶対に物理的には強行処理をしないと約束した」とし 「ところが委員長席を占拠して、少数が力で議事進行を妨害するのは容認でき ない。今日まで容認してきたが、これからはきっぱりと防ぐ」と話した。これ は、野党議員が民主主義を破壊したとし、外交通商委の混乱の責任を野党にす べて回す発言だ。

ナム委員長の発言について、先週、外交通商委で補足任命された民主党の鄭東 泳(チョン・ドンヨン)議員が議事進行発言を要請したが、ナム委員長は散会を 宣言して外交通商委を出た。強行処理をしないという宣言を信じずに委員長席 を占拠した野党に対し、強硬に対応しても名分があるという自信の表現だ。

これについてキム・ヨンノク議員は会議場を出るナム・ギョンピル委員長に 「委員長本人は与野幹事協議もなく勝手に議事日程を決め、自分だけが偉そう にするのか」とし「本人だけが偉く、本人だけが民主主義のためだと言って 議事日程も合意せず好きにするのか」と強く批判した。

一方、この日、与野幹事は10月20日から22日まで、本会議の日程などを考慮して、 最終討論を開くことにした。今回の最終討論の様式は、できるだけ賛否討論者 の発言の機会を防がないようにし、外交通商委全体会議次元でナム・ギョンピル 委員長が司会をする。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-10-19 11:08:12 / Last modified on 2011-10-19 11:08:17 Copyright: Default

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