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[韓日FTA五次交渉]民衆生存権破壊、密室交渉韓日自由貿易協定に反対する!国民行動 事務局
8月23日から8月25日まで、韓国の慶州で、 韓国及び日本政府代表団が集まり韓日自由貿易協定(FTA)締結のための 五次交渉が進められる。 両国政府は去る6月に開催された4次交渉で 「包括的で水準の高いFTAを締結する」という原則を再確認し、 今日から本格的に「統合協定文」について議論すると明らかにした。 交渉が開始されて以来、さまざまな市民社会団体が 持続的に問題提起しているにもかかわらず政府は交渉を持続しており、 さらに交渉を休養地の真ん中で開催しながらも 交渉内容や協定文草案を全く公開していない。 これにたいして、全国民衆連帯、自由貿易協定・WTO反対国民行動、 医療市場開放阻止共同対策委員会、汎国民教育連帯、民主労働党、 民主労総は、8月23日(月)11時に会議開催場所の慶州普門団地内の 現代ホテル正門前で記者会見を開き、 2時には民主労総主催の「韓日FTA締結阻止決意大会」が開催された。 【記者会見文】 民衆生存権破壊、密室交渉、韓日自由貿易協定に反対する! 韓国と日本の両国は今日から8月25日まで、 ソウルから350kmも離れた慶尚北道慶州で 韓日自由貿易協定(FTA)締結のための五次交渉を行う。 昨年12月に交渉が開始されて以来、多くの市民社会団体と 労働者・民衆が韓日FTAに相当な憂慮を表明したのに、 両国政府は去る4次交渉で「包括的で水準の高いFTAを締結する」という原則を 再確認して、去る7月22日に済州で開催された韓日首脳会談では FTA締結のための「環境造成のために共同で努力すること」を確かめ合った。 そして五次交渉は今日から本格的に「統合協定文」を議論するというなど、 むしろ一層拙速な密室交渉を進めている。 このように超国籍資本だけに自由を付与する新自由主義的「自由貿易」では、 WTOの形であれ、FTAの形態であれ、民衆には生の破綻を意味する。 このような本質は韓チリFTAを通し現実として表れており、 最近に妥結したWTOのドーハ開発議題(DDA)の基本骨格で確認されており、 今交渉を進行している韓日FTAによって一層明確になっている。 われわれはFTAの破壊的効果を既に経験している。 昨年締結された韓チリFTAで果樹農家を中心に農家の破綻が続出していて、 250万の農民は農作業を放棄しなければならない実情である。 政府官僚が予見したように、250万人に達する農民は40万農民時代に 本格的に進入し、農村から退出した農民は 資本と政権が好む都市の非正規労働者に転落してしまうだろう。 このような現実を目前に控えても、韓国と日本両国の政府が 密室交渉で韓日FTAを拙速に締結しようとする目的は何か? 労働者民衆に韓日FTAという構造調整を強要し、 常時的な雇用不安と非正規職をさらに量産する労働市場柔軟化政策だ。 交渉過程で日本側は韓国の労働基本権と団結権を保障するための さまざまな法制度を「非関税障壁」として扱い、撤廃することと注文している。 最近、ソウルジャパンクラブは韓国に短時間勤労者、労組専任者数の 縮小・賃金支払の禁止、労組の不法労働行為の厳正・迅速な対処、 正規職解雇条件の緩和など、13項目の労働関連建議事項を韓国政府に提出した。 日本資本のこうした厚かましい要求がFTAの「非関税措置」によって 貫徹されると、労働者の暮らしは完全に破壊せざるをえない。 合わせて「貿易の迅速化」を名分に、食品及び医薬品などの安全性を 各国が検討する機会を剥奪する相互承認制度を導入しようとしており、 投資を活性化するという名目の下で投機資本を投資に変身させる措置を 協定に含めようとしている。両国間の知的財産権保護措置を強化することで 超国籍資本の利潤を保障しながら医薬品や情報に対する民衆の接近権を 制限する内容も含んでいる。 合わせて韓国政府は近い将来、基幹産業と公共サービスの 私有化につながらざるをえないサービス譲歩案を日本に提出するらしい。 