10日の本会議も韓米FTAの戦場になるか

3日の本会議は中止になったが国会の内外で緊張最高潮...ハンナラ党は世論戦を選んだもよう

韓米FTAの批准に反対する野党議員が国会の外交通商委を占拠してから三日目に なる11月3日午前8時頃から、国会では緊張が高まった。この日は国会本会議で ハンナラ党がFTA批准同意案職の権上程が予想されている日だった。デモ隊が 本会議場に進入するという機密情報を入手したとし、国会事務局が国会本庁建物に 出入制限措置を取り、出入を統制された議員秘書が強く反発した。本格的な緊張が 始まったのだ。

▲3日午前、国会北門を取り囲む警察バス

警察は午前中ずっと国会の周囲2.4kmを警察バスで取り囲み始め、特に10月28日 に韓米FTA反対デモ隊が進入を試みた国会東門と北門などにも放水銃が配置された。 国会に入るすべての入り口は固く封鎖され、国会本館周辺だけでなく、内外の あちこちに警察が歩き回っていた。

野五党と韓米FTA阻止汎国民運動本部は午前8時に国会貴賓食堂で今後の対応計画 を議論した。彼らは11月5日(土)午後に朴元淳(パク・ウォンスン)市長に変わった 後、初めてソウル広場で大規模キャンドル文化祭を開くことにした。

午前10時には、全国430ほどの市民社会団体連帯組織である『市民社会団体連帯会議』 に所属する団体と、民主党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員が、国会記者会見場 (正論館)で記者会見を行い、「国会が公共政策の立法主権を譲渡する韓米FTA協定の 批准案に何も問い詰めることもせず、はなはだしくはどの法律が、どんな公共政策が 韓米FTAで制約されるのかもわからないまま、正誤表も提起されず機械的に 賛成しようとしている」と非難した。

民主党の鄭東泳議員は記者会見で「ある人は、ISD(投資家国家訴訟制)を米国企業 の利益保護制度だといったが、韓国の財閥大企業利益保護制度でもある」とし 「全経連が一番ISD通過を待っている。しかしその結果は惨めだ」と声を高めた。

民弁のキム・ソンス会長も「韓米FTAの違憲性と非公正性を十分に検討した後に 批准しても、韓国の国益には何の損傷もない」とし「国内法と韓米FTAが衝突す る問題と、米国履行立法の問題などを十分に検討して対策を用意した後に批准 しても遅くない。この状態で韓米FTAを推進するのは民族に対する重大な犯罪」 だと非難した。

続いて本格的な対峙は3日間占拠が続いている外交通商委全体会議室の前で起きた。 午後1時30分頃、民主労働党の李正姫代表と鄭東泳議員が守っている小会議室の 扉の前にナム・ギョンピル外交通商委員長が来て、舌戦を繰り広げた。

ナム・ギョンピル委員長は「本会議の後も外交通商委全体会議を開かないから 会議室から出てくれ。民主労働党は話にならないから鄭東泳議員が話してくれ」 と話した。

すると周辺にいた民主労働党の関係者が「なぜ民主労働党を侮辱するのか」と 非難すると、ナム・ギョンピル委員長は「民主労働党は侮辱されて当然」とま た声を高めた。李正姫代表は「強行処理のためにキム・ソンドン議員に暴力を 行使した。この席で総選挙不出馬の約束をまた確認しろ」と反論した。すると ナム委員長は「普段は丁寧に話されて、清潔で可愛い顔でそんな言葉を言うの は厚顔無恥だ」と正面から受けた。

ハンナラ党はこの日予定された3時の本会議前の2時30分に議員総会を開いた。 この席でイ・ジュヨン政策委議長は、「最近、韓米FTAに関してインターネット で、特にSNSを中心に荒唐無けいな流言飛語が乱舞していて、また反対勢力らが これらを利用して反対扇動をしている事例をよく見かける」とし「今日、議員 さんたちに韓米FTAの誤解と真実、こうしたフォーマットで配布した。この資料 を活用して、インターネット、SNSを通じて整然と反論をしていただき、国民に そんな扇動に乗せられないようしっかり活動してほしい」と強調した。

この日の本会議は、ハンナラ党の議員総会が行なわれている間に取り消された。 ハンナラ党は10日の本会議を開く前にテンポを下げて本格的な世論戦に出るも のと見られる。十分に世論が熟して野党が疲れた隙に、外交通商委で処理する 可能性も高い。

この日の午後2時から、国会の外で韓米FTA阻止3次汎国民大会が開かれた。国会 の外で本格的な動きがまた始まったのだ。5千人余りの労働者・農民・市民・学生 は、警察の放水を受けながらも、国会への進入を試み続けた。

彼らは本会議が中止になったというニュースが伝わったため、午後5時に解散し て国会前キャンドル文化祭で阻止闘争を続けた。本会議が取り消された理由は 処理する法案が10本程度で、FTA批准同意案のために本会議場周辺に緊張が高ま ることを憂慮したためだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可（ 仮訳 ）に従います。