多くの研究者が出しているように、 韓日FTAが締結されれば相対的に関税が高い韓国は、 重化学工業や自動車、機械組立産業を中心に打撃が非常に大きいものと予想される。 対日貿易赤字が一層大きくなるだろうという予告は、 政府と傘下研究所が作成した報告書にも出ているところだ。 日本資本は韓国への輸出増大で歓呼の声をあげ、 韓国企業はこれを言い訳にして解雇と構造調整を強化するはずだ。 さらに、9倍も経済規模が大きい日本と韓国の市場統合は、 日本の巨大経済構造に韓国企業が垂直系列化される隷属的経済構造を 一層固着化させる。韓国政府は、 中国、ASEANや南米とFTAを締結して輸出を増大することができるので、 韓日FTAの否定的効果は挽回できるというが、 それが虚像にすぎないという事実をわれわれはあまりにもよく知っている。 政府は「自由貿易」は大勢だと言って、 対外貿易に依存した韓国経済の唯一の生きる道と言い、FTA締結を正当化している。 しかしWTOと地域、または二国間FTAに対する全世界の激しい抵抗は 「自由貿易」が絶対的な大勢ではないことを証明している。 そしてFTAが締結されれば締結されるほど、 韓国経済の対外依存度が高まり、逆に経済危機の可能性が大きくなるという 事実もまた既に世界のあちこちで証明された。 われわれは韓日FTAが持たらす全社会的不幸と破壊を指摘して 交渉を即刻中断することを両国政府に要求する。 それにも拘わらず両国政府が交渉を持続するのであれば、 この協定の締結を阻止するための私たちの闘争は一層強まるだろう。 ここにわれわれは以下の通り要求する。 ひとつ、密室交渉を即刻中断して、すべての内容を公開しろ! ひとつ、労働権を抹殺して社会公共性を破壊する韓日自由貿易協定(FTA)交渉を即刻中断しろ! ひとつ、全世界が叫んでいる! 労働者農民を皆殺しにするWTOに反対する! DDA交渉を中断しろ! 2004年8月23日 全国民衆連帯 自由貿易協定?WTO反対国民行動 医療市場開放阻止共同対策委員会 汎国民教育連帯 民主労働党 民主労総 【参考資料】 〈日本から韓国に送ってきた連帯メッセージ〉 韓国の闘う仲間の皆さんに 海を隔てて、韓国で日韓自由貿易協定を阻止するために闘う すべての闘う仲間の皆さんに、日本から連帯の挨拶を送ります。 本日23日から25日まで、慶州で日韓FTAの第5回政府間交渉が行なわれます。 私たちは、韓国の闘う仲間の皆さんが、 この第5回交渉に反対して慶州市内で抗議行動を起こすという知らせを、 熱い連帯の思いをもって聞きました。 私たちも、本日、韓国の同志の皆さんとともに、 東京の外務省前で抗議行動を起こします。 現在、各国政府は、7月にスイスのジュネーブで開かれた WTO一般理事会でドーハ開発アジェンダの基本骨格が合意されたことを受けて、 これまで進めてきた2国間・地域間FTAの締結交渉を さらに強力に推進しようとしています。 こうした中で、日本と韓国の政府は、日韓条約締結から40年目になる 2005年の早い時期に日韓FTAを締結し、 それを足がかりに、ASEAN諸国をはじめとする東アジア各国とFTAを締結して、 中国も含む東アジア地域の自由貿易圏を創出しようと狙っています。 日本政府は、国家間の経済の力関係が如実に反映される 2国間FTA交渉において、WTO以上のイシューを持ち込み、 トヨタやソニーのような日系多国籍企業の利益を確保しようとしています。 日韓FTAでは、韓国の労働運動に対する弾圧条項を、 「非関税措置」(NTMs)の名目で盛り込もうとしています。 また最近、日本政府は各国とのFTA交渉において、 「ビジネス環境整備」という項目を盛り込もうとしています。 これは、「ビジネス環境」の妨げになる問題を両国間で構成する 「ビジネス環境整備委員会」で検討し、 必要があれば相手国政府に「是正」を勧告するという制度です。 例えば、日メキシコFTAでは製造拠点としての魅力増のために 賃金引下げなどの「法改正を含む労働改革」を挙げています。 このように労働運動のみならず、や農民運動、環境保全運動、消費者運動など、 わたしたちの生活していくうえに欠くことのできない権利と運動の成果が、 「非関税措置」や「ビジネス環境整備」という名目で弾圧されようとしているのです。 さる8月10日、韓国に進出している日系企業の集まりである ソウルジャパンクラブ(SJC)は、韓国政府に対して49項目の 「事業環境の改善に向けたSJC建議事項」を提出しました。 そのうち13項目は、「労働・労使関係分野」に関する事項です。 そこでは、韓国労働運動に対する敵対的姿勢が露骨に表明されています。 具体的には、「過度に労働者に有利な労使協定や慣行の是正」 「激しい労働運動紛争が横行しないよう、政府や各種機関が徹底して指導すること」 「法定退職金制度の廃止」「No-Work No-Pay原則の徹底」などという これまでの建議事項に加え、 「労働条件の下方修正が可能となるような制度の導入・普及」、 正当な理由なく解雇した事業主に対する罰則や解雇の60日前事前通告制など 勤労基準法に定められた「正規職の解雇条件」を緩和することなどが 新たに盛り込まれているのです。 日韓FTAは、こうしたソウルジャパンクラブのような 日系進出企業の利益のみを保障し、日韓両国の労働者民衆の生存権を 崖っぷちに追いやる協定に他なりません。 私たちは、今年6月にソウルで開かれた 世界経済フォーラム東アジア会議に反対するデモ行進とアジア民衆社会運動会議に、 韓国の闘う仲間の皆さんと肩を組んで参加してきました。 そして今日、私たちは日韓FTA第5回交渉に反対して、 東京と慶州でふたたび共同して行動しています。 新自由主義グローバリゼーションに立ち向かうには、 日韓で、アジアで、全世界で労働者民衆がともに団結して闘うしかありません。 団結こそ私たちの宝です。この宝をさらに強固なものにして、 日韓FTA交渉を必ずや破綻させていきましょう! 団結! 闘争! そして、私たちは勝利しましょう! 2004年8月23日 「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーン 脱WTO草の根キャンペーン実行委員会 〈韓国から日本に送った連帯メッセージ〉 日本で韓日自由貿易協定(FTA)を阻止するために 闘争する同志らに連帯のあいさつをします。 今、韓国と日本政府が交渉している韓日FTAは、 私たちの労働権を踏みにじり、社会公共性を抹殺し、 人間の生のあらゆる部分を超国籍資本の遊び場に変革しようとします。 それにより韓国と日本の両国のすべての労働者庶民を 崖っぷちに追い詰めることになるでしょう。 五次交渉を迎えた今日、 たとえわれわれが海を間にはさんで別々に闘争をしているとはいえ、 私達の心はひとつです。われわれは共同の目標に向かい闘争しています。 最近、WTOドーハ開発議題の基本骨格が合意されて 各政府がさまざまなFTAを推進しようとしています。 時には私達が闘おうとしている対象があまりにも大きく強力にみえます。 しかし同時に新自由主義世界化に対する全世界的な闘争が行われています。 私たちは来る10月、日本で開催される6次交渉を迎えて、 大規模な遠征闘争団を日本に派遣し、同志のみなさんと肩を組んで 闘争をする予定です。資本の世界化を防ぎきって 労働者、民衆の世界化に向かって熱心に前進しましょう。 韓国と日本の強硬な連帯があれば、私たちの闘争は絶対に勝利するでしょう。 2004年8月23日 民主労総 イスホ委員長 民主労働党 キムヘギョン代表 自由貿易協定WTO反対国民行動共同代表 李鐘會 全国民衆連帯常任議長 チョングァンフン 汎国民教育連帯常任代表 パクコヨン 医療開放阻止共同対策委員会共同代表 ユンヨンギュ 翻訳/文責:安田(ゆ) Created byStaff. Created on 2004-08-26 09:16:24 / Last modified on 2005-09-05 05:16:35 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